DMM英会話をやってみた系
最近、「DMM英会話を◯年やりました」とか、「DMM英会話を◯◯◯回やりました」というブログを良く見かけます。私は勝手にそれらを「DMM英会話をやってみた系」と呼んでいるのですが、「これがコツだ!」とか書かれているのです。でも、プロの英会話講師の私から見ると、「え? それ、間違ってるよ😅」というのが沢山あります。
Youtube でも最近は、「DMM英会話をやってみた系」が結構あるのですが、「え?!それだけ頑張ってこれだけ?😱」と見ててよく思います。
頑張っている人は素直に応援したいと思っているし、余計な口出しをする気は全く無いのですが、間違った結論や、効率の悪い勉強法が勧められていることもあり、見た人が「誤った学び」をしてしまうんじゃないかと思いますので、「DMM英会話の正しい使い方」を書くことにしました。
「努力」という言葉で誤魔化してはいけない
日本では「努力」は美しい言葉です。私も好きな言葉です。でも嫌いな言葉でもあります。
つまり、何も考えずに「努力」という言葉に酔って、成功に至る道筋を具体的に考えないのは効率が悪すぎると言っているのです。事前に勝てる作戦を考えるべき、ということなのです。
だから、やみくもにDMM英会話をやる前に、やることがあるでしょ?と言っているのです。
他の記事でも書きましたが、取り敢えずワーキングホリデーに出かけて、英語に挫折して帰って来る方は非常に多いのです。恥ずかしいので本人は口外しないため、あまり知られていませんが、業界なら誰でも知っている事実です。
だから経験ある人事担当者なら、送られてきた履歴書に「ワーキングホリデー」と書いてあったら、「この人は英語が話せない」とすぐに分かります(笑)
その点、DMM英会話はワーキングホリデーに比べれば、失敗した場合のリスクが低いのでまだマシですが、それでも初心者がいきなりDMM英会話をやり続けても効果は高くないです。
別にDMM英会話に限ったことではなく、オンライン英会話一般に言えることなので、以後「オンライン英会話」に統一して説明します。
それから補足しておきますが、数あるオンライン英会話の中でもDMM英会話はかなり良い方だと私自身は考えており、生徒さんにも勧めていることはここで言っておきます😁
なぜDMM英会話を私が生徒さんに勧めているかはまた別の機会に述べます。
なぜ、オンライン英会話を続けても英語力は伸びないのか?
まず言っておきますが、伸びる方と伸びない方に大きく2つに分かれます。
既に英検2級を持っている方や、TOEICで600ある方は伸びる方々です。英語の知識は相応にあるにも関わらず、実際の使用経験が無いので、それは伸びるに決まっています。
一方、英語の知識の少ない方、特に中学英語も怪しい方は、間違いなく伸びません。簡単なやり取りが出来るようになって、終わりです。
Youtube を見てて、伸びてないなぁ、と思うのは後者の方々です。オンライン英会話以外に英語の勉強をきっとやっていないんじゃないかと思います。
外国人と英語で話し続けたら英語を話せるようになるか?
