「給料」を表す英単語、”Pay”, “Salary”, “Wage” の違いを、自信を持って説明できますか?
似ているようで、実はネイティブは明確に使い分けています。これらの単語を正しく使えると、あなたの英語はより自然で、表現力豊かになります。
この記事では、そんな「お給料」に関する英語表現を、基本から応用まで、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。
手軽に基本を理解したい方は、まずこちらのYouTube動画をご覧ください。動画では、3つの単語の核心的な違いをコンパクトにまとめています。
このブログでは、動画の内容をさらに深掘りし、より多くの例文や関連表現を交えながら、あなたの「知りたい!」に詳しくお答えしていきます。この記事を読み終える頃には、お金に関する英語の会話に、もっと自信が持てるようになっているはずです。
基本の3単語! Pay vs. Salary vs. Wage
まずは、最も基本的な3つの単語、”Pay”, “Salary”, “Wage” の違いを見ていきましょう。それぞれの単語が持つ「核となるイメージ」を掴むのが、使い分けの最大のポイントです。
1. Pay – 最も広く使える万能な「給料・報酬」
“Pay” は、労働の対価として支払われるお金全般を指す、最も広くて万能な言葉です。給料、賃金、報酬、手当など、さまざまなニュアンスを含みます。もし「SalaryとWage、どっちを使えばいいんだろう?」と迷ったら、”Pay” を使えば、ほとんどの場面で自然に聞こえるので安心です。
名詞としても動詞としても使える、非常に便利な単語です。
- 名詞としての Pay
- The pay is good at my new company.(私の新しい会社は給料が良いです。)
- I’m not satisfied with my current pay.(現在の給料に満足していません。)
- She received a bonus as part of her pay.(彼女は給料の一部としてボーナスを受け取った。)
- 動詞としての Pay
- This company pays its employees well.(この会社は従業員に良い給料を支払っている。)
- It’s a difficult job, but it pays well.(大変な仕事ですが、その分給料は良いです。)
- How much do they pay you for this work?(この仕事で、彼らはあなたにいくら支払っていますか?)
2. Salary – 安定した「固定給(月給・年俸)」
“Salary” は、主に正社員や専門職の人が受け取る、月ごとや年ごとに支払われる「固定給」を指します。いわゆる「月給」や「年俸」のイメージです。
働いた時間によって金額が変わらないのが最大の特徴で、「安定」というニュアンスが含まれます。求人情報などでは、年間の総額(年俸)で提示されることがよくあります。
- She has a high salary as a lawyer.(彼女は弁護士として高い給料を得ています。)
- My annual salary is six million yen.(私の年俸は600万円です。)
- My salary is paid on the 25th of every month.(私の給料は毎月25日に支払われます。)
- He is negotiating his salary with the company.(彼は会社と給与交渉をしています。)
3. Wage – 働いた分だけもらえる「変動給(時給・日給)」
“Wage” は、働いた時間や日数、または完了した仕事量に応じて支払われる「変動給」を指します。アルバイトやパートタイム、建設作業員など、労働時間が直接収入に結びつく仕事でよく使われます。「時給」「日給」「週給」がこれにあたります。
複数形で “Wages” として使われることも多いです。
- The minimum wage in this city is $15 per hour.(この街の最低賃金は時給15ドルです。)
- He earns a good wage working at the factory.(彼は工場で働いて良い賃金を得ています。)
- My wages are calculated based on the hours I work.(私の賃金は、働いた時間に基づいて計算されます。)
- Wages are paid every Friday.(賃金は毎週金曜日に支払われます。)
まとめ:3つの単語のイメージ
- Pay: 全般的な「給料・報酬」。迷ったらコレ!
