【完全版】もう迷わない!英語で「着る」wear vs. put on の違いを徹底解説

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「そのブラウス、素敵ですね!」「明日の会議、何を着ていこうかな?」

ファッションや日々の身支度について話すとき、欠かせない「着る」という言葉。これを英語で表現しようとして、wearput on のどちらが正しいのか、一瞬手が止まってしまった経験はありませんか?

日本語ではどちらも「着る」の一言で済むことが多いので、多くの英語学習者の方が「どうして二つも単語があるの?」と混乱してしまうのも無理はありません。でも、ご安心ください。この二つの単語には、英語ならではの明確な違いがあり、その核心的なイメージを一度掴んでしまえば、驚くほど簡単に、そしてネイティブのように自然に使い分けることができるようになります。

まずは、こちらのYouTube動画で基本的な違いをサクッと5分でウォーミングアップしてみましょう。

動画で大まかなイメージを掴んだら、この記事でさらに深く、じっくりと知識を定着させていきましょう。たくさんの例文や詳しい解説、そして日本人が間違いやすいポイントを徹底的に掘り下げて、あなたの「着る」にまつわる英語表現を完璧にマスターすることを目指します。

結論:違いは一目瞭然!「動作」か「状態」か

まず、この記事の最も重要な結論からお伝えします。この二つの単語を使い分ける魔法の鍵、それは…

  • put on:服などを身につける、その瞬間の「動作」を表す【アクションの言葉】
  • wear:服などを身につけている、その間の「状態」を表す【様子の言葉】

たったこれだけです。例えるなら、「ドアを開ける(put on)」というアクションと、「ドアが開いている(wear)」という状態の違いのようなものです。

「これだけじゃ、まだ具体的な場面で使える自信がない…」と感じる方も多いですよね。大丈夫です。ここからは、それぞれの単語が持つイメージ(世界観)を、具体的な例文と共に、一つひとつ丁寧に解き明かしていきます。

put on は服を着る「アクション」の言葉

put on は、服を手に取って、袖に腕を通し、ボタンを留める、靴下を履く、帽子をかぶる…といった、一連の「身につける動作」や「過程」そのものに焦点を当てた言葉です。あなたの頭の中で、朝の支度のシーンをコマ送りの動画で再生してみてください。その一つひとつの動きこそが put on の世界です。

put onput(置く)と on(上に)がセットになった「句動詞」と呼ばれるものです。これは、二つの単語がチームを組んで一つの新しい意味を生み出す、英語によくある表現です。「(体に)何かを(上に)乗せる・置く」という直訳的なイメージを持つと、put on がダイナミックな動きを表す言葉であることが、より感覚的に理解できるでしょう。

put on の例文

様々なシチュエーションでの put on の使い方を見て、アクションのイメージを固めましょう。

現在形(日々の習慣や一般的な事実)

  • Every morning, I put on my makeup in the bathroom.
    • 毎朝、私は洗面所でお化粧をします。
  • He puts on his glasses whenever he reads a book.
    • 彼は本を読むときはいつでも眼鏡をかけます。

過去形(過去に行った特定の動作)

  • It suddenly started to rain, so I put on my raincoat in a hurry.
    • 突然雨が降り始めたので、私は急いでレインコートを着ました。
  • She put on her favorite earrings before going to the party.
    • 彼女はパーティーに行く前に、お気に入りのイヤリングをつけました。

未来形(これからしようとする動作・意図)

  • It’s a bit chilly. I think I’m going to put on one more sweater.
    • 少し肌寒いな。セーターをもう一枚着ようと思います。
  • Wait a moment. I need to put on my watch.
    • ちょっと待って。腕時計をつけなきゃ。

命令形(相手に動作を促す)

  • Put on your seatbelt before we start driving.
    • 運転を始める前にシートベルトを締めなさい。
  • It’s bright outside. You should put on your sunglasses.
    • 外は眩しいよ。サングラスをかけた方がいい。