日本には「外国人と英語で話し続けたら英語を話せるようになる」という神話が存在します。そうです、神話です。つまり、まず無理ということです。
それでも稀に、例外的に話せるようになる超センスの良い人がいるみたいなので話がややこしくなるんですけどね。まぁ、そういう一部の超例外を除いて、大半の方はその方法では挫折します。
語学学習の研究者の方々もこの意見には同意してくれると思います。ある程度の年齢を過ぎた大人は外国人とひたすら英語で話し続けても英語を話せるようにはなりません。
まぁ、こう言っても多くの人は、自分だけは「例外的に」話せるようになると信じてるんですけどね😅
習得が楽な言語と難しい言語がある
言語が近ければ、母語(自分が子供の頃から使っている言葉)の知識を、新しく習得しようとする言語に応用する事ができます。というか、近い言語は楽です。極論すると、大阪弁の人が名古屋弁を習得するようなものです。
ちなみに方言の違いも言語の違いも同じようなものです。乱暴な言い方ですが、ヨーロッパの標準語はラテン語でしたが、国が分かれて各方言が国の言葉になりました。だからスペイン語もイタリア語もお互い方言程度の違いしか無いので、通訳を交えず会話することが可能です。
そして英語はヨーロッパの言語の中では簡単な部類に入ります。だからヨーロッパの言語で育った人なら英語の習得は容易なのです。つまり、英語を実際に使って覚えていくことが可能になります。単語を入れ替えれば、大体意味が通じてしまいますから。
そもそも英語というのは、昔のドイツ語にバイキングの話す北欧の言葉が入ってきて、そこに大量のフランス語が流れ込んで出来た、ヨーロッパ言語のちゃんぽんです。更に、ヨーロッパの言語はみな語尾変化が激しいのですが、英語はちゃんぽんになる過程でかなり簡素化されてしまいました。日本人からすれば、三単現のSとかで混乱しますが、マシな方なのです。ですから、ヨーロッパの言語を話す人たちからすれば、語尾変化の少ない英語は習得しやすく分かりやすい言語なのです。
一方、日本語と英語は全く異なる言語です。文法体系も単語もかなり異なります。単語を入れ替えれば通じるという次元ではありません。発音も全く異なります。だからルー大柴のような話し方をしたって通じないのです。
これも説明すると長くなるので、興味の有る方は以下を参照して下さい。
オンライン英会話をやる前に何をすべきか
以上の理由で、単にひたすら努力してオンライン英会話をやりつづけることに、私は反対です。
理由はただ一言、効率があまりにも悪すぎるからです。
例えば、英会話で使う英単語の80%は約3000語と言われています。であれば、先にそれを覚えた方が効率が良くないですか?英会話を繰り返せば、そのうち自然に英単語を覚えられるって言う言葉もたまに聞きますが、何十年掛けるつもりですか?と私は逆に聞きたいです。
なのでここで結論になりますが、「英単語」と「英文法」を事前に学習すべきです。
英単語なら3000語、英文法なら高校英文法。そこまで学べば、オンライン英会話で出てくる単語や文法はほぼ網羅しています。いちいち辞書を引く必要もありません。
この方が英語の上達は早いです。
それでももっと早くオンライン英会話をやりたい方に
では、英単語3000語、高校英文法をマスターする前にやってはいけないか、というとそれも違います。良い刺激になると思いますので、やれる範囲でやるべきです。ただ、効率はあまり良くないというだけです。
それでも、最低限、中学英語くらいは幾らか勉強してからやった方が良いと思います。
では何をやるべきか言いますね。
英単語
中学生向けの英単語帳はたくさんありますが、英単語学習は非常に挫折しやすいのです!
だから日本人講師がいるなら単語の羅列したタイプでも良いですが、独学、それも初心者には無理です。
上記の本は、全て例文になっていますので、例文を覚えるつもりで学べば、中学英単語は制覇できます。
参考書は結構、相性がありますので、もし上記が合わない方は以下を試しても良いと思います。
最初に紹介したのは中学生向け、二冊目に紹介したのが大人向けです。大人であれば、二冊目でも良いと思います。本屋さんで見比べて下さい。
英文法
英文法のやり直し本なら一番簡単なこの本しかありません。
中1だけ紹介しましたが、中2、中3もありますし、合冊版もあります、以下です。
個人的には1年毎に一冊終わらせた方が達成感も出るし、大きい方が見やすいので、分冊版をお勧めしていますが、一冊にまとまってた方が良い方は合冊版でも良いと思います。
ちなみに中3までこれで一応やれますが、中学英文法はこれで終わりではありません。この本は中学英語でも一番簡単な基本の説明だけです。勘違いして、すぐに高校英文法に進まないで下さいね。
さて、取り敢えず、中学レベルの英単語と英文法の基本を少しやるだけでも、かなり効率が変わってきますので、是非試してみて下さい。
そして上記を試してみて、「ここに書いてあることは本当だった!」と思った方は、更に上のレベルの英単語や英文法を勉強して下さい。単にオンライン英会話を努力して続けるだけよりも、早く英語力が上っていきますよ。
英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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