英語で丁寧にお願いできる!Can youとCould youの使い分けを徹底解説

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「すみません、ちょっとお願いがあるのですが…」

日本語ならごく自然に出てくるこの一言。でも、英語で言おうとすると、「Can…? それとも Could…? どっちが丁寧だっけ?」と迷ってしまった経験はありませんか?

この記事では、そんな「お願い」の英語表現の基本から応用まで、たくさんの例文を交えながら、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説していきます。

まずは、こちらの動画で基本をサクッと確認するのがおすすめです。

動画で基本のイメージを掴んだら、この記事でさらに深く学んでいきましょう。状況に合わせて自然で丁寧な表現が使いこなせるようになると、自信を持って外国人と話せるようになり、英会話がもっとスムーズになりますよ。

英語の「丁寧さ」は日本語の敬語とちょっと違う

まず知っておきたいのは、英語の丁寧表現は、日本語の尊敬語や謙譲語といった複雑な上下関係に基づく敬語とは少し違うということです。英語の丁寧さは、相手との「心の距離(social distance)」によって表現を使い分ける、という考え方が基本です。

英語の丁寧さには、大きく分けて3つのレベルがあります。

  • カジュアル:家族や親しい友人など、心の距離が近い相手との会話で使うくだけた表現です。リラックスした、気兼ねない関係性で使われます。
  • 丁寧:同僚や店員さん、初対面の人など、礼儀を払うべき相手に使える標準的な表現です。日常会話で最もよく使われる、いわば「万能レベル」です。
  • 非常に丁寧:上司やお客様、または特別な配慮が必要な場合など、かしこまった場面で使う表現です。ビジネスのメールや公式な場でのスピーチなどで耳にすることが多いでしょう。

英語学習をやり直している初心者の方は、まず真ん中の「丁寧」な表現をマスターするのが一番の近道です。これさえ覚えておけば、ほとんどの場面で失礼なく、かつ自然なコミュニケーションがとれます。

どんな場面でも使える万能フレーズ “Could you…?”

丁寧にお願いをするときの、最も基本的で便利なフレーズが “Could you…?” です。迷ったらこれを使えば間違いありません。

Could you …?

(〜していただけますか?)

このフレーズは、相手に何か行動をお願いしたい時に幅広く使え、とても便利です。相手への敬意を示しつつ、柔らかい印象を与えることができます。

では、学校で最初に習うことが多い “Can you…?” とは、一体何が違うのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

“Can you…?” vs. “Could you…?” 違いを徹底比較

“Can” も “Could” も、相手に何かを「できるかどうか」を尋ねる言葉ですが、そこに含まれるニュアンス、特に相手に与える印象が大きく異なります。

“Can you…?” の特徴

  • 少し直接的な響き
  • カジュアルな印象
  • 「能力的にできる?」というニュアンスが強い

“Can you…?” は、「〜してくれる?」「〜することできる?」といった、親しい間柄で使われることが多いフランクな表現です。「(能力として)できるならやって」という直接的な響きがあるため、友人や家族にお願いをする時にはぴったりです。

例えば、家族に「塩を取ってくれる?」と頼むなら “Can you pass me the salt?” で全く問題ありません。しかし、レストランで店員さんに同じように言うと、少しぶっきらぼうに聞こえてしまう可能性があります。

“Could you…?” の特徴

  • 控えめで丁寧な響き
  • 「もし可能でしたら」という配慮のニュアンス
  • 相手の都合を伺う、思いやりのある表現

“Could” は “Can” の過去形ですが、依頼の文章で使うと「もし〜できるとしたら」という仮定のニュアンスが加わります。この一歩引いた感じが、相手への配慮や丁寧さにつながるのです。「あなたの状況が許すならば、もしよろしければお願いできませんか?」という気持ちが含まれています。

そのため、初対面の人や、職場、お店など、少し距離感のある相手に使うのに適しています。

なぜ過去形になると丁寧になるの?

英語では、現在形よりも過去形を使うことで、表現が間接的になり、丁寧な印象を与えることがあります。これを「時制による心理的な距離」と考えることができます。

  • 現在形:直接的で、今すぐ目の前にある感じ → 心理的な距離が近い
  • 過去形:一歩引いた感じで、現実から少し離れた仮の話 → 心理的な距離が遠い

この「心理的な距離」が、相手への敬意やへりくだった気持ちを表し、「無理強いはしませんよ」という丁寧なニュアンスを生み出すのです。これはお願いの表現以外でも見られる英語の面白い特徴の一つです。

場面で使い分け!”Could you…?” 例文集

それでは、具体的にどのような場面で “Could you…?” を使えるのか、例文をさらにたくさん見ていきましょう。

情報を聞きたい時

Could you tell me how to get to the station?

