多くの初心者が英語の勉強を始めて苦しむことの一つに5文型があります。中には「自分は5文型を理解していないから英語力が上がらないのではないか」と相談しに来る生徒さんもいます。
5文型は便利な反面、学習者に混乱をもたらしているのも事実です。ここでは5文型のメリットとその問題点を根本から説明します。
まず簡単な品詞の説明です。
名詞:名前を表す単語
動詞:動作を表す単語
形容詞:名詞を説明する単語
副詞:名詞以外を説明する単語
この説明でよく分からない方は以下を見てください。
英語は語順が重要
日本語と異なり英語は語順で文の意味が決まります。そしてどういう語順だとどういう文の意味になるか、というのも決まっているのです。
名詞+動詞
基本は「名詞+動詞」の語順です。「『名詞』は『動詞』する」の意味になります。これが英語の語順の大原則です。この語順の型は、5文型では第1文型と呼ばれています。
I swim. 私は泳ぐ。
We run. 私たちは走る。
People walk. 人々は歩く。
そして、その後に何をどう並べるかによって、さらに細かいことを表現できます。
名詞+動詞+名詞2
例えば、「名詞+動詞」の後にもう一つの『名詞2』を置くと、「『名詞』は『名詞2』を『動詞』する 』の意味になります。この語順の型は、5文型では第3文型と呼ばれています。
I like soccer. 私はサッカーが好きです。
We play baseball. 私たちは野球をします。
People eat rice. 人々はお米を食べます。

名詞+be動詞+名詞2
また、動詞の種類によっては、「『名詞』は『名詞2』と等しい」の意味になります。その動詞とは「 be 動詞(ビー動詞)」です。ただし be動詞は主語に応じて形がかなり変わるので要注意です。この語順の型は、5文型では第2文型と呼ばれています。
I am a student. 「私」は「ひとりの生徒」に等しい。⇒ 私は生徒です。
He is a teacher. 「彼」は「ひとりの先生」に等しい。⇒ 彼は先生です。
She is my mother. 「彼女」は「私の母」に等しい。⇒ 彼女は私の母です。
今は、be 動詞(ビー動詞)の形がなぜ、かなり変わるかのか、そして、なぜ a がいるのかは気にしないでください。ややこしい話なので別のところで説明します。
名詞+be動詞+形容詞
そして be動詞は後ろには、「名詞」だけではなく「形容詞」を置くこともできます。すると語順は「名詞+動詞+形容詞」になります。と言いながら、be動詞だけなので実際には「名詞+be動詞+形容詞」ですね。これも「等しい」という意味で解釈します。これも5文型では第2文型と呼ばれています。
I am tall. 「私」は「背が高い」に等しい。⇒ 私は背が高いです。
He is rich. 「彼」は「金持ちな」に等しい。⇒ 彼は金持ちです。
She is beautiful. 「彼女」は「美しい」に等しい。⇒ 彼女は美しいです。
ちなみに、be動詞は数学のイコール記号(=)を置くと分かりやすいです。
I am a student. ⇒ I = a student.
I am tall. ⇒ I = tall.
それ以外の語順
今紹介した語順は基本ばかりです。実際にはもっといろいろな「語順の型(かた)」があります。英語はいくつかある語順の型を覚えなければならないのです。その代表が、5文型なのです。
この語順の型を覚えると、知らない単語が文に含まれていてもそれなりに意味が分かるようになります。
AAA is BBB.
これは AAA や BBB が何か分からなくても、「AAA=BBB」と言っていることは分かります。
AAA likes BBB.
これは「AAA は BBB が好き」と言っているのでしょう。AAA や BBB が何か分かりませんが。
このように、文を見た瞬間に語順の型さえ分かれば文の意味は大体理解できてしまうのです。そして語順の型の基本が5文型なのです。
ここまで来ると皆さんは、5文型を覚えれば英語力が上がることを理解していただけたのではないでしょうか。
5文型の問題点
まず、英語の「語順の型」を5つに集約したのが5文型ですが、当てはまらない文が結構あります。
まず、以下の文を見てください。問題のない例です。
We play baseball in Tokyo.
