「英語の勉強をやり直したいけど、細かい文法でつまずいてしまう…」と感じていませんか?特に、no
のような基本的な単語の使い方は、意外と奥が深いものです。
No problem.
のように単数形が続くこともあれば、no friends
のように複数形が続くこともあり、「一体どっちが正しいの?」と混乱してしまいますよね。
この記事では、そんな no
の使い方を基礎から徹底的に解説します。
まずはこちらのYouTube動画で基本をサクッと確認し、その後この記事でさらに深く学んでいきましょう。動画と合わせて読むことで、理解が何倍にも深まりますよ。
「no」の基本的な意味は「ゼロ」
まず大前提として、no
は名詞の前に置くことで「ゼロ(0)である」ことを示す言葉です。何か「ない」ことをはっきりと伝えたいときに使います。
この「ない」という状態を表現するために、no
は主に3つの形で使われます。一つずつ見ていきましょう。
パターン1:no + 複数形の名詞(基本の形)
最も一般的で、基本となるのがこの形です。数えられる名詞の複数形と一緒に使い、「(その種類のものが)一つも・一人もいない」という一般的な事実を伝えます。
もし単数形か複数形かで迷ったら、まずこの複数形を使う形を思い出してください。多くの場合、これで自然な英語になります。
例文:
- I have no books about history.(歴史についての本は一冊も持っていません。)
- There are no cars on the street today.(今日、通りには車が一台もありません。)
- She has no friends in this new city.(彼女にはこの新しい町に友達が一人もいません。)
パターン2:no + 数えられない名詞
水(water)や時間(time)、お金(money)のように、数えられない名詞(不可算名詞)が「ない」ことを示すときにも no
を使います。
例文:
- There is no milk in the fridge.(冷蔵庫に牛乳がありません。)
- I have no time to talk right now.(今、話す時間がありません。)
- He has no money with him.(彼は今、お金の持ち合わせがありません。)
パターン3:no + 単数形の名詞(強調したいときの形)
さて、ここが少し難しいポイントです。数えられる名詞なのに、あえて単数形を no
の後に置くことがあります。これは、「ただの一つも〜ない!」と強く強調したいときに使われる特別な形です。
例文:
- No single student failed the exam.(ただの一人の生徒もその試験に落ちなかった。)
- There is no reason to be afraid.(恐れる理由は一つもありません。)
また、「その役割を担う人がいない」という場合にも、単数形が使われることがあります。
例文:
- The car had no driver.(その車には運転手がいなかった。)
- This town has no doctor.(この町には医者がいません。)
よく似た表現との違いを知ってスッキリ!
no
の使い方で混乱するもう一つの原因が、not a
や not any
といった似た表現の存在です。それぞれの違いをしっかり整理しましょう。
no vs. not a
単数形の名詞を否定するとき、どちらも使えますが、ニュアンスが異なります。
- He is not a hero.(彼は英雄ではありません。)→ 客観的な事実を述べている。
- He is no hero.(彼は英雄なんかでは断じてない。)→ 「英雄どころか、むしろその逆だ」というような、話し手の強い感情や評価が含まれる。
ポイントは、no
の方が not a
よりも強い否定の気持ちを表すということです。また、no
は a
や an
の代わりになるので、He is no a hero.
のように一緒に使うことはできません。
no vs. not any
この二つは「全くない」という意味ではほぼ同じですが、文の作り方が決定的に違います。
- no を使う場合:動詞は肯定形
- I have no money.
- not any を使う場合:動詞は否定形 (
don't
,isn't
など)- I do not have any money.
これはとても大切なルールなので、必ず覚えておきましょう。「no
を使うときは、動詞に not
をつけない」と覚えておくと簡単です。
初心者でも安心!4つの鉄則ルール
最後に、no
を使いこなすための簡単なルールをまとめました。迷ったときは、この4つを思い出してください。
- 迷ったら「no + 複数形」を選ぶ数えられる名詞で単数か複数か迷ったら、まずは複数形を選べば、大抵の場合は自然に聞こえます。
- no の後ろに a や an は付けないno と a/an は一緒に使えません。no a book は間違いです。
- no を使う文の動詞は肯定形にするI don’t have no money. のように否定を重ねる(二重否定)のは間違いです。I have no money. とシンプルに言いましょう。
- 決まり文句はそのまま覚える以下の表現は、理屈抜きでそのまま覚えてしまうのが一番です。日常会話で頻繁に使われます。
- No problem. (問題ないよ)
- No way! (ありえない!とんでもない!)
- I have no idea. (全然わからない)
まとめ
いかがでしたか? no
の使い分け、少しクリアになったでしょうか。
- 基本は
no + 複数形
- 数えられない名詞はそのまま
no
をつける no + 単数形
は「一つもない!」という強い強調no
を使う文では、動詞にnot
をつけない
最初は難しく感じるかもしれませんが、この記事で紹介したポイントと例文を繰り返し確認することで、だんだんと感覚が掴めてきます。自信を持って no
を使いこなし、あなたの英語表現をもっと豊かにしていってください。

英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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