【完全ガイド】英語で「辛い」を使い分け!Spicyだけじゃない、ネイティブ表現

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「このカレー、辛い!」を英語で言いたい時、いつも “It’s spicy.” だけで済ませていませんか? もちろん間違いではありませんが、英語には「辛さ」を表現する言葉がたくさんあります。海外旅行先のレストランで、あるいは外国人の友人と食事をする時、もっと豊かに味の感想を伝えられたら、コミュニケーションはもっと楽しくなるはずです。

ヒリヒリする辛さ、鼻にツーンとくる辛さ、後からじわじわくる辛さ… 私たちが日本語で多彩な表現を使うように、英語でも辛さの「レベル」や「質」を表現できます。

この記事では、英語学習を再開した初心者の方でも安心して学べるように、「辛さ」に関する英語表現を、基本的な知識からネイティブが使う口語表現まで、例文を交えながら徹底解説します。

まずは、こちらのYouTube動画で基本をサクッと掴むのがおすすめです。

動画で基本を理解したら、この記事でさらに一歩進んで、微妙なニュアンスの違いや、レストランですぐに使える実践的なフレーズまでマスターしていきましょう。

基本のキ! “hot” vs. “spicy” の違いって?

「辛い」を意味する代表的な単語 “hot” と “spicy”。この二つ、どう使い分ければいいか迷ったことはありませんか?ネイティブでも時に確認し合うこの2つの単語の、本来の意味と現代での使われ方を見ていきましょう。

もともとの意味の違い

実は、この2つの単語には、もともと指している「辛さの種類」に明確な違いがありました。

  • Spicy: シナモンや胡椒、クローブ、ナツメグなど「スパイス(spice)」が効いている状態を指します。香りが豊かだったり、ハーブの複雑な風味がしたりするニュアンスで、必ずしも唐辛子のような辛さだけを意味するわけではありません。例えば、ジンジャーブレッドクッキーやチャイティーも “spicy” と表現できます。
  • Hot: 唐辛子(チリペッパー)に含まれるカプサイシンによる、舌がカッと熱くなるような、ヒリヒリする直接的な辛さを指します。痛みに近い感覚を伴う、刺激的な辛さのイメージです。

このため、スパイスたっぷりのアップルパイやシナモンロールは “spicy” ですが、”hot” ではない、というのが元々の区別です。

現代ではどう使われている?

もともとの意味は上記のとおりですが、現代の英語、特にアメリカ英語では、この区別はかなり曖昧になっています。唐辛子の辛さに対しても “spicy” と “hot” の両方がごく普通に使われます。

  • This curry is spicy. (このカレーは辛いです。)
  • This curry is hot. (このカレーは辛いです。)

どちらを使っても、唐辛子系の辛さを指していると理解してもらえます。文脈でどちらの意味かはほとんどの場合、明らかだからです。

要注意!温度の “hot” との混同

一つだけ気をつけたいのが、”hot” にはご存知の通り「温度が熱い」という意味もある点です。これは時々、混乱の原因になります。

  • This soup is hot.

こう言った場合、「辛いスープ」なのか「熱々のスープ」なのか、少し紛らわしい可能性があります。実際、ネイティブ同士の会話でも、”Do you mean hot-spicy, or hot as in temperature?”(辛い方のホット?それとも温度が熱い方のホット?)と確認し合うこともあるくらいです。

もし誤解を避けたい場面、例えば熱いお茶を飲んで「あつっ!」と言いたい時と、辛い料理を食べて「からっ!」と言いたい時を区別したいなら、味の辛さには “spicy” を使う方が確実で、親切かもしれません。

辛さのレベルを伝えよう!

辛さの度合いを表現する言葉を覚えて、自分の辛さの好みを伝えられるようになりましょう。レストランでの注文や、友人におすすめする際に非常に役立ちます。弱いものから順に、豊富な表現をご紹介します。

レベル1: 辛くない・マイルド

辛いのが苦手な方は、この表現を覚えておくとレストランで役立ちます。

  • mild: マイルドな、辛さ控えめの
  • not spicy at all: 全然辛くない
  • not hot at all: 全然辛くない

例文:

I’d like the mild curry, please.

(マイルドなカレーをお願いします。)

This kimchi is not spicy at all, so the kids can eat it.

(このキムチは全然辛くないから、子供でも食べられるよ。)

Could you please make my dish not hot at all?

