海外の挨拶に戸惑うあなたへ|ハグとキスの文化とスマートな英語対処法

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海外旅行や映画のワンシーンで、外国人が親しげにハグやキスで挨拶を交わす場面。素敵だなと思う反面、「もし自分が同じ状況になったらどうしよう…」と、少しドキッとした経験はありませんか?

この記事では、そんな海外の挨拶文化にまつわる戸惑いを解消し、自信を持ってコミュニケーションを楽しむための知識と実践的な英語フレーズを、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきます。

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このブログでは、動画でお伝えしきれなかった文化の背景や、より多くの具体的なシチュエーション、そして明日から使える豊富な英語の例文をたっぷりとご紹介します。基本を理解した上で、さらに一歩進んだ知識を身につけたい方は、ぜひこのままじっくりと読み進めてくださいね。

なぜ私たちは戸惑うの?日本の「ローコンタクト」文化

そもそも、なぜ私たちはハグやキスといった挨拶にこれほど戸惑ってしまうのでしょうか。

その答えは、日本が「ローコンタクト文化」に属しているからです。これは、日常生活において身体的な接触が比較的少ない文化のことを指します。お辞儀が丁寧さのしるしとされるように、私たちは相手との間に一定の個人的な空間(パーソナルスペース)を保つことを心地よいと感じる傾向があります。

一方で、海外の多くの国々は、身体的な接触を通じて親密さや歓迎の意を示す「ハイコンタクト文化」です。この根本的な違いが、挨拶の場面で「えっ?」という驚きや戸惑いを生む原因なのです。

  • ローコンタクト文化(日本、北欧、ドイツなど)
    • 挨拶はお辞儀や握手が基本。
    • 身体的な接触は、ごく親しい間柄に限定される。
    • 個人の空間を尊重する。
  • ハイコンタクト文化(南ヨーロッパ、ラテンアメリカなど)
    • 挨拶でハグや頬へのキスが頻繁に行われる。
    • 身体的な接触は、親密さや温かさの表現。
    • 感情表現がオープン。

この違いを知るだけで、相手の行動が「馴れ馴れしい」のではなく、「親しみを込めた文化的な挨拶」なのだと理解でき、少し心が楽になりますよね。

国によって全然違う!世界のハグ&キス事情

「ハイコンタクト文化」と一言で言っても、その習慣は国や地域によって驚くほど多様です。ここでは、代表的な国の挨拶スタイルと、日本人が陥りがちな失敗例を見ていきましょう。

英語圏(アメリカ vs. イギリス)でもこんなに違う

同じ英語圏でも、挨拶の習慣には違いがあります。

  • アメリカ
    • 挨拶スタイル: 親しい友人や家族(特に女性同士、男女間)とはカジュアルにハグをします。ビジネスや初対面では固い握手が基本です。
    • 注意点: アメリカのハグはフレンドリーさの証ですが、頬へのキスは一般的ではありません。ヨーロッパ系の家庭などを除き、いきなりキスをすると驚かれる可能性があります。
  • イギリス
    • 挨拶スタイル: 基本はアメリカよりも控えめで、握手が最も無難です。親しい間柄ではハグをします。
    • 注意点: 都市部ではヨーロッパ大陸の影響で頬へのキス(通常1回)が増えていますが、まだ完全に定着しておらず、イギリス人自身も戸惑うことがあるようです。

キスの回数に気をつけて!ヨーロッパのキス文化

ヨーロッパ、特に南部の国々では、頬へのキスは日常茶飯事。しかし、そのルールは実に様々です。

  • フランス
    • 挨拶スタイル: 「ラ・ビズ」と呼ばれる頬へのキスが一般的。友人、家族、知人との間で行われます。ハグはあまりしません。
    • 失敗例: 相手がキスをしようと顔を近づけているのに、日本式にお辞儀をしながら握手の手を出してしまい、お互いの動きがぶつかって気まずい空気に…。
    • ポイント: キスの回数は地域によって異なり、パリの2回から、場所によっては1回、3回、4回と変わります。相手のリードに合わせるのが一番です。
  • イタリア・スペイン
    • 挨拶スタイル: 頬へのキスが2回(ドス・ベソス)が基本。初対面の相手とも交わすことが珍しくありません。
    • ポイント: 唇を直接つけるのではなく、頬と頬を軽く合わせる「エアキス」が主流です。
  • オランダ
    • 挨拶スタイル: 親しい間柄では「3回キス」の習慣が有名です。誕生日などのお祝い事でよく見られます。
    • 失敗例: 1回や2回でキスを終えてしまい、相手を「待たせてしまう」という気まずい状況に。