どの例文も、「身につける」という具体的なアクションがその場の中心になっているのが感じられますね。

wear は服を着ている「状態」の言葉

一方、wear は、すでにある服やアクセサリーなどを身につけている「状態」や「状況」を表します。イメージとしては、一枚の「写真」や「ポートレート」を思い浮かべてください。その写真に写っている人がどんな服装で、どんなものを身につけているか、その人の「様子」そのものを説明するのが wear の役割です。

wear は特定の動作を指すのではなく、その人の外見や服装、継続しているスタイルを説明する言葉なのです。髪型や香水など、服以外で「身にまとっている」ものにも使えるのが特徴です。

wear の例文

wear は「〜を着ている、身につけている」という継続した状態を表すため、現在進行形 (be wearing) で使われることも非常に多いのがポイントです。

現在形(習慣、好み、職業柄など)

  • I usually wear comfortable shoes when I travel.
    • 私は旅行するとき、たいてい快適な靴を履いています。(習慣的な状態)
  • He wears a uniform at work every day.
    • 彼は毎日、職場で制服を着ています。(職業上の習慣)
  • She always wears her hair in a ponytail.
    • 彼女はいつも髪をポニーテールにしています。

現在進行形(まさに「今」、着ている状態)

  • Your new coat looks great! She is wearing a beautiful blue coat today.
    • あなたの新しいコート、素敵ね!彼女は今日、美しい青いコートを着ています。
  • “What are you wearing to the meeting?” “I’m wearing my gray suit.”
    • 「会議に何を着ていくの?」「グレーのスーツを着ているよ。」(この場合は「着ていく予定」というニュアンス)
  • What is that nice smell? Are you wearing a new perfume?
    • この良い香りは何?新しい香水つけてる?

過去形(過去のある時点で着ていた状態)

  • What did you wear to your sister’s wedding last month?
    • 先月のお姉さんの結婚式には、何を着ていきましたか?
  • At that time, he wore a red cap, so he was easy to find.
    • その時、彼は赤い帽子をかぶっていたので、見つけやすかったです。

未来形(未来のイベントで着る予定の服装)

  • I will wear this kimono for New Year’s Day.
    • お正月にはこの着物を着るつもりです。

wear を使う時は、常に「〜を身につけている様子」を頭に思い描くのが、使いこなすための最大のコツです。

直接対決! put on vs. wear

二つの単語の個性がわかってきたところで、両者を並べて、その違いを決定的にしましょう。朝の支度から外出までを一本のストーリーで考えると、その役割分担は一目瞭然です。

  1. 【朝】 目が覚める。まず、パジャマを脱いで、シャツに袖を通し、ズボンを履く。この一連の動作が put on
    • I put on my shirt and pants.
  2. 【日中】 服を着て、仕事に行き、友人とランチをする。この間ずっと、あなたはその服を身につけている。この継続した状態が wear
    • I am wearing a shirt and pants.

つまり、「put on という動作が先にあり、その結果として wear という状態が生まれる」のです。この時間的な流れを理解すれば、もう迷うことはありません。

さらに分かりやすい比較表

特徴put on (アクションの言葉)wear (様子の言葉)
意味身につける「過程・動作」身につけている「状況・状態」
焦点動き、変化、着替える行為外見、服装、その人の様子
時間の流れ「着る」という一瞬の行動「着ている」という継続した状況
答える質問“What are you doing?” (何をしてるの?)“What do you look like?” (どんな格好?)
例文Put on your coat. (コートを着なさい)She is wearing a coat. (彼女はコートを着ています)

日本人が特に間違えやすい4つのポイント

理論はわかっても、実践でつい間違えてしまうのが言語学習の難しいところ。ここで、私たち日本人が特にやってしまいがちな間違いを4つのパターンに分けて徹底解説します。これを意識するだけで、あなたの英語は格段に自然になります。