(私の料理は全く辛くしないでいただけますか?)

レベル2: ピリ辛・少し辛い

「ちょっとだけ辛い」という心地よい刺激を伝えたい時に便利です。

  • a little spicy / a little hot: 少し辛い
  • It has a bit of a kick: ピリッとした刺激がある (“kick”はワクワクするような刺激というポジティブなニュアンスです)
  • There’s a hint of spice: かすかなスパイスの風味がある

例文:

The salsa is a little spicy, but it’s delicious.

(このサルサは少し辛いけど、美味しいよ。)

I like ramen that has a bit of a kick. It’s more interesting.

(私はピリッと刺激のあるラーメンが好きです。その方が面白いから。)

I can taste a hint of chili in this chocolate.

(このチョコレートには、かすかな唐辛子の風味を感じる。)

レベル3: ちょうどいい美味しい辛さ

ただ辛いだけでなく、「この辛さが美味しい!」とポジティブに伝えたい時に使えます。

  • pleasantly hot: 心地よく辛い
  • It has a nice kick: 良い刺激がある
  • It has the perfect amount of heat: 完璧な量の辛さだ

例文:

This dish has a pleasant heat that warms you up.

(この料理は体を温めてくれる心地よい辛さがありますね。)

These tacos have a nice kick to them. Not too much, not too little.

(このタコスはいい感じにピリッと辛いね。多すぎず、少なすぎず。)

For me, this is the perfect amount of heat. I love it.

(私にとっては、これが完璧な辛さ。大好きです。)

レベル4: とても辛い

はっきりと「辛い!」と感じた時の、ストレートな表現です。

  • very spicy / very hot: とても辛い
  • pretty hot: かなり辛い
  • quite spicy: なかなか辛い

例文:

Be careful, this soup is very spicy.

(気をつけて、このスープはとても辛いよ。)

I didn’t expect these hot wings to be so pretty hot.

(この手羽先がこんなに辛いとは思わなかった。)

The green curry was quite spicy, but I managed to finish it.

(グリーンカレーはなかなか辛かったけど、なんとか完食できたよ。)

レベル5: 激辛・猛烈に辛い

辛さの限界を超えるような、強烈な辛さを表現する、少し大げさで面白い言葉です。

  • extra hot: 激辛
  • fiery: 燃えるような
  • scorching: 焼けつくような
  • volcanic: 火山のような
  • insanely hot: 非常識なくらい辛い

例文:

He ordered the ramen with extra hot sauce. He’s brave!

(彼は激辛ソースでラーメンを注文した。勇気あるなあ!)

I tried their fiery chicken, and my mouth is still burning.

(彼らの燃えるように辛いチキンを試したら、まだ口がヒリヒリするよ。)

I can’t eat this. It’s scorching!

(これは食べられないよ。焼けつくように辛い!)

辛さの「質」を表現してみよう

唐辛子、わさび、山椒… 辛さの原因によって、感じ方は全く違いますよね。そんな「辛さの質」の違いを表現できると、あなたの英語はぐっとネイティブに近づき、食の感想がより具体的で面白くなります。

唐辛子系の「ヒリヒリ、じわじわ」くる辛さ

タイ料理やメキシコ料理のように、食べた後から口の中に熱が残り、長く続く辛さの表現です。

  • burning: 燃えるような、ヒリヒリする
  • a slow burn: 後からじわじわくる辛さ
  • a lingering heat: 後を引く辛さ

例文:

This chili has a slow burn. The heat builds up gradually.

(このチリは後からじわじわくる辛さだね。だんだん辛さが増してくる。)

I can still feel the lingering heat on my tongue five minutes later.

(5分経っても、まだ舌に後を引く辛さが残っているよ。)

The burning sensation from the hot sauce is intense.

(このホットソースのヒリヒリする感覚は強烈だ。)

わさび・西洋わさび系の「鼻にツーン」とくる辛さ

お寿司のわさびや、ローストビーフのホースラディッシュのような、一瞬で鼻に抜けるシャープな辛さです。持続性はありません。

  • sharp: 鋭い
  • pungent: 刺激の強い、ツンとくる
  • It goes right up your nose: 鼻にツーンと抜ける

例文:

This mustard has a very sharp taste. It woke me up!

(このマスタードはとても鋭い味がする。目が覚めたよ!)

