ネイティブがよく使うセリフに「カモン」があります。「カモーン」と伸ばす場合も多いです。ですがこの言葉、実はそのままでは辞書で探せません。
それもそのはず。カモンは2語から成り立っています。スラングや会話表現と考えて理解した方が分かりやすいでしょう。さて、カモンは本当に様々な意味で使われます。おいで、急げ、頑張れ、お願い、まさか、などです。
ここでは基本的な意味から、様々な状況で使われる意味まで解説します。 なるべく英語を使わずに説明しますので、簡単にカモンの全体像が理解できるでしょう。
基本編
カモンは2語から成り立っています。
come(カム)と on(オン)です。
だから Come on を続けて言うと「カモン」と聞こえるのです。。
さて、カモンの意味ですが、基本は「おいで」となります。
come は「来る」という意味ですが、強調を表す on が付いて come on となっています。
Come(カム)だけでも「おいで」という意味はあるのですが、 現在では Come on!(カモン)の方が自然な言い方として定着してしまいました。
ちなみに Come on は頻繁に使用される言い回しなので、時には C’mon と書かれる場合もあります。
このカモンですが、現在では様々な意味に発展しています。主に以下の5つを理解すれば大丈夫でしょう。これから説明していきます。
応用編
1.「急げ」のカモン
例えば、あなたが数人の友人と電車に乗ろうとしたとします。出発時間が迫っているので走り始めると、運動の苦手な友人が遅れ始めます。するとあなたは彼に向かってこう叫びます。
Come on!
そのままの意味は「来いよ!」ですが、ニュアンスとしては「急げ」になります。
他の英語で表現すると、Hurry up!(ハリーアップ)「急げ」ですね。
2.「頑張れ」のカモン
例えば、あなたが運動会でリレーをしてるとします。 友人がバトンを持って次の走者であるあなたに向かって走ってきます。だけど疲れてスピードが落ちています。
そうするとあなたは彼に向かってこう叫びます。
Come on!
単語の意味そのままでは、やはり「来いよ!」ですが、ニュアンスとしては「頑張れ!」になります。
スポーツ観戦などでファンが選手に向かってよくこう叫んでいますね。
3.「お願い」のカモン
例えば、あなたの友人の家が火事になったとします。まだ家の中にいる友人を助けようとスパーダーマン(笑)が家の中に飛び込んでいきました。ですが炎はだんだん大きくなり、あなたは不安になっていきます。
するとあなたは心の中で呟きます。
Come on!
これも単語の意味は「来て!」ですが、意味はむしろ「お願い」ですね。
お願いの時には、後ろに please がついて、Come on, please! となることが多いです。
上の例はかなり極端な例ですが、仲の良い誰かに頼みごとをした場合に「お願い!」って言いたい時に、よく使われます。
日本人だと、相手に手を合わせて「お願い!」と言う感覚ですので、仲の良い相手限定で、目上の人には使いません。
4.挑発のカモン
漫画などでありがちな状況ですが、喧嘩で相手を挑発して「来いよ!」というセリフをよく見かけます。 このままのセリフが、Come on! です。分かりやすいですよね。
ちなみに野次馬が喧嘩している2人に向かって、Come on!(頑張れ!)と叫び続けます(笑)
5.「まさか」のカモン
なるべく「来る」に絡めた例を挙げてきましたが、そろそろ限界です(笑)
相手の言った言葉を本気にしない時に使います。 日本語だと「まさか」とか「 冗談だろ」ぐらいの感じです。
勉強嫌いの友人がある日あなたに「俺、弁護士になろうかな」といったとします。あなたはその言葉を冗談だと思いました。そんな時、あなたは友人に向かって笑いながら言います。
Come on!
笑いながらというのがポイントです。相手の台詞を本気にせず、 「冗談はやめろよ!」と言う意味になります。
Come on 本来の意味「来いよ」に対して「冗談はやめろよ!」となるで、反語的ですね。
その他
上の5つが、会話で良く使われるパターンですが、 1つ別のパターンがあるので補足しておきます。
Come on in!(お入り下さい)
お客がやってきて部屋に入ろうとノックをしたとします。その時に部屋の中から聞こえて来るのが、この Come on in!(お入り下さい)です。
親しい人間同士であれば単に Come in(中に入って)だけでも大丈夫です。
それを、より丁寧に言おうと、come を強調して on を入れたのがこのフレーズです。
発音は、カモンにインがくっついて、「カモーニン!」となります。
だからこれは他の表現とは異なり別のフレーズとして覚えておいた方が良いでしょう。
最後に
いかがだったでしょうか。
基本から説明を始めて5つの応用と1つの特殊例を紹介いたしました。これだけ知っていたら、もうカモンで悩むことはないでしょう。
英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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