この記事は初心者編の続きです。読まれていない方は先に初心者編をお読みください。
次に高校卒業程度の英語力をつける
中学レベルの基本英語力を身につけたら、次は高校卒業程度の英語力を身につける必要があります。高校卒業程度をもう少し詳しく説明すると、大学センター試験で平均点以上、または英検2級取得レベルのことです。
高校卒業程度の英語力を身につけたら、英語基礎力は完成です。留学してもなんとか、ついていけるでしょう。
基本はNHKラジオ英会話
やはり英語学習を続けるにあたってペースメーカーは必要です。お金をかけずに英語を学ぼうとすればスクールは選択肢から外れるので、ペースメーカーとしてはNHKラジオ英会話がおすすめです。テキストが安いので必ずご購入ください。
高校レベルの英語を勉強するにあたって、ラジオ英会話だけでは物足りなくなります。であれば以下もご検討ください。
エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
難易度的には高校1年か2年ぐらいです。一話が5分と長いことを除けば難しい単語や表現は使われていません。ですからこのレベルの英語が聞いて理解できるようになることが一つの目標です。もし耳で聞くだけでは全然理解できないのであれば、先にテキストを読んでも構いません。
この番組も毎日行っているので、ペースメーカーとしてお勧めです。聞き逃しをホームページであれば何度も聞けるので、やはり翌週にずらして聞くのがおすすめです。このテキストも必ず購入してください。
もしリスニングが難しければ、多読用のリーディング教材としてお使いください。
高校生からはじめる「現代英語」
この番組は時事英語を扱うので、高校レベルの英語力で考えれば少々難しめです。ですが週にたった2回ですので、ある程度力がついたら挑戦することをおすすめします。
大学入試向けのテキスト
NHKラジオ英会話はあくまでペースメーカーです。英語学習全体を考えると絶対量として不足します。ですからその他の勉強が重要になってきます。そこで使うべきは、大学入試レベルの参考書や問題集です。中学生向けとは異なり、良書と呼ばれるものがたくさんあります。それらをしっかり行えばかなりの英語力がつきます。
本当であればそこでさまざまな参考書を紹介したいのですが、かなりの分量になりますので、今回は割愛します。改めて別途、記事を書きます。
最低限買うべきもの
高校レベルの英語を勉強するにあたって最初に必ず買うべきものがあります。英文法書と英和辞典です。これらは英語の調べ物をする時に使います。
インターネットで全て無料でできるから不要、と考える方も多いでしょう。それにもかかわらず何故お勧めするかと言うと、情報量と信頼性の問題があるからです。
インターネットの情報は玉石混交です。素晴らしいものもあれば、間違った内容や主観的すぎる意見もたくさんあります。それに、あることに関しては詳しく書いてあるのに、同じように説明すべき内容が書かれていない、ということがよくあります。
ですからそれらだけ根拠とすると、誤りや偏りのある英語知識が身に付いてしまうのです。よって高校レベルの英語学習では、信頼できる英文法書と英和辞典は必須なのです。
さらに値段は、英文法書なら約2000円、英和辞典でも約4000円です。10年以上使えることを考えると非常にコスパが良いのです。
英文法書
高校レベルの英文法書はたくさん種類があるので、ご自分に合ったものを使っていただければ良いのですが、二つほど載せておきます。
上記二つの違いは、基本が非常に詳しいのがエバーグリーンで、基本の説明は簡単だが必要な知識がより網羅的に説明されているのがアトラスです。
本屋で見比べて、ご自分にとってわかりやすいと思う方を買えば良いでしょう。
英和辞典
おすすめは「ウィズダム英和辞典」です。
私の学校の先生や生徒にも薦めています。私は英語辞書マニアで、英語関連のほとんどの辞書を持っています。そして調べものをする時に片っ端から目を通します。その中で一番使い勝手が良いと感じるのがこの辞典です。
おそらく英語を勉強していて英和辞典を持っていない方は多いことでしょう。なぜなら今時、インターネットで調べれば無料の英和辞典がヒットして東店意味が書いてあるからです。それにもかかわらず、私が有料の英和辞典を勧めるのには理由があります。説明が非常に詳しいのです。
英語を勉強していると単語の使い方や、似た単語の使い分けを知りたくなることがよくあります。そうするとインターネットで調べることになるのですが、無料の辞書の場合、説明が不十分の場合が多いのです。ブログなどで解説している方もいらっしゃいますが、正直その内容がどの程度正しいのか怪しかったりします。なので正しいと確信できる情報が欲しくなるのです。それが有料の英和辞典なのです。
