発音は変化するのに綴りが変化できなくなってしまった
世界中の英語を学ぶ人が困っているのが、英語の発音と綴りが違うことです。困っているのは日本人だけではありません。
基本的に言語では、綴りと発音は1対1で対応しますが当然時には例外があります。しかし英語の場合、あまりに違うのです。当のネイティブですら困っていて、子供に発音を覚えさせるためにPhonics(フォニックス)という発音のルールをつくって子供に教えています。
例えば ee はイーと発音すると言う具合です。これは外国人が英語の発音を学ぶのにもつかえて、日本でもそういった本が何冊か出ています。(アマゾンでフォニックスで検索してみて下さい)
実はそれでも発音の75%くらいしか網羅出来ていないのです。本当に悩ましいです。どんな単語が違っているかは検索すればいろんなサイトで紹介していますのでここでは触れません。
ではそもそも何故そんな事になったのでしょうか。日本語も含めて多くの言語では、時代とともに発音が変わることは珍しくありませんが、その場合、つづり(書き言葉)も変わっていきます。実際、英語も時代とともに発音や言い方が変わり、その時には綴りも変わっています。(実はアルファベット自体も変わっているのですが。。。)
ところがある事件が起きたのです。活版印刷の発明です。
正確には印刷は中国で発明されましたが、ヨーロッパではグーデン・ベルクにより15世紀に発明されました。もちろんそれにより書物が普及するのですが、問題なことに、活版印刷の普及により、文字の綴りが変わりにくくなってしまったのです。
それにも関わらず、英語の発音は変わり続けました。そのため、次第に実際の発音と綴りとのギャップがどんどん広がっていきました。もちろん、それらが問題視され、修正しようとする動きがありました。その痕跡が、イギリス英語とアメリカ英語の綴りの違いです。
例えばアメリカ英語のcenterはイギリスではcentreです。これは有名ですよね。何故違うかといえば、アメリカでは発音と綴りの違いを是正しようという動きがあり成功したからなのです。
この時に活躍したのが辞書で有名はウェブスターです。元々英語はイギリスが発祥ですが、ウェブスターは発音と綴りの違いを問題ととらえ、イギリス式の綴りをアメリカ式の綴りとして新たに作り変えることを提唱しました。そのためアメリカ英語は若干、発音と綴りの違いが是正されたのです。(ウェブスターの綴り次の改定)
これでアメリカ式発音は若干発音と綴りのギャップが埋まりましたが、十分ではありません。その混乱は現在も続いているのです。(Yasu)
英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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