旅行の英語|Travel, Trip, Journey, Tourの使い分けを完全解説

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「旅行」を表す英単語、たくさんあって混乱していませんか? 「週末に箱根へ旅行した」「仕事で海外へ行くのも旅行だよね」「人生は旅だ」…これらは全部、日本語なら「旅行」や「旅」で表現できます。

しかし、英語では状況に応じて “Travel”, “Trip”, “Journey”, “Tour” といった単語を細かく使い分ける必要があります。この使い分けができると、あなたの英語は一気に「こなれた」印象になります。

この記事では、英語のやり直し学習をしている初心者の方でもスッキリ理解できるように、これらの単語が持つ本当のニュアンスと使い方の違いを、豊富な例文と共に一つひとつ丁寧に解説していきます。

この記事を読み終える頃には、それぞれの単語の違いが明確になり、自信を持って英語で「旅行」の話ができるようになっているはずです。

動画で基本をサクッと確認

まずは短い動画で基本を理解したいという方は、こちらのYouTube動画をご覧ください。この記事は、この動画の内容をさらに深掘りし、より詳しく解説したものになります。

動画で大まかなイメージを掴んだ後、こちらの記事を読んでいただくことで、知識がさらに定着し、応用力も身につきます。

なぜ英語では「旅行」の使い分けが必要なの?

それは、それぞれの単語が焦点を当てているポイントが違うからです。英語では、伝えたいニュアンスによって最適な単語を選びます。

  • 移動という「行為」そのものなのか?
  • 行って帰ってくる「一回のかたまり」の出来事なのか?
  • 目的地までの「道のり」や「過程」そのものなのか?
  • 各地を計画的に「巡る」ことなのか?

この「焦点の違い」を知ることが、使い分けマスターへの第一歩です。ネイティブスピーカーが自然にこれらの単語を使い分ける感覚を、一緒に掴んでいきましょう。

1. Travel: 最も広い意味を持つ「移動・旅行」

“Travel” は、今回ご紹介する単語の中で最も意味が広く、基本的な単語です。場所から場所へ移動する「行為」そのものや、一般的な概念としての「旅行」を指します。他の単語の土台となる、大きな傘のようなイメージです。

Travel のポイント

  • 場所を移動する「行為」自体を指す。
  • 一般的な「旅行」という概念を表す。(「仕事」や「音楽」のように漠然としたもの)
  • 動詞としても名詞としても使われる。
  • 名詞として使う場合、通常は数えられない(不可算名詞)。

動詞としての Travel

動詞として使う場合は「旅行する」「(長距離を)移動する」という意味になります。日常的な短い移動よりは、ある程度の距離を移動するニュアンスで使われることが多いです。

例文:

  • Paul travels a lot in his job.(ポールは仕事でよく移動します。)
  • I want to travel around the world.(私は世界中を旅行したいです。)
  • We always try to travel light.(私たちはいつも軽装で旅行するようにしています。)
  • Light travels faster than sound.(光は音よりも速く進みます。)

名詞としての Travel

名詞として使う場合は、一般的な「旅行」という概念全体を指します。このとき、普通は数えられない名詞(不可算名詞)になるのが最大のポイントです。特定の「一回の旅行」を指すのではなく、「旅行というもの」全般について語るときに使います。そのため、”a travel” という言い方は基本的にしません。

例文:

  • Travel nowadays is faster than before.(今日の旅行は以前より速くなりました。)
  • Air travel has become much cheaper.(空の旅はずっと安くなりました。)
  • My interests are music and travel.(私の興味は音楽と旅行です。)
  • This book is full of useful information for foreign travel.(この本は海外旅行に役立つ情報でいっぱいです。)

例外: Travels (複数形)

通常は数えられない “Travel” ですが、”travels” と複数形になるときがあります。この場合は、様々な場所への旅行や、長期間にわたる旅行での経験談といった特別な意味合いになります。単なる移動ではなく、冒険や見聞を広めるといったニュアンスが含まれることが多いです。

例文:

  • The novel is based on her travels in Asia.(その小説は、彼女のアジアでの数々の旅に基づいています。)
  • He wrote a book about his travels in the Arctic.(彼は北極での長期にわたる旅について本を書きました。)

2. Trip: 行って帰ってくる具体的な「一回の旅行」

“Trip” は、私たち日本人が「旅行」と聞いてイメージするものに最も近いかもしれません。出発点からどこかへ行き、そしてまた戻ってくるという、往復を前提とした「一回のかたまり」の旅行や外出を指します。

Trip のポイント

  • 具体的な「一回」の旅行や短い外出を指す。
  • 行って帰ってくる「往復」のニュアンスが含まれる。
  • 数えられる名詞(可算名詞)なので “a trip” や “two trips” と言える。
  • 特定の旅行について話すときに最もよく使われる。

“旅行はどうでしたか?” は “How was your trip?”