Wow, that wasabi is really pungent! It goes right up my nose.

(うわー、このわさび、すごくツーンとくる!鼻に抜けるよ。)

That sharp heat from the horseradish is exactly what this beef needs.

(このホースラディッシュの鋭い辛さが、まさにこの牛肉に必要なものだ。)

山椒・花椒系の「ビリビリ、ジンジン」痺れる辛さ

麻婆豆腐などを食べた時の、舌が痺れるような、他の辛さとは全く異なる独特の感覚です。

  • numbing: 痺れるような
  • tingling: ピリピリ、ジンジンする

例文:

I love the numbing sensation of Sichuan peppercorns.

(私は四川山椒の痺れるような感覚が大好きです。)

This mapo tofu makes my tongue tingle in a good way.

(この麻婆豆腐は、いい意味で舌がピリピリするよ。)

最近では、中国語の「麻辣(málà)」が、この痺れる(麻)と唐辛子の辛さ(辣)を組み合わせた味として、そのまま英語圏の食通の間で使われることも増えてきました。

ネイティブが使う!カジュアルな口語表現

最後に、友人との会話などで使える、より生き生きとしたカジュアルな表現を10個ご紹介します。少し大げさなものもありますが、使いこなせると会話がもっと弾みますよ!

  1. My mouth is on fire.(口の中が火事だ!→口が燃えるように辛い!)A: “How are the hot wings?” B: “My mouth is on fire! I need some water!”A:「手羽先はどう?」 B:「口が燃えそう!水ちょうだい!」
  2. It’s packing some serious heat.(これはかなりの熱(辛さ)を詰め込んでいる。→すごく辛い。)”Don’t underestimate this small pepper. It’s packing some serious heat.”「この小さな唐辛子をなめないで。すごく辛いから。」
  3. The heat builds up slowly.(辛さがゆっくりと増してくる。→じわじわ辛くなる。)”At first I thought it wasn’t spicy, but the heat builds up slowly.”「最初は辛くないと思ったけど、じわじわ辛くなってきた。」
  4. It made my eyes water.(目が潤んでしまった。→辛くて涙が出た。)”This curry is so good and spicy it made my eyes water.”「このカレー、美味しくて辛くて涙が出てきちゃった。」
  5. My tongue is numb.(舌の感覚がない。→舌が痺れている。)”I put too much Sichuan pepper in it, and now my tongue is numb.”「花椒を入れすぎちゃって、舌が痺れてる。」
  6. I need some milk!(牛乳が必要だ!→辛さを和らげたい時の決まり文句。)”Okay, this is way hotter than I expected. I need some milk!”「オーケー、これは思ったよりずっと辛い。牛乳が必要だ!」
  7. That’s got some bite.(それは噛みつきがあるね。→ガツンとくる辛さだね。)”I like this mustard. That’s got some bite.”「このマスタード好きだな。ガツンとくるね。」
  8. It cleared my sinuses.(鼻腔がスッキリした。→(わさびなどで)鼻が通った。)”I had a stuffy nose, but this pungent wasabi totally cleared my sinuses.”「鼻が詰まってたんだけど、このツンとくるわさびで完全にスッキリしたよ。」
  9. This is no joke.(これは冗談じゃない。→本気で辛い。)”Be careful with that hot sauce. This is no joke.”「そのホットソースには気をつけて。本気で辛いから。」
  10. I can’t feel my lips.(唇の感覚がない。→辛さで唇が痺れた。)”I finished the whole bowl of fiery ramen, but now I can’t feel my lips.”「激辛ラーメンを全部食べたけど、今、唇の感覚がないよ。」

まとめ

いかがでしたか?「辛い」という一言にも、たくさんの英語表現があることがお分かりいただけたと思います。

  • まずは基本の “hot”“spicy” のニュアンスを理解する。
  • 次に “a little spicy”“very hot” など、辛さのレベルを調整してみる。
  • 慣れてきたら “slow burn”“numbing” など、辛さの質にも挑戦してみる。

いきなり全部を覚える必要はありません。まずは自分が使いやすいと感じたもの、面白いと思ったものから会話に取り入れてみてください。食べ物の話は、国籍を問わず誰もが楽しめる素晴らしいコミュニケーションのきっかけになります。今日学んだ豊かな表現で、食事の時間をさらに楽しんでくださいね!

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