英語の発音を学ぼう!でもフォニックスは要らない

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そもそも発音の勉強は必要なのか?

こんにちは。初心者専門英会話カーディムの講師Yasuです。

今回は発音について考えてみたいと思います。日本人が英語を学ぼうとして、悩むことの一つが発音です。

ところが、そもそも英語の発音は学ばなければいけないのか、という疑問があります。

私自身は学生時代、発音を完全に捨てていました。なぜなら、大学入試200点満点の英語の試験において発音はたったの2点だったからです。時代がばれてしまいますね。ですからその時の私の英語の点数は198点です。(笑)

おかげで大人になってから英会話を学び始めた時、長いあいだ自分の発音が通じないという苦しい思いをしました。結局、英語の発音を習得するまで多くの試行錯誤を繰り返し、長い年月がかかってしまいました。

私には英語の発音のセンスがないのだと思います。そんな自分が今では教室で英語の発音を教えているというのは非常に不思議な感じです。しかし苦労した自分ですからこそ、発音が得意な人以上に教えられることは、いっぱいあるのです。

それらを説明する前に、英語の発音に関してよく皆さんが耳にしているであろうことを、まず考えてみましょう。

1.発音は気にしなくても通じる

通じません(笑

日本にいる外国人や、英語の先生をしている外国人は、日本人の英語の発音に慣れているから、理解してくれる方も多いのですけどね。ですから私も初めてアメリカに行ったとき、自分の発音が通じなかった時はショックを受けました。

それに、こちらの発音が悪くても、外国人の方が理解しようと一生懸命、推測してくれているのです。私たちも外国人の言っている日本語がよく分からなかった時、何を言おうとしているのか一生懸命推測しませんか?同じなのです。

実は最近、とある生徒さんが「コーヒーを注文してもコーラが出てくる」と言っていました。私も似た経験があるのでよくわかります。なぜこんなことが起きるかと言うと、日本語の「ヒ」は、英語にはないのです。ですから聞いているほうは、英語の他の音で代用して、「きっと『L』だろう」と推測してしまったのです。

私の経験上、発音が苦手な方ほど「発音は気にしなくても通じる」と言っていることが多い気がします。中には私に「発音は気にしなくても通じる」って言わせようとする人もいます。安心したいんでしょうね。でも発音は大切ですよ。

発音が悪いと英語は通じない

2.発音できない音は聞けない

発音を重視する方で、時々こう言う方がいます。英語の発音が大切だと思う私にも、これは少々言い過ぎに聞こえます。

と言うのは、TOEIC高得点者はリーディングよりもリスニングの点が高いことが多いのですが、かといって、英語の発音が正しく出来るかと言ったら、それは怪しいでしょう。

ましてや、普通のTOEICは、スピーキングのテストがないので、皆あまり発音は勉強しないのです。それでもリスニングの高得点は取れるのです。身近にいるTOEIC高得点者の何人かに聞いてみてください。

もちろん、発音を理解して自ら発音できれば、リスニングに有利なのは確かですけどね。

発音できなくてもリスニングはTOEICで高得点ぐらいは取れる

3.留学すれば自然にきれいな発音が身につく

そんなことはないと思います。

それ以前に、そもそも英語の勉強をせずにいきなり留学した場合、英語をしゃべれるようにならずに帰国する可能性の方が高いですけどね。

それに、英語を話せるようになったからといって、きれいな発音が身につくかどうかは別の問題です。留学経験があって流暢(りゅうちょう)に英語を話す人は多いですが、日本語訛りの英語を話す人は珍しくありません。

では私がどう考えているかと言ったら、こうです。

「ネイティブのように発音する必要はないが、通じる発音は必要」

英語はコミュニケーションの手段です。通じなければ意味がありません。決してネイティブっぽい発音で話さなくても、正しく発音すれば、通じるのです。例えば、最近はテレビでも、ネイティブ以外の方が英語で話しているのをよく見かけるようになりました。

例えば、国連や世界的組織の人が話しているのがよくテレビに流れますが、彼らがネイティブっぽいかと言うと、そうではありません。やはり母国語の影響を受けてなまっている人が多いと思います。ですが、「通じる発音」をしているのです。

そう考えると、ネイティブのような流暢(りゅうちょう)な発音は不要です。必要なのは「通じる発音」なのです。

しかし、日本人の場合問題があります。英語の学び始めの中学校や高校で、発音は一切学ばないのです。これは日本の英語教育の大きな問題だと考えます。

語学学習の初期において、特に「文法、単語、発音」の3つは必須です。特に発音は、一度身についたら矯正するのが非常に大変です。

例えば、地方から東京に出てきた場合、なるべく方言を使わないようにすると思いますが、やはり所々で出てきてしまいます。それも、方言と知らずに使ってしまい、奇妙な目で見られるということが、よくあるのではないでしょうか。

