Still の意味と使い方、「まだ4時」は still 4?

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【初級編】still の基本的な意味

still は「まだ」と覚えますよね。

それが基本で間違いではありません。

例えば、

I still love you.
私はまだ貴方を愛しています。

辞書でも確認しましょう。

    • …まだ、…なお、…依然として、…今後も(WISDOM)
    • …まだ、…今まで通り(Weblio)
    • …そのままで、…まだ、…今なお、…依然として(goo辞書)
    • Used to say that something is continuing to happen now(Cambridge)

どの辞書にも「まだ」がしっかり入っています。

stillの基本的な使い方

「まだ」という意味での still は副詞です。

例文を見てみましょう。

He is still here.
彼はまだここにいます。

The book is still popular.
その本はまだ人気があります。

She is still crying.
彼女はまだ泣いている。

still は「まだ」で間違いありません。

しかし重要なキーワードがこの「まだ」の後ろに隠れています。

『動かない』

still の「まだ」には「動きがない」という意味が含まれています。

「まだ、物事が動いていない」状態、つまり「まだ依然として」という意味、

もしくは

「まだ、周りの環境が動いているのに変化がない」状態、つまり「まだ相も変わらず」

という意味です。

つまり still は

「まだ依然として」「まだ相も変わらず」と訳すとしっくりきます。

「まだ依然として」「まだ相も変わらず」と「まだ」とは違うの??? と思いましたね。

違うのです。

ではここで問題です。次の日本語の文を英語に訳してみてください。

  1. まだ4時ですよ。
  2. 彼はまだ14歳です。

どうですか?

  1. It is still 4 o’clock.
  2. He is still 14 years old.

としませんでしたか。

実は上の2つは共に誤訳です。

英語ではこう言います。

まだ4時ですよ。
(誤)It is still 4 o’clock.
(正)It is only 4 o’clock.

彼はまだ14歳です。
(誤)He is still 14 years old.
(正)He is only 14 years old.

何故でしょう?

では先ほどの「まだ依然として」と「まだ相も変わらず」を問題の日本語文に

当てはめてみましょう。

  1. まだ相も変わらず4時ですよ。
  2. 彼はまだ依然として14歳です。

強い違和感を覚えますよね。

ひとつ目の文は「時」についての文であり、ふたつ目の文は「年齢」についての文です。

先ほど、「まだ」のキーワードは「動かない」であると言いました。

「時」も「年齢」も悲しいかな誰も止められません。

どうしても流れて(動いて)行ってしまうものなのです。

ず~っと4時のことなんてないですよね。(時が止まって欲しいときもありますが)

ず~っと14歳でいる人なんていませんよね。(誰もが歳を重ねます)

ですので、「動かない」をコアの意味として持つ still はどうしても動いてしまう時間や年齢と相性が悪いのです。

そこで、「唯一の」という意味の他に「ほんの~に過ぎない」という意味をもつ

only を still の代わりに使います。(only に関してはまた次回に詳しく触れたいと思います)

まだほんの4時にすぎません。
(正)It is only 4 o’clock.

彼はまだほんの14歳です。
(正)He is only 14 years old.

となります。

では今一度、最初に紹介した例文に「まだ依然として」と「まだ相も変わらず」を差し込んでみましょう。

He is still here.
彼はまだ「依然として」ここにいます。

The book is still popular.
その本はまだ「相も変わらず」人気があります。

She is still crying.
彼女はまだ「相も変わらず」泣いている。

どうでしょう? 上の3つの文章に何の違和感もありませんね。

still は「まだ依然として」もしくは「まだ相も変わらず」という意味の「まだ」として使います。

そして still のコアの意味、隠れた意味は『動かない』です。

『動かない』つまり「周りの状況は変化している。もうそろそろ変わって欲しいがいまだ変化が現れない」という気持ちにもつながり、

still には「それにもかかわらず」という意味があります。

I studied hard, but I still failed in the exam.
私は懸命に勉強したが、それにもかかわらず試験に落ちてしまった。

この「それにもかかわらず」が更に派生して「より一層」という意味を still に持たせます。

比較級の文を強めます。

The next day was warmer still.
その次の日はより一層暖かかった。

オックスフォード英英辞典より

「その日は暖かかった、それにもかかわらずその次の日はより一層暖かかった。」と解釈できますね。

そしてこの『動かない』というコアの意味がstillに形容詞として別の意味を与えます。

【中級編】stillの形容詞としての意味

『動かない』がstillのコアの意味ですので、形容詞としてstillを使うとそのまま、「動かない」「静かな」という意味になります。

実は「動かない」が still という言葉の原義なのです。

She is standing still.
彼女はじっと(動かず)立っている。

ものが動かないので「静か」です。

The streets are still.
通りは静かです。

風も立ちません。

The air is still.
風もなく静かです。

ところで、「静物画」 花や果物、食器や貝殻などを描く15世紀ごろ西洋で始まったとされる絵画のジャンルのひとつですが、例えばこんなやつです。

英語でなんというかご存知ですか?

STILL LIFE と言います。

直訳すると「静かな命」[動かぬ命]です。

興味深いですね。

それ本来で動くことのない果物や花や食器などをある一定の空間に配置して、画家たちは動かぬもの(STILL)に命(LIFE)を見出そうとしたのでしょうか。

それともこの世のすべての命(LIFE)はいつか動かぬもの(STILL)になる、

そんな儚さや虚しさを画家たちは伝えようとしたのでしょうか。

※ この記事は書きかけです(2017.07.22)123

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