これは非常によくある間違いなのですが、楽しかった旅行の感想を聞きたいときに “How was your travel?” とは言いません。”Travel” は一般的な概念なので、特定の旅行の感想を尋ねるのには不自然です。具体的な「一回のかたまり」の旅行について話しているので、正しくは “How was your trip?” となります。

例文:

  • We are going on a trip this summer.(私たちはこの夏、旅行に行きます。)
  • He is on a business trip to Osaka.(彼は大阪へ出張中です。)
  • We took a day trip to the hot springs.(私たちは温泉へ日帰り旅行をしました。)
  • How was your trip to Hawaii?(ハワイ旅行はどうでしたか?)
  • I need to make a quick trip to the post office.(郵便局へさっと行ってくる必要があります。)

“business trip” (出張) 、”day trip” (日帰り旅行)、”school trip” (修学旅行)、”weekend trip” (週末旅行)、”road trip” (車での旅行) のように、特定の目的や期間を持つ旅行によく使われます。

3. Journey: 目的地までの「道のり・過程」

“Journey” は、ある場所から別の場所への「移動の過程」や「道のり」そのものに焦点を当てた言葉です。結果としての旅行全体よりも、そこに至るまでのプロセスを表現したいときに使います。

Journey のポイント

  • A地点からB地点への移動の「過程・道のり」に焦点が当たる。
  • Trip に比べて、移動距離や期間が長い、あるいは移動が大変なニュアンスが出やすい。
  • 数えられる名詞(可算名詞)。
  • 人生や個人の成長など、比喩的にも使われる。

“Trip” が旅行という「点」のイベントを指すのに対し、”Journey” は移動という「線」のプロセスを指すイメージです。例えば、こんな使い分けができます。

“The trip to Peru was fantastic, but the journey to get there was terrible.”

(ペルーへの旅行は最高だったけど、そこに着くまでの道のりは最悪だった。)

この一文で、旅行全体(Trip)は楽しかったが、移動(Journey)は大変だった、というニュアンスが明確に伝わります。

例文:

  • The journey from Tokyo to Sapporo takes about 90 minutes by plane.(東京から札幌までの道のりは、飛行機で約90分かかります。)
  • It was a long and tiring journey by train.(それは電車での長くて疲れる旅でした。)
  • My journey to work takes about an hour.(私の通勤時間は約1時間です。)

“道中ご安全に” は “Have a safe journey.”

旅立つ人への挨拶として「道中お気をつけて」と言うとき、”Have a safe journey.” という表現がよく使われます。これは、目的地に着くまでの「道のりの安全」を祈る気持ちが込められているからです。”Have a nice trip!” もよく使われますが、こちらは旅行全体の楽しさを願うニュアンスが強いです。

比喩的な使い方:

  • Life is a journey, not a destination.(人生とは旅であり、目的地ではない。)
  • He is on a spiritual journey of self-discovery.(彼は自己発見という精神的な旅の途上にいる。)

4. Tour: 複数の場所を巡る「周遊・見学」

“Tour” は、日本語の「ツアー」という言葉のイメージに非常に近いです。観光や見学など、特定の目的を持って複数の場所を計画的に訪れる旅行を指します。

Tour のポイント

  • 複数の場所を計画的に「巡る」旅行。
  • 観光、見学、公演などが目的。
  • 数えられる名詞(可算名詞)。

“巡る” がキーワード

“Tour” の一番のポイントは「複数の場所を巡る」という点です。バスで観光地を巡ったり、ガイドさんと一緒に美術館の展示を見て回ったりするイメージです。旅行全体が Trip で、その中の一つのアクティビティとして Tour に参加する、ということもよくあります。

例文:

  • We went on a guided tour of the castle.(私たちはガイド付きのお城の見学ツアーに参加しました。)
  • The band is currently on tour in Europe.(そのバンドは現在、ヨーロッパでコンサートツアー中です。)
  • This ticket includes a bus tour of the city.(このチケットには、市内を巡るバスツアーが含まれています。)
  • While on our trip to Kyoto, we took a walking tour of Gion.(京都旅行の間に、私たちは祇園のウォーキングツアーに参加しました。)

まとめ: 4つの単語の違いが一目でわかる比較表

最後に、これまで見てきた4つの単語の主な違いを表にまとめました。

特徴TravelTripJourneyTour
主な意味一般的な移動・旅行という「行為」「概念」具体的な「一回」の往復旅行・外出目的地までの「道のり」「過程」複数の場所を「巡る」周遊・見学
数えられる?数えられない数えられる数えられる数えられる
焦点行為そのものイベント全体プロセス複数の訪問先
よくある表現Air travelBusiness tripSafe journeyGuided tour
一言イメージ移動往復道のり周遊

特に重要な Travel vs. Trip の違い

英語学習者が最も混同しやすいのが “Travel” と “Trip” です。まずはこの2つの違いをしっかり意識することが、使い分け上達への近道です。この区別ができるようになるだけで、あなたの英語はより自然に聞こえるようになります。

DO (こう言いましょう):

  • “I love to travel.” (旅行という行為が好き)
  • “How was your trip?” (あの特定の旅行はどうでしたか?)
  • “We are planning a trip to Italy.” (イタリアへの一回の旅行を計画中)

DON’T (これは避けましょう):

  • “I love to trip.” (これは「つまずく」という意味にもなり、非常に不自然です)
  • “How was your travel?” (特定の旅行には使わない)
  • “We are planning a travel to Italy.” (“a” をつけられない)

Travel は、空気に近い「概念」。Trip は、リンゴのような数えられる「モノ」や「出来事」。この感覚を掴むことが大切です。

終わりに

英語の「旅行」に関する単語の使い分け、いかがでしたでしょうか。

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、それぞれの単語が持つ核となるイメージを掴めば、もう迷うことはありません。大切なのは、間違いを恐れずに、実際の会話や文章の中でどんどん使ってみることです。そうすることで、単語の持つニュアンスが肌感覚で理解できるようになります。

この記事が、あなたの英語学習の「旅 (journey)」の助けになれば、とても嬉しいです。Have a nice trip on your language learning journey!

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