もちろんどの辞書にも長所があり、比較するのは難しいのですが、私がウィズダム英和辞典を勧めるのには大きな理由は2つあります。
1.語法に詳しい
英語の一般的な単語の運用ルールは英文法ですが、一語ごとの特殊なルールを語法と言います。例えば、stop という動詞は to不定詞を目的語に取れないというものです。これはかなり有名なルールなので英文法書に載っている場合も多いのですが、マイナーなルールですとまず載っていません。他にも語法に強い英和辞典はあるのですが、ウィズダム英和辞典をお勧めするのは、次の理由があるからです。
2.辞書を買うと無料でインターネットでも閲覧できる
コンピューターやスマホでみられる有料の英和辞典には大きく3つのパターンがあります。まず、専用のソフトを買うこと。ジーニアス英和辞典がこのパターンです。紙の辞書を持っていても別売りのソフトを買わなければなりません。
次に、月額課金の有料サービスを利用すること。英和辞典以外のさまざまな辞書も使い放題なので、人によっては選択肢になると思いますが、英和辞典だけを利用したい人にとっては割高になってしまいます。
最後が、紙の辞書を買ったらおまけにインターネットも閲覧できるパターンです。ウィズダム英和辞典がこれに該当します。紙の辞書は4000円弱だし、購入以降、スマホやパソコンのブラウザーでも使えるようになるので非常に便利です。
この2点を考えると、私としてはウィズダム英和辞典以外考えられないのです。特に、40代に入り老眼が始まった方であれば、インターネットを通して文字の大きさも自由に変えられるウィズダム英和辞典は非常に有力な候補となるでしょう。
最後に実際に会話ができるレベルのスキルを作る
多くの方が英語を勉強する目的は、実際に英語が使えるようになるためでしょう。そうであれば実際に英語を使った会話ができるようになるのが最終目標となると思います。そのためには、どうすれば良いかはここで考えていきます。
定期的に英語の試験を受ける
会話が目標にもかかわらず、英語の試験を受けるのには理由があります。定期的に英語の試験を受けないと、自分の英語力が上達しているのか、分からないからです。
おすすめは、最初に英検2級を目指して、次に英検準一級を目指すことです。英検2級は英語基礎力完成の証であり、英検準一級は易しめの英字新聞が読める基準であるからです。
英検2級で、英語学習のペースを落とすというのも一つの選択肢ではありますが、多くの日本人が目指すであろう、映画やニュースの英語が聞き取れて、仕事で英語を使えるレベルを考えれば、英検準1級程度の英語力は必須と考えます。
英語試験と言うと、TOEICを思い浮かべる方が多いでしょう。しかしTOEICは、何かと癖のある試験であり、実際の英語力を見るにはあまりふさわしくないと私は考えます。よりバランスの取れた英語力を見るのであれば、今では英検の方が優れていると考えます。(詳細は別のところで述べます。)
さて、ではそのために何をすべきか考えましょう。
リーディング
NHKラジオ放送の『高校生からはじめる「現代英語」』が物足らなくなったら、Japan Times Alpha の購読が、コスパが良いでしょう。ネットを見れば無料の英語ニュースがいっぱいありますが、ネイティブ向けのものはまだまだ理解できませんし、解説もないので勉強する事ができません。
無料の読み物もあるのですが、解説が不十分です。お金はかからなくても、時間や努力が必要です。そう考えると非常にコスパが悪いのです。
リスニング
最近はリスニング用の良い教材がいっぱい出てきたのでそれらを購入して使うことをお勧めします。そしてとりあえずの目標として、NHK World のニュースが聞いて理解できることを目指すとよいでしょう。
インターネットには無料の英語放送がいっぱいあります。しかしネイティブ向けのものはかなり難易度が高いのです。CNN や BBC も YouTube で見られますが、この段階の英語力では理解するのがかなり大変だと思います。
では日本人の英語学習者にとって易しめのものはないか、と探して見つけたのが NHK World のニュースです。日本のニュースが多いので内容が分かりやすく、日本人に聞きやすい英語で1回15分と短いので、他のネイティブ向けのニュースに比べて非常に聞き取りやすくなっています。
上記でブラウザでも聞けますが、ポッドキャストに落として聞いた方がやりやすいでしょう。
会話練習
さて、最後まで来ました。当然皆さんは最終的に英語で会話ができることを目標にしております。そのおすすめが、オンライン英会話なのです。TOEICで満点を取っても会話ができない方もいます。その原因は、会話練習の不足なのです。