- Salary: 正社員などの「固定給」。安定した月給・年俸。
- Wage: アルバイトなどの「変動給」。働いた分だけの時給・日給。
さらに広がる!収入に関する英単語
“Pay”, “Salary”, “Wage” 以外にも、お金の話題で役立つ単語があります。表現の幅を広げるために、こちらもマスターして、より正確なニュアンスを伝えられるようになりましょう。
Income – 副業なども含めた「総収入」
“Income” は、特定の仕事からの給料だけでなく、投資による利益、副業の収入、不動産の家賃収入など、あらゆる収入をすべて含んだ「総収入」を意味する言葉です。税金の申告など、公的な文脈でよく使われます。
- My total income last year was over five million yen.(私の昨年の総収入は500万円を超えました。)
- You need to report all sources of income on your tax return.(確定申告では、すべての収入源を報告する必要があります。)
- She has several streams of income, including writing and consulting.(彼女には執筆やコンサルティングなど、複数の収入源があります。)
Compensation – 福利厚生も含めた「総合報酬」
“Compensation” は、給料やボーナスに加えて、健康保険、年金、住宅手当、ストックオプションといった金銭以外の福利厚生(ベネフィット)など、会社から与えられるすべての待遇を含んだ「総合的な報酬」を指します。
求人票や雇用契約書で使われることが多く、少しフォーマルな響きのある言葉です。「このポジションに就くことで得られる総合的な価値」を示す際に使われます。
- The compensation package for this position is very attractive.(この役職の報酬パッケージは非常に魅力的です。)
- Compensation includes salary, bonuses, and health insurance.(報酬には、給与、賞与、健康保険が含まれます。)
- The company offers competitive compensation to attract talented people.(その会社は、優秀な人材を惹きつけるために、競争力のある報酬を提供しています。)
日常会話で使える!給料の高い・安いを表現するフレーズ
実際の会話で「給料が高い」「安い」と言いたいとき、どのような表現が使えるのでしょうか。ネイティブがよく使う自然なフレーズを、バリエーション豊かにご紹介します。
「給料が高い」と言いたいとき
- good pay / high salary
- He is looking for a job with good pay.(彼は給料の良い仕事を探しています。)
- This job pays well.
- この仕事は給料が良いです。(動詞 pay を使った非常に自然な表現)
- She is well paid.
- 彼女は高給取りです。(直訳:良く支払われている。これも頻出表現です)
- He’s making good money.
- 彼はかなり稼いでいます。(親しい間柄で使われるカジュアルな表現)
- It’s a lucrative business.
- それは儲かるビジネスです。(”lucrative” は「利益の大きい」という意味の形容詞)
「給料が安い」と言いたいとき
- low pay / low wages
- Many people complain about low pay.(多くの人が低い給料について不平を言っています。)
- This job doesn’t pay well.
- この仕事は給料が良くないです。
- I feel I am underpaid.
- 私は給料が安いと感じています。(”underpaid” は「給料が見合わない」というニュアンス)
- I’m on minimum wage.
- 私は最低賃金で働いています。
面白い慣用句: working for peanuts
「雀の涙ほどの給料で働く」「ただ同然で働く」という意味の面白いイディオムです。”peanuts”(ピーナッツ)という単語を使い、ごくわずかなお金しか得られない状況をユーモラスに、あるいは皮肉を込めて表します。
- He is an artist, so he’s used to working for peanuts.(彼は芸術家なので、わずかなお金で働くことには慣れています。)
- I can’t believe she accepted that job. She’s basically working for peanuts!(彼女があの仕事を引き受けたなんて信じられない。ほとんどタダ働きみたいなものだよ!)
昇給と減給の英語表現
最後に、お給料の変動に関する表現も見ていきましょう。これも会話でよく出てくるトピックです。
昇給する: get a raise
「昇給」は “raise” という単語を使って表現するのが最も一般的です。”get a pay raise” と言うこともできます。
- I’m going to ask my boss for a raise.(上司に昇給をお願いするつもりです。)
- Congratulations on getting a raise! You deserve it.(昇給おめでとう!あなたなら当然だよ。)
- I hope I get a pay raise this year.(今年は昇給するといいなあ。)
減給になる: get a pay cut
「減給」は “cut” を使って “get a pay cut” と表現します。また、会社の経営状況などにより、自ら減給を受け入れる場合は “take a pay cut” と言うこともできます。
- Many employees had to get a pay cut due to the recession.(不況のため、多くの従業員が減給されなければなりませんでした。)
- He took a pay cut to save his job.(彼は職を失わないために減給を受け入れました。)
- It was a difficult decision, but I took a pay cut to switch to a job I love.(難しい決断でしたが、好きな仕事に転職するために減給を受け入れました。)
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「給料」に関する様々な英語表現を、基本的な単語の使い分けから、会話で役立つ応用フレーズまで詳しくご紹介しました。
- Pay: どんな場面でも使える、最も万能な「給料・報酬」
- Salary: 安定した月給や年俸などの「固定給」
- Wage: 働いた時間や量に応じた「変動給」
これらの基本的な違いをしっかり理解し、今回学んだ多くの表現をインプットするだけで、英語での表現力がぐっと上がります。最初は難しく感じるかもしれませんが、ぜひ、実際の会話の中で少しずつ使ってみてくださいね。

英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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