留学でネイティブレベルの英語になるのか

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16歳が分かれ目らしい

語学の習得には臨界期仮説というのがあります。
語学の習得には適した時期があり、その時期を過ぎると途端に習得が困難になるという考え方です。

上記はアメリカに移住してきたた韓国人・中国人の英語力を研究した結果です。大学院の研究生などで、アメリカに来て10年の人達を集めて話をしてもらって録音し、それをネイティブが集まって点数付けをしたそうです。レベル5はネイティブ同様、レベル4は殆どネイティブを意味します。これによると、15歳までに移住した者(青のグラフ)は発音、英文法ともども殆どネイティブレベルなのに対し、16才以降(赤のグラフ)ではその傾向が見えません。つまり16才以降に移住した人は、周囲が英語だらけの環境になっても、特に努力しない限り英語力は伸びないことを意味します。中国語・韓国語も英語とはかなり異なる言語ですので、仮に日本人で同じ研究をしても同様な結果が出ることが予想されます。よく聞く話ですが、日本人の家族が海外に移住した場合、子供はすんなりと現地の言葉を覚えて発音も現地の人と殆ど変わらなくなるのに、親のほうは苦労してもなかなか覚えられず、発音も日本人発音から離れられません。また日本国内でも、街で見かける外国人の家族で、子供は自然な日本語を話しているのにお母さんの日本語がぎこちなかったりします。そんな私たちの経験に照らしても、この説は正しそうだと言えます。人間の脳は14歳頃まで大きくなって止まるのですが、この事が大きく影響しているのではないかとも言われています。時々「子供が言葉を覚えるように私たちも英語を覚えましょう」という言葉を聞きますが、アメリカに移住してさえ無理なのに、日本に住む私たちには出来るわけがありません。

つまり、子供時代をアメリカで過ごした人は大した苦労なくネイティブ同様の英語を身に付けられのに、15歳を過ぎてから移住した人はそうではないと言う事です。同時に、15才を過ぎても努力をすれば、殆どネイティブレベルに達することが可能ということもこのグラフから言えます。よって、日本人の大人の初心者が数年留学したからといって、努力しない限りネイティブと間違えられるほどの英語をはなせるようにはならないということです。

時々、英語に堪能なバイリンガルが日本語で、「日本人は◯◯だから英語が話せない。もっと△△をすべきだ。」と言っているのを聞きます。しかしこのグラフから、子供時代を英語に囲まれて育ったバイリンガルは、英語習得のメカニズムが全く異なることが分かります。だからそういったアドバイスを全く鵜呑みにするのは危険だと思います。

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