当たり前の話ですが、どんなに体を鍛えようと、最後は水に入って泳ぐ練習をしなければ泳ぐようにはなれません。英語も同じです。どんなに英語の知識をつけようか、最後は英語で会話する練習が必要なのです。
ところが、日本に住んでいる英語学習者はここで壁にあたります。英語での会話練習をする機会がほとんどないのです。しかしある程度の会話練習をしないことには、英語で会話できるようにはなりません。ここに問題が生じるのです。
ですから英会話学校があるのです。普段外国人と英語を話す機会がほとんどない日本人にとっては、英会話学校に行ってネイティブのレッスンを受けるというのは、不足する英語での会話練習を補うという点で極めて大きな意味があります。
ただし通常の英会話学校で会話練習をするには大きな問題があります。授業料が高いのです。1回の授業料が3000円から1万円ぐらいします。そのためレッスンは、一週間に1回か2回が限界でしょう。
時間の問題もあります。一週間に2回も英会話学校に通うのは時間的にかなり難しくなります。そうすると何が起こるかと言うと、練習不足です。日本人の英語学習者は、英会話学校に通ってネイティブの授業を受けている方でも、絶対的な練習量不足に陥っています。
ですから留学という選択肢が出てくるのです。渡航費や滞在費を考えればかなりの出費ですが、一日中無料で英語の会話練習ができます。そしてこの留学の問題点も、出費額が非常に大きいということです。仕事をしている方でなければなかなかその金額は捻出できません。一方で実際に仕事をしている方は、少なくとも数カ月は日本を留守にするので、なかなか出かけられないのです。
その解決策が、近年よく耳にするオンライン英会話です。さまざまなものがありますが、よくあるのは、一回25分のプライベートレッスンが毎日受けられて1カ月約6000円で講師は主にフィリピン人、というものです。
これを毎日続ければかなりの練習量になります。英検2級を持っている人であれば、一年続ければ、かなり会話がこなせるようになるでしょう。さすがに無料という訳にはいきませんが、格安です。
この世にオンライン英会話は格安で非常に便利なのですが、実は多くの方が挫折するので注意を書いておきます。
易しめのテキストを使った授業を受ける
私も、基礎的な英語力が身に付いた生徒にオンライン英会話を進めているのですが、すぐに挫折する方には2つのパターンがあります。
1.フリートークで話が続かなくて苦痛になる
いくら英語の基本的な知識がついたところで、まだ自由に会話ができるわけではありません。話したいことがうまく話せず、相手の言っていることを何回聞いても聞き取れず、苦しみます。最後は授業が苦痛になり受講しなくなります。
2.授業の予習や復習でかなりの時間が取られて苦痛になる
真面目な方に多いパターンです。事前にしっかり予習をして、終わってからもしっかり復習をされます。そうすると1回の授業を受けるのに全部で2,3時間かかってしまうのです。こうなると毎日授業を受けるというわけにはいきません。予習や復習も大変なので、だんだん遅れ気味になり、授業を受ける回数が減っていきます。最後は週に1回受けるかどうかになってしまいます。
こういった生徒には、次のアドバイスをします。
授業は、英語を教えてもらうというよりは、英語の会話練習量を増やすのが目的。しかし、フリートークは難易度が高くまだ早い。だから易しめのテキストを使って授業を受ける。テキストは授業を受けなくても理解できるレベルにする。これはあくまで、授業の形をとった会話練習に過ぎない。余裕があれば途中で脱線して、フリートークのような会話に入っても大丈夫。もし会話が行き詰まったら、テキストに戻る。
それに易しめのテキストを使えば、事前に軽く目を通すだけで予習はできるし、そもそも復習の必要もそれほどない。こうすれば毎日授業を受けても予習や復習が大きなストレスになることはない。テキストはあくまで、会話練習を行うにあたってのきっかけを作る土台でしかないので、予習や復習に時間を使うよりも、その分を少しでも多く授業を受けて、会話練習を行うべき。
そうすると皆さん、オンライン英会話のストレスが減り、受講回数が増えていきます。そのうち皆さん口々にこう言い始めます。「オンライン英会話が楽しい!」と。このなると、あとは順調に英語力を伸ばしていき、普段使うぐらいの英語の会話ならこなせるようになります。
以上です。
読んでいただき、ありがとうございました。(Yasu)
英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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