駅への行き方を教えていただけますか?

Could you tell me what time it is?

今、何時か教えていただけますか?

Could you explain that one more time?

もう一度、そちらを説明していただけますか?

Could you spell your name for me?

お名前のスペルを教えていただけますか?

助けを求めたい時

Could you help me for a second?

少し手伝っていただけませんか?

Could you hold this for me?

これを少し持っていていただけますか?

Could you give me a hand with this bag? It’s heavy.

このカバンを運ぶのを手伝っていただけませんか?重いんです。

Could you take a picture of us?

私たちの写真を撮っていただけますか?

お店でお願いする時

Could you show me that bag?

あちらのバッグを見せていただけますか?

Could you give me a smaller size?

もっと小さいサイズをいただけますか?

Could you wrap this for me?

こちらを包装していただけますか?

Could you call a taxi for me?

タクシーを一台呼んでいただけますか?

自分が何かをしたい時は “Could I…?”

今までは相手に「〜してもらえますか?」とお願いする表現でした。では、今度は自分が「〜してもいいですか?」と許可を求めたい時はどうすれば良いでしょうか。

その場合は、主語を “you” から “I” に変えるだけです。非常にシンプルですね。

Could I …?

(〜してもよろしいでしょうか?)

これも “Can I…?”(〜してもいい?)よりも丁寧で、「もしご迷惑でなければ、させていただきたいのですが…」という控えめな聞き方になります。

場面で使い分け!”Could I…?” 例文集

こちらも具体的な例文をたくさん見ていきましょう。自分の行動の許可を得たい時に、とても役立ちます。

物を借りたい時

Could I borrow your pen?

ペンをお借りしてもよろしいでしょうか?

Could I use your phone for a moment?

少しの間、お電話をお借りしてもよろしいでしょうか?

許可を求めたい時

Could I have a look at this?

こちらを拝見してもよろしいでしょうか?

Could I sit here?

ここに座ってもよろしいでしょうか?

Could I try this on?

これを試着してもよろしいでしょうか?

Could I ask you a question?

一つ質問をしてもよろしいでしょうか?

職場などでお願いする時

Could I leave a little early today?

本日、少し早退させていただいてもよろしいでしょうか?

Could I have a day off next Friday?

来週の金曜日にお休みをいただいてもよろしいでしょうか?

もう一歩先へ!さらに丁寧な上級フレーズ

“Could you…?” や “Could I…?” をマスターしたら、さらに丁寧な表現も覚えておくと表現の幅が広がります。特にビジネスシーンや、目上の方にお願いする時に知っておくと非常に役立ちます。

Would you mind if I…?

Would you mind if I opened the window?

窓を開けてもよろしいでしょうか?(直訳:私が窓を開けたら、あなたは気にしますか?)

これは「〜したらご迷惑ではありませんか?」と、相手の気持ちを最大限に配慮した、非常に丁寧な聞き方です。注意点として、この質問に「はい、いいですよ」と答える時は “No, not at all.” (いいえ、全く気にしません) や “No, go ahead.” (どうぞ) のように “No” で答えるのが一般的です。少しややこしいですが、覚えておくとスマートです。

I was wondering if you could…

I was wondering if you could help me with this report.

もしよろしければ、このレポートを手伝っていただけないかと思っていたのですが。

「〜していただけないかと思っていたのですが…」と、直接的なお願いの形を避けて、自分の考えを述べるという形で伝える、非常に丁寧で控えめな表現です。少し言いにくいお願いをする時に、クッション言葉として最適です。

Would it be possible to…?

Would it be possible to change my reservation?

予約を変更することは可能でしょうか?

「〜することは可能でしょうか?」と、相手の都合よりもまず「可能性」について尋ねる表現です。これも非常に丁寧で、特にビジネスのメールなどでよく使われます。

まとめ

今回は、英語でお願いをする時の基本となる “Can” と “Could” の使い分けを中心に、様々な丁寧表現を解説しました。

  • 親しい相手には “Can you…?” / “Can I…?”
  • 丁寧にお願いしたい時は “Could you…?” / “Could I…?”
  • さらに丁寧に伝えたい時は “Would you mind…?” や “I was wondering…”

このポイントを押さえるだけで、あなたの英語はぐっと丁寧で自然な響きになります。

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、まずはどんな場面でも失礼のない “Could you…?” と “Could I…?” から、実際の会話で意識して使ってみてください。「丁寧すぎて変かな?」と心配する必要はありません。丁寧すぎることは、失礼にあたるよりずっと良いことです。

何度も口に出して練習して、自然に使えるようになりましょう。きっと、相手とのコミュニケーションがより円滑になるはずです。

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