ましてや日本語と英語は全く異なる言語です。一度身についてしまった、間違った英語の発音は、なかなか直りません。そもそも英語の正しい発音がわからないので、直しようがないのです。

この点では子供が羨ましいですね。子供はまだ言語に関して脳が柔軟なので、聞こえたまま英語の発音を覚えることができます。一方大人は、言語に関して脳の成長が終わってしまっているので、新しい言語の音を身につけるには非常に苦労します。それも一度間違って覚えた発音ならなおさらです。

ですから英語の発音は、英語の学びはじめに一緒に覚える方が結果的に楽なのです。しかし、先ほども言いましたが、日本では発音学習を疎か(おろそか)にしてしまっているので、多くの日本人は発音を学習し直さなければなりません。

そもそも、留学しても英語が話せるようになるとは限らない

どうやって発音の勉強をすべきか?

これも色々と言われています。世間で言われていることをひとつひとつ考えてみましょう。

フォニックスを勉強すべき

フォニックスというのは、発音のルールではなくて、英単語の読み方のルールです。本来、アルファベットは文字の通り読まれてきました。そして発音が変化したら、単語の綴り(つづり)も変化したのです。

しかし、あるときから英語の発音が大きく変わりましたが、綴り(つづり)はそのままだったので、ネイティブでも単語の正しい読み方を覚えるのに苦労するようになってしまいました。そのあたりの経緯は以下にまとめてあります。

日本語だと、「私は」の「は」を「わ」と言うので同じです。英語では文字通り読めない単語が異常に増えたのです。

ですから、アルファベットの組み合わせがどのような読み方になるのか、その法則を集めたものをフォニックスと呼び、子供に読み方を教える時に説明するようになったのです。

というわけで、説明したとおり、フォニックスというのは、あくまで英単語の読み方のルールであり、発音の仕方ではありません。しかし読み方を学ぶ過程で、発音の説明や矯正がはいります。ですから発音を学ぶためにフォニックスを学ぶべき、という主張が生まれたのです。

さて、実はフォニックスには賛成派と反対派がいます。

私は反対派ではありませんが、消極派です。そのままでは、努力の割に効果が少ないと思っています。

確かに、日本では発音教育を疎か(おろそか)にしているので、フォニックスを使った発音教育は有益と考えます。

しかし、フォニックスの英単語を読むルールは膨大な割に例外が多いのです。例外は別途、ひとつずつ覚えなければなりません。であれば最初から、英単語の読み方をひとつずつ覚えた方が楽ではないか、と言われているのです。私もどちらかと言えば、同意見です。

(ちなみにアメリカでは、学力の低い子供に関して有効という研究報告があるそうです)

というわけで、フォニックスを学ぶメリットは確かにあるもの、労力を考えると、発音だけのためにわざわざフォニックスを学ぶ必要があるのか私は疑問です。

もし日本人向けに改良されたフォニックスがあれば、最強だと思いますけどね。文科省はそういったものを開発して英語教育に生かすべきだと思いますが、やらないでしょうねぇ。そもそも英語の先生が発音をきちんと学んでいませんからね。

(以前、英語を教えなければいけなくなると小学校の先生が来ました。しかし、発音どころか初歩的な英文法も英単語も全然理解していませんでした。小学校での英語教育が始まりましたが、全て現場の先生に丸投げのようです。その上、その先生は、仕事が忙しすぎて英語の勉強どころか食事の時間すらままならないと言っていました。)

フォニックスも悪くはないが問題が多々ある

発音はネイティブに学ぶべき

これは個人的にはあまり意味がないと思っています。

なぜならネイティブは、自分が発音できても教え方を知らないからです。

私も20代の頃、ネイティブに発音を学んだことがありましたが、「自分の発音を真似しろ」としか言いませんでした。どうやったらその音が出るかを、全く説明してくれないのです。

アメリカ人講師は何度も発音してくれるのですが、私は何度やってもうまく音を出せずに、最後に私のアメリカ人講師はがっかりした顔をしたのです。私は心が折れて、自分には英語の才能がないのだと思ったのです。

そんな私も、10年以上かけて英語の発音をマスターしました。今では、どうやったら英語の発音ができるのかを理論的に説明が出来るようになりました。口の形、舌の位置、日本語との音の出し方の違い、などなど。もしそんな説明を昔聞いていたら、私は余計な苦労などしなくても良かったでしょう。

しかし当時は、英語はネイティブに学ぶべき、というのが常識だったのです。

それにそのときは知らなかったのです。日本にいるネイティブの大半は、英語は話せても、英語の教え方なんて一度も学んだことがない、ただの一般人だということを。ですから旅行気分で日本に滞在しているネイティブが、生活費稼ぎに英語の先生をやっていただけなのです。