  1. 状態なのに put on を使ってしまう
    • 間違い:Look at that person. He is putting on a yellow hat. (黄色い帽子を「かぶっている」状態を言いたい場合)
    • 正しい:Look at that person. He is wearing a yellow hat.
    • 解説:「一日中着ている」「今、身につけている」など、ある程度の時間、継続している状態を説明したい時は wear が正解です。is putting on は「まさにかぶろうとしている、その動作の真っ最中」という意味になり、非常に限定的な状況でしか使えません。
  2. 動作なのに wear を使ってしまう
    • 間違い:She quickly wore her jacket and ran out of the house.
    • 正しい:She quickly put on her jacket and ran out of the house.
    • 解説:「急いでジャケットを羽織って、家から飛び出した」という一連の素早い動作の流れを表すので、アクションの言葉である put on がぴったりです。wore を使うと、すでに着ていた、というニュアンスになり、文全体のスピード感が失われてしまいます。
  3. 相棒の on を忘れてしまう
    • 間違い:Please put your shoes before you enter.
    • 正しい:Please put on your shoes before you enter.
    • 解説:「服などを身につける」という意味で put を使うには、必ず相棒の on が必要です。put your shoes だけだと「あなたの靴を(どこかへ)置いてください」という、全く違う意味の文になってしまいます。句動詞は2語で1つの意味、と覚えましょう。
  4. 便利な use をつい使ってしまう
    • 間違い:Do you use contact lenses every day?
    • 正しい:Do you wear contact lenses every day?
    • 解説:道具を「使う」という意味の use は非常に便利な単語ですが、眼鏡やコンタクトレンズ、時計、指輪、香水など、「体を飾る・体に装着するもの」には、特別な動詞である wear を使うのが英語のルールです。

服以外にも使える! put on と wear の奥深い世界

実はこの二つの単語、マスターすると日常会話がもっと豊かになる、服以外の便利な表現がたくさんあります。基本の「動作 vs. 状態」のイメージはここでも共通しているので、意外とすんなり理解できますよ。

put on の他の意味

  • 体重が増える: He put on about five kilograms over the holidays. (彼は休暇中に5キロほど太った。)
    • 解説:「体に(重さを)乗せる」というアクションのイメージです。
  • 音楽や映像をかける: Could you put on some relaxing music? (何かリラックスできる音楽をかけてくれる?)
    • 解説:「再生機器の上に(音楽を)乗せる」という動作のイメージです。
  • (表情・態度などを)装う、ふりをする: She wasn’t really sad; she was just putting on an act. (彼女は本当に悲しかったわけではなく、ただ演技をしていただけだ。)
    • 解説:「自分の上に(偽りの態度を)乗せる」イメージですね。
  • イベントを上演する・開催する: The local community will put on a summer festival next month. (地元のコミュニティが来月、夏祭りを開催します。)

wear の他の意味

  • 表情を浮かべる: He was wearing a puzzled expression on his face. (彼は困惑した表情を浮かべていた。)
    • 解説:「顔の上に(表情が)ずっと乗っている」という状態のイメージです。
  • (物が)すり減る、古くなる: The knees of his jeans were worn thin. (彼のジーンズの膝はすり減って薄くなっていた。)
    • 解説:「長期間使われた(状態)の結果、すり減った」というニュアンスです。
  • (忍耐などが)尽きる: My patience is beginning to wear thin. (私の忍耐も限界に近づいてきた。)

これらの意味も、put on は「何かを加える」という動作的なイメージ、wear は「何かが継続している」という状態的なイメージ、という基本を押さえておくと、丸暗記しなくても感覚で理解できるようになります。

まとめ:これであなたも自信を持って「着る」を使いこなせる!

さて、ここまで長い旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。最後に、今日の最も大切なポイントをもう一度だけ、おさらいしましょう。

  • put on は、身につける瞬間の アクション(動作)。頭の中では「動画」を再生!
  • wear は、身につけている間の 状態・様子。頭の中では「写真」をイメージ!

このシンプルな違いを心に刻んでおくだけで、あなたの英語表現はもう迷うことはありません。

英語の学習は、こうした小さな、しかし決定的な違いを一つひとつ自分のものにしていく、楽しい旅のようなものです。今日学んだことを、ぜひ実際の生活の中で試してみてください。

例えば、朝の支度をしながら「Okay, I’ll put on my blue shirt.」と呟いてみる。そして鏡の前に立って、「I’m wearing a blue shirt today.」と確認してみる。あるいは、好きな海外ドラマの登場人物の服装を「She is wearing a gorgeous dress.」と説明してみる。

このように、日常のあらゆる場面が、あなたの英語力を磨くための最高の練習ステージになります。楽しみながら続けることが、上達への一番の近道です。

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