私たちは東京で野球をします。
ここで in Tokyo は「場所の副詞」と言って副詞です。5文型で語順の型を考えるときには「副詞」は文から割愛して考えます。
ですからこの文は、We play baseball となり、『「名詞」+「動詞」+「名詞2」』です。つまり、5文型で言えば第3文型となります。
次に以下の文を見てください。問題がある例です。
I live in Tokyo.
私は東京に住んでいます。
ここにも in Tokyo が出てきました。これは「場所の副詞」なので文から割愛して語順の型を考えたいのですが、割愛すると以下になります。
I live.
私は生きています。
なんか、文の意味が変わってしまいましたね。
live という動詞は後ろに「どこどこに」という「場所の副詞」が来ないと「住んでいる」という意味にはならないのです。
5文型は、副詞を割愛して考えねばなりません。しかし、文中で副詞が重要な役割を果たしている場合があり、その時に5文型に無理やり当てはめるとおかしな事になるのです。
それでも数十年前は5文型の大ブームで、大学入試でも「次の文は第何文型か答えよ」なんて問題がいっぱいでました。しかし最近は、問題点が指摘され、今どきそんな大学は殆どありません。
ですから、5文型を拡張させて、7文型とか8文型とかを提案している英語の研究者もいるのです。なかには50を超える考え方もあり、一般の学習者ではついていけません。
他にも5文型には問題がありますが、別の場所で論じていますので、より詳しく知りたい方は以下を参照ください。
結局、英語の語順をどう考えるべきなのか
英語の語順は重要です。それは間違いありません。5文型という考え方も問題はありますが、日本人が「語順の型」を覚えるには非常に便利な考え方です。
ですので最近は、「語順の型」の基本としての5文型を教えてから、そこから漏れる重要な語順の型を別に説明する英文法書が多いようです。
個人的にもこれが一番現実的な気がします。
さて、以上で語順の説明は終了です。
語順の重要性や5文型の大切さを少しは理解して頂けたでしょうか。
しかし実際のところ、中学高校で英語が得意な方でも、語順の重要性を理解しているものは多くないと思います。ですから、なんとなく理解できれば十分ですので、よく分からない方も心配しないで下さい。
「語順を変えたら意味が変わる」——英語の最も大切なルール、理解していますか?
「犬が猫を追いかけた」「猫を犬が追いかけた」——日本語では語順を変えても、意味は同じですよね。「が」や「を」といった助詞が、誰が何をしたかを教えてくれるからです。
でもこの記事を読んで分かったように、英語には助詞がありません。”A dog chased a cat.” と “A cat chased a dog.” では、追いかけている側と追いかけられている側がまったく逆になります。——英語では「語順=意味」なのです。
だからこそ、5文型(SV・SVC・SVO・SVOO・SVOC)の理解が重要になります。文型は「英語の語順のパターン」です。このパターンを知っていれば、どんな文でも「主語はどれ?動詞はどれ?目的語はどれ?」と構造を見抜けるようになります。逆に文型を知らないと、単語を知っていても正しい語順で並べられず、意味が通じない英語になってしまいます。
「文型なんて学校で習ったけど忘れた」という方も多いかもしれません。でも、大人になってからやり直すからこそ、文型の重要性が実感できるのです。
初心者専門英会話カーディムでは、こうした英語の基本構造を、授業の中でしっかり身につけていきます。
- 「この文は第3文型(SVO)ですよ、主語→動詞→目的語の順番です」と、文の組み立て方をその場で指導してもらえる
- 5文型だけでなく、疑問文や否定文の語順変化など、英語の語順ルールを総合的に練習できる
- 「なぜこの語順なのか」を理解することで、丸暗記に頼らない英語力が身につく
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英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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