相手との関係性が鍵!ハグが重んじられる国

  • ドイツ
    • 挨拶スタイル: 握手が非常に重要視されます。ハグやキスは、家族や恋人など、本当に親しい関係に限られます。
    • 失敗例: アメリカでの習慣と同じように、知り合ったばかりのドイツ人の友人にフレンドリーにハグをしたら、相手が固まってしまった。
    • ポイント: ドイツでは、握手からハグやキスに挨拶が変わることが、関係性が深まった証となります。
  • ブラジル
    • 挨拶スタイル: 非常にハイコンタクトな文化で、ハグやキスが頻繁に行われます。
    • ポイント: キスの回数は、サンパウロでは1回、リオデジャネイロでは2回と、同じ国でも地域差があります。

なぜキスが挨拶に?ジェスチャーに隠された物語

頬へのキスが挨拶として定着した背景には、古代ローマ時代まで遡る長い歴史があります。

当時、キスは社会的地位を示す手段でした。同等の階級なら唇へ、身分が下なら相手の頬へ、といった具体的なルールがあったのです。その後、キリスト教が広まると、「聖なる口づけ」として、信者同士の結束と慈愛を示す神聖な行為と見なされるようになりました。

こうした歴史的な背景が、ヨーロッパ社会にキスの習慣を根付かせ、今日の挨拶の形へと繋がっているのです。単なるジェスチャーの裏に、壮大な物語が隠されていると思うと、興味深いですよね。

もう焦らない!ハグとキスをスマートにかわす・受け入れる実践英語フレーズ

文化の違いは分かったけれど、それでも身体的な接触には抵抗がある…。そんな時、相手を傷つけずに自分の気持ちを伝えるにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、すぐに使える便利な英語フレーズと、その使い方を詳しくご紹介します。

スマートに「お断り」するための鉄板フレーズ

一番大切なのは、笑顔とポジティブな雰囲気です。拒絶ではなく、「私はこういうスタイルです」と伝えることがポイントです。

1. 先に「握手」を差し出す(最も自然な方法)

相手が近づいてくるより先に、こちらから笑顔で手を差し出し、握手を求めるのが最もスマートで角が立たない方法です。

(笑顔で手を差し出しながら)

“It’s so lovely to meet you!”

(お会いできて、とても嬉しいです!)

こうすることで、会話の流れを自然に握手に持っていくことができ、ハグやキスの可能性を未然に防ぎます。

2. 「体調」を理由にする(誰もが納得する方法)

体調不良は、世界共通で理解されやすい、非常に便利な理由です。

“I’m sorry, I’m feeling a little under the weather, so I’ll just wave for now.”

(すみません、少し体調が優れないので、今は手を振るだけにさせてくださいね。)

  • a little under the weather は「少し気分が悪い、体調が良くない」という意味の定番フレーズ。覚えておくと非常に便利です。
  • 最後に wave (手を振る) という代わりのジェスチャーを示すことで、友好的な雰囲気を保つことができます。

3. 「自分は握手派」だと伝える(フレンドリーな方法)

少し直接的な表現ですが、ポジティブな言葉と一緒なら、自分のスタイルを伝える効果的なフレーズになります。

“It’s so lovely to meet you. I’m more of a handshake person.”

(お会いできて嬉しいです。私はどちらかというと握手をするタイプなんです。)

  • I'm more of a ... person. は「私はどちらかというと~な人間です」という意味で、自分の好みやスタイルを伝えるのに便利な表現です。

温かく「受け入れる」ための振る舞い方

ハグやキスを受け入れると決めたなら、ただ固まっているのではなく、少しアクションを加えるだけで、より温かい気持ちが伝わります。

  • リラックスして相手の動きに合わせる: 相手が顔を近づけたら、同じように少し顔を傾ける。腕を広げられたら、軽く背中に手を回す。
  • 背中をポンと軽く叩く: ハグをしながら、相手の背中を1~2回優しく叩くのは、親しみを込めた一般的なジェスチャーです。
  • 声をかける: 「Great to see you!(会えて嬉しいよ!)」などと一言添えると、さらに気持ちが伝わります。

まとめ:大切なのは「尊重」と「思いやり」の心

世界の挨拶文化は、本当に多様で奥が深いものです。しかし、今回学んだように、その背景やルール、そして対処法を知ることで、海外でのコミュニケーションはもっと楽しく、もっと自信に満ちたものになります。

完璧にルールを覚える必要はありません。一番大切なのは、相手の文化を尊重しようとする気持ちと、お互いが心地よくいられるように配慮する思いやりの心です。もし失敗してしまっても、笑顔とユーモアで乗り切れば、それもまた良い思い出になります。

この記事が、あなたの英語学習のモチベーションを高め、言葉の壁だけでなく文化の壁も越えて、世界中の人々と繋がるための一助となれば幸いです。

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