to は2つの使い方があり、勉強しているうちに途中から混乱する英単語です。
最初に基本的な意味と使い方、後半で他の意味や使い方を説明します。
【初心者編】to の基本的な意味
to は行き先を表す働きを持ち、「to ~」で「~に」となります。
これが基本です。例えば、
I go to Ueno Park.
私は上野公園 に 行きます。
辞書でも確認してみましょう。
以下辞書より転載。
…(のほう)へ、…まで、…へ、…に
Weblio(研究社英和中辞典)((方向・方角)) (到着・接触の意味を含んで)…へ,に,まで
goo辞書(ランダムハウス英和大辞典)【前】〔物事の進行・人の気持ち・意志・考え・状態・運命・目的などが〕~の方向に向かって、~へ(の)、~を目的(地)として
アルク(英辞郎)in the direction of or as far as
【拙訳】~の方向に、~に至るまで
Cambridge 英語辞書
どの説明も同じような感じですね。
to の基本的な使い方
to は前置詞なので、必ず後に名詞(名前)が来ます。
(前置詞の後は必ず名詞というのが英語のルールです)
だから後に場所を表す名詞をおいて行き先を表します。
I go to Tokyo Station.
私は東京駅に行きます。
We go to Tokyo Disneland.
私達は東京ディズニーランドに行きます。
どこかに出かける動詞の go と相性が良いので、よく go to の形になります。
だから必ず go to になると思っている方がいますが、別に必ず go と一緒に使わなければならない訳ではありません。
例を挙げます。
I walk to Ueno park.
私は上野公園に歩いて行きます。
I run to Tokyo Staion.
私は東京駅に走っていきます。
という具合に、別に go 以外の動詞と一緒に使っても良いのです。
ここまでは特に難しくないと思います。
では、初心者がつまづきやすいところを次に説明しましょう。
【初心者編2】to の使い方(to不定詞)
「to不定詞」は分かりにくいです。
まず、名前!(笑)
説明できますが、ややこしいのでもっと後で説明しますね。
とりあえず「to不定詞という名前があるらしい」ぐらいでここは流して下さい。
先程、to は前置詞なので、後に「名詞」が来ると説明しました。
でも to 不定詞というのは、toの後に「動詞」を置く、特別な形なのです。
特別な形なので「to不定詞」などという特別な名前がついているのです。(分かりにくい名前ですがw)
そして、「to + 動詞」で「~するために」という特別な意味になります
だから、
to help my mother で、「私の母を助けるために」という意味になるのです。
ではこれで文を作ってみましょう。
I work to help my mother.
私は「母を助けるために」働く。
感心な話ですね(^^)
この to 不定詞は、普通の英文の最後に置くと、「~するために」という意味をくっつけることが出来るのです。
I work to buy a car.
私は「車を買うために」働く。
I came here to see her.
私は「彼女に会うため」にここに来た。
これが to 不定詞の基本的な使い方です。
ここで整理しましょう。
to は前置詞で、後に名詞が来て「~に」と目的地を表す働きを持っています。
だから to の後は目的地である場所の名前が来るのが基本です。
しかし特別な使い方として、後に動詞を置いて「~するために」と目的を表すことが可能です。
【中級者編】to の使い方(to 不定詞 パート2)
to 不定詞ですが、実は他にも意味と使い方があります。
to不定詞には大きく3つの意味があります。
1.~するために(副詞用法)
2.~するための(形容詞用法)
3.~すること(名詞用法)
先程学んだのは副詞用法だった訳です。
副詞用法とか言うと分かりにくいですが、名前は気にしなくて大丈夫です。
英語を話す日本人の大半がこの3つの名前をおそらく覚えていません。
勉強したり、説明するには名前があった方が便利なので使っているだけです。
to不定詞の形容詞用法
これは、名詞の後に置くと、「~するための~」という形になるのです。
例を出しましょう。
books to read
読むための本
これは当たり前過ぎますね。
ではこれはいかがでしょうか。
books to sell
売るための本
そうなんです。後ろに説明をつけていろいろ表現できるんですね。
名詞の前に置いて後ろの名詞を説明する単語を形容詞って言いましたよね。
a red cat, black coffee, a tall boy, a heavy bag
普通、形容詞は名詞の前に置くのです。
でも2語以上で形容詞の働きをする場合は、名詞の前に置くには重いので名詞の後に置きます。
だから「to+動詞」の形は後に置かなければならないのです。
さて、ではもっと便利な単語を使ってみます。
something(何か)です。something to ~ は非常に便利な組み合わせです。
something to eat
何か食べるもの
something to drink
何か飲むもの
something to see
何か見るもの
something to read
何か読むもの
いくらでも作れるでしょう?
実際、便利です。「何か~なもの」って来たら、大体このパターンです。
これがto不定詞の形容詞用法です。
あ、名前はどうでもいいですから(笑)
to不定詞の名詞用法
実は「to~」で「~すること」という名詞の固まりになるのです。
それは皆さんもすでに知っているパターンがあります。
want to です。
I want to drink coffee.
私はコーヒーが飲みたい。
おそらく、「want to ~」で「~がしたい」という意味になる、とあたかも熟語のように学んだと思います。
だって中学で「これは to 不定詞の名詞用法で・・・」って学んでも意味が分からないですよね。
でも使用頻度が極めて高いので最初は熟語として覚えたのです。
だから want to drink は to drink を want する、つまり、「飲むことを欲する」というのが本当の意味なのです。
でも表現が硬いですよね。なので「~したい」と一般的に言われるのです。
英語ではこのように、動詞を名詞の固まりに変える方法があります。
その代表が to なのです。
例えば、こんなのがあります。
To see is to believe.
「見ること」は「信じること」である。
(百聞は一見に如かず)
ただややこしい事に、動詞を名詞の固まりにするもうひとつの方法があるのです。
それは動名詞です。動詞の語尾に ing をつける方法です。
初心者のレベルでは「へぇ、そうなんだ」くらいで流して大丈夫です。
これは難しいので後から上級編で説明します。
to不定詞の副詞用法(上級編)
さて、上級編です。
to の大まかな使い方はすべて説明しました。
でも実は、それぞれが更に細かい使い方があるのです。
上級編と言っていますが、大学入試なら普通に出てきます。
大体は「和訳しろ」というパターンですが。
では、まず副詞的用法です。
これはさらに4つのパターンに分かれます。
目的、結果、原因、根拠、です。
目的は上で既にやりましたね。
次は結果です。
to不定の副詞用法<結果>
基本的に3つのパターンのみです。
grow up to, live to, wake up to
結果なので過去の意味が基本です。
He grew up to be a doctor.
彼は成長して医者になった。
決して、彼は医者になるために成長した、という意味にはならないのです。
The woman lived to be 120 years old.
その女性は120歳まで生きた。
xその女性は120歳になるために生きた。
I woke up to find myself alone.
私は目が覚めると自分一人だった。
x私は自分一人だと気づくために目覚めた。
という訳で、目的にはなりませんね。
ややこしいけど、上記3パターンのみですので覚えてしまって下さい。
to不定の副詞用法<原因>
次はto不定詞が原因を表すパターンです。
感情を表す形容詞が来ます。
I was surprised to see him.
私は彼を見て驚いた。
x私は彼を見るために驚いた。
どうでしょうか。ちょっと分かりにくいですよね。
実際、慣れるまでは分かりにくいのです。
なぜ分かりにくいかというと、to不定詞は通常、未来の事柄を表すのですが、このパターンは過去の事柄を表しているからなのです。
続きはまた書きます。Yasu 2018.11.29
英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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