海外旅行や外国人との交流で、言葉が通じなくてもジェスチャーがあれば何とかなる!と思っていませんか?実は、普段私たちが何気なく使っている日本のジェスチャーが、海外では全く違う、時には失礼な意味で受け取られてしまうことがあるんです。
まずはYouTube動画で、特に注意したいジェスチャーの基本をサクッと確認してみてください。
このブログでは、動画の内容をさらに深掘りし、より多くの例文や文化的な背景を交えながら、詳しく解説していきます。ジェスチャーでの失敗を避け、スムーズなコミュニケーションを目指しましょう!
1.【手招き】「おいで」が「あっち行け」に!?
日本では、相手を呼ぶとき、手のひらを下に向けて「こっちこっち」と手招きしますよね。これはとても一般的な仕草です。
- 日本での意味: こっちへ来て
しかし、アメリカやヨーロッパの多くの国では、このジェスチャーは正反対の意味になってしまいます。
- 海外での意味 (vs. 英語圏): あっちへ行け、しっしっ(追い払う)
呼んでいるつもりが、相手を追い払う失礼な仕草だと受け取られてしまうなんて、驚きですよね。
誤解されないための英語表現
英語圏で「こっちに来て」と伝えたい時は、手のひらを「上」に向けて、指を自分の方に引くように動かすのが正解です。
もしジェスチャーに自信がなければ、言葉で伝えるのが一番確実で安心です。
- Come here, please.(こちらへ来てください。)
- Could you come over here for a moment?(少しこちらへ来ていただけますか?)
2.【Vサイン】向き一つで天国と地獄
写真撮影の定番ポーズであるVサイン(ピースサイン)。日本では、楽しさや平和の象徴として、手のひらの向きを気にせず使いますよね。
しかし、これが大きな落とし穴になる国があります。
- 手のひらを相手に向ける: OK! (平和、勝利)
- 手の甲を相手に向ける: 絶対NG! (侮辱、軽蔑)
特にイギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどの英連邦諸国では、手の甲を向けたVサインは、中指を立てるのと同じくらい強い侮辱的な意味を持ちます。「くたばれ」といった、非常に攻撃的なメッセージになってしまうのです。
誤解されないためのアドバイス
Vサインを使う時は、必ず「手のひら」を相手に向けることを徹底しましょう。もし不安であれば、サムズアップ(親指を立てるポーズ)や、単に笑顔で写真に写るのが安全です。
3.【OKサイン】「OK」のつもりが「無価値」「下品」の意味に
親指と人差し指で丸を作るOKサイン。日本では「OK」の他に「お金」を意味することもありますが、海外ではこのサインが非常に危険な意味を持つことがあります。
- 日本での意味: OK、良い、お金
- アメリカなど: OK、大丈夫
- ブラジル、トルコ、ギリシャなど: 非常に下品な侮辱、性的な意味、ゼロ(価値がない)
良かれと思って使ったサインが、相手を深く傷つけたり、怒らせたりする可能性があるのです。
誤解されないための英語表現
安全に「OK」と伝えたいなら、やはり言葉が一番です。
- It’s OK. / It’s all right.(大丈夫ですよ。)
- That sounds great!(それはいいですね!)
お金のことを示したい場合は、親指と人差し指をこすり合わせるジェスチャーの方が、より広く理解されます。
4.【顔の前で手を振る】謙遜が「臭い」の合図に!?
褒められた時に「いえいえ、そんなことないです」と、顔の前で手をひらひら。これは日本人特有の謙遜の仕草ですよね。
しかし、この奥ゆかしいジェスチャーは、海外では全く通じません。
- 日本での意味: 謙遜、いえいえ、とんでもない
- 海外での解釈: 虫を追い払っている? 何か臭いのかな?
謙遜しているつもりが、「あなたの周りが臭い」という失礼なメッセージだと誤解されてしまう可能性さえあります。
誤解されないための英語表現
海外で褒められた時は、照れくさくても素直に感謝を伝えるのがベストコミュニケーションです。
- Thank you. That’s very kind of you to say so.(ありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。)
- I’m glad you think so.(そう思っていただけて嬉しいです。)
何かを断る時も、ジェスチャーに頼らず「No, thank you.」とはっきり言葉で伝えましょう。
【もっとある!注意したい日本のジェスチャー】
自分を指すとき、どこを指す?
「私のこと?」と聞くとき、私たちは無意識に自分の鼻のあたりを指しますよね。しかし、欧米では自分を指すときは「胸」を指すのが一般的です。鼻を指す仕草は「あなたの鼻に何かついてますよ?」という全く違うメッセージに取られかねません。
サムズアップは万能じゃない!
「Good!」の意味で使われるサムズアップ。これもOKサイン同様、中東や西アフリカ、ギリシャなど一部の国や地域では、相手を侮辱する非常に下品なジェスチャーになります。安易に使わないよう注意が必要です。
まとめ:迷ったら、言葉で伝えよう
ジェスチャーは便利なコミュニケーションツールですが、文化によって意味が大きく異なります。良かれと思ってしたことが、知らず知らずのうちに相手を不快にさせてしまうのは、とても悲しいですよね。
海外の人と話すとき、もしジェスチャーに少しでも迷ったら、無理に使おうとせず、簡単な英語でいいので言葉にして伝えることを心がけましょう。
- 手招き: 手のひらを「上」に!
- Vサイン: 手のひらを「相手」に!
- OKサイン: 国によっては絶対NG!
- 謙遜の仕草: 「Thank you」で笑顔!
今回ご紹介した内容が、あなたの国際交流の助けになれば嬉しいです。文化の違いを楽しみながら、自信を持ってコミュニケーションをとっていきましょう!

英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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