なぜ、自信を持ってそう言えるのかというと、私は英会話学校で外国人講師の採用をやっていたことがあるのです。そのとき、何十人も対応しましたが、英語教育を学んだことのあるネイティブは一人もいませんでした。そんな経験がなくても、日本では英語講師として雇ってもらえるのです。

そしてそのとき面接した、一人の若いアメリカ人女性との会話が今でも忘れられません。私が「あなたは日本語も話せず、どうやって英語を教えるつもりですか?」と聞いたら、「絵を描いたりジェスチャーで教えます」と答えたのです。

結局、私はそういうネイティブに発音を教えてもらおうとしていたのです。今思えば、聞く相手が間違っていたということです。

現在でもあまり状況は変わっていないみたいです。ですから発音はネイティブから学ぶべき、という意見には素直に賛成できないのです。

ネイティブは発音を教えられない

では実際にはどうやって発音を勉強すべきか?

1.発音記号を覚える

ここで発音記号をひとつひとつ説明しても良いのですが、おそらく本を買って見た方が良いので、良い本を紹介します。

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昔から発音の本が出るたびに買って確認していますが、おそらくこの本が、普通の人には最もわかりやすいでしょう。私もよく生徒に勧めています。

最初はCDが2枚付いたお得な本だったのですが、現在では2時間の動画DVDまで付いています。その中で、日本語の堪能なネイティブが発音の説明をしてくれるのですが、この動画の出来がかなり良いのです。

ですから発音を勉強したい生徒には、とりあえずこの本に付いているDVDを見るように言っています。

2.音読する

最近は音読が重視されるようになってきました。良いことだと思います。

音読とそのバリエーションで発音はかなり良くなります。

ただし必ず音源を聞きながら音読をしてください。時々、音源を全く聞かずにカタカナでひたすら音読をしている方がいます。これは逆効果なので絶対にやめてください。

この時、コツが3つあります。

1つは、同じ文を1日5回、または10回を、1週間繰り返すことです。1回1分の文なら5回でも5分です。複数の文で行い、トータルで1日30分から1時間ぐらいやれると理想的です。でも最初は10分でも良いと思います。そして一週間したら、課題の文を変更するのです。こうすればそれほど飽きずに、効果的に音読を続けることができます。

2つ目は、口を大きく動かすことです。日本語はあまり口を動かさないのですが、英語はかなり激しく動かします。ですから日本人が英語の発音をしようとすると、普段使わない口の筋肉を使うので、口がついていかないのです。

よって日本人が英語の発音練習をすると、ほっぺたが疲れたり筋肉痛を起こしたり、また舌を噛んだり、つったりすることがあります。逆にそういう経験がなければまだ練習が足りていないということです。

3つ目は、音源を10回繰り返して聞く時、音量を繰り返し再生するようにして、奇数回の時にはテキストを見ながら音読し、偶数回の時にはテキストを見ずに耳で聞いた音をそのまま真似(まね)して口にすることです。これはそれぞれ、パラレルリーディングとシャドーイングという名前がついています。

普通、音読はある程度聞いたら音源を止めて、聞いた音を真似(まね)して話す、ということをします。ですが、毎回音源を再生したり止めたりせねばならず、作業が煩雑になるので面倒くさく、挫折しやすいのです。

ですから音源を繰り返し再生にすることをお勧めしているのですが、常にテキストを見ながら音読していると、スピードについていくのに必死になって、耳からの情報が疎か(おろそか)になってしまいます。ですから、一回ごとにテキストを見ずに、耳で聞くだけで真似(まね)をするのです。

例えば、gardenという単語があると、音源で聞いた音がなんであろうと、「ガーデン」と読んでしまいます。しかし、耳で聞いただけで真似(まね)しようとすると、ガーデンではなく、ガードゥンと言っていることに気がついてきます。実はgardenのeは今どき発音しないのです。

試しに辞書で発音記号を確認してみましょう。

garden /ɡɑːdn/

発音記号を見ると、denではなくdnとなっています。ですからデンではなく、ドゥンなのです。つまり、耳で聞こえた音は正しかったのです。

このように音源を聞くだけで英語を口にすると、自分が今まで思い込んでいた「カタカナ発音」が矯正されていきます。しかし耳で聞くだけでは、何と言っているのか理解できないことも多いのです。ですから次はテキストを見ながら音読をするのです。

これは実際に私が今でもやっている方法です。私自身が何百時間も様々な方法を試みて、最終的に行き着いた方法です。「交互音読法」と呼んでいます。手軽で効果の高い方法です。是非試してみてください。

発音が悪いと英語は通じない

以上です。お読み下さりありがとうございました。(Yasu)

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