こんにちは!
「どうも」って、本当に便利な言葉ですよね。お店に入るとき、何かをしてもらったとき、友達にばったり会ったとき…どんな場面でも使える魔法の一言です。
でも、この「どうも」を英語で言おうとすると、「あれ?ぴったりな一言が思いつかない…」なんて、もどかしい思いをしたことはありませんか?
実はそれ、当然なんです。日本語の「どうも」に100%一致する英単語は、存在しないのです。
この記事では、そんな「どうも」の英語表現について、徹底的に解説していきます。
「まずは要点をざっくり知りたい!」という方は、内容をまとめたYouTube動画をご覧ください。
「もっとたくさんの例文を見ながら、じっくり深く理解したい!」という方は、ぜひこのままブログを読み進めてくださいね。
この記事を読み終わる頃には、もう「どうも」の英語に迷わず、自信を持って気持ちを伝えられるようになっていますよ。
なぜ「どうも」は英語で一言にならないの?
「どうも」の翻訳がこれほど難しいのには、大きく2つの理由があります。
1. 「どうも」が持つたくさんの顔
まず、日本語の「どうも」は、一つで何役もこなす多機能な言葉だからです。
- 感謝:「(ありがとう)どうも」
- 挨拶:「(やあ)どうも」
- 謝罪:「(すみません)どうも」
- 相槌:「(うーん)どうも…」
- 強調:「どうも調子が悪い」
このように、私たちはその場の状況や相手との関係性から、無意識に「どうも」の意味を判断し合っています。
2. 「察する文化」と「伝える文化」の違い
そしてもう一つ、とても大きな理由が、日本と英語圏でのコミュニケーションスタイルの違いです。
- 日本(ハイコンテクスト文化): 言葉にしなくても「空気を読んで」お互いの気持ちを察し合うことを大切にします。 だからこそ、「どうも」のような曖昧な言葉が便利に機能するのです。
- 英語圏(ローコンテクスト文化): 「言葉ではっきりと具体的に伝える」ことが重視されます。 大切なことや自分の気持ちは、誤解がないようにきちんと言葉で表現するのが基本です。
この文化的な違いが、「どうも」の翻訳を難しくしている根本的な原因なんですね。
英語のコミュニケーションでは、「空気を読む」のではなく、「言葉で示す」こと。 それがとても大切なポイントになります。
まずはこれだけ!初心者のための「万能どうも」トップ3
「理由はわかったけど、じゃあなんて言えばいいの?」と思いますよね。ご安心ください!
日常で「どうも」と言いたくなる3つの代表的な場面で使える、シンプルでとても役立つ英語表現をご紹介します。 まずはここからマスターしましょう!
① 感謝の「どうも」はこれ! ➤ Thanks.
何かをしてもらった時、一番よく使うのが感謝の「どうも」ですよね。 これはシンプルに “Thanks.” で伝わります。
- 例文:
- お店でコーヒーを受け取って…”Oh, Thanks.”(あ、どうも。)
- 誰かがドアを開けて待っていてくれたら…”Thanks!”(どうも!)
- 友達が席を取っておいてくれたら…”Thanks. That’s kind of you.”(どうも。親切だね。)
【ステップアップ・ポイント】
“Thanks.” はとても便利ですが、響きはカジュアル。 もし、目上の方やビジネスの場面で丁寧に感謝を伝えたいときは、次のように使い分けてみましょう。
- もう少し感謝を伝えたいなら…”Thanks a lot.”(どうもありがとう。)
- より丁寧に伝えたいなら…”Thank you.”(ありがとうございます。)
- 心からの感謝を伝えたいなら…”I really appreciate it.”(本当に感謝しています。)
② 挨拶の「どうも」はこれ! ➤ Hi. / Hey.
道でばったり会った時やお店に入る時の「どうも」。これも非常によく使う場面ですね。これは “Hi.” や “Hey.” を使ってみましょう。
- 例文:
- 廊下で同僚に会ったら…”Hi, Lisa!”(どうも、リサ!)
- ご近所さんに会ったら…”Hi, Mrs. Smith.”(こんにちは、スミスさん。)
- 親しい友人を見つけたら…”Hey! Good to see you.”(やあ!会えてうれしいよ。)
- 相手に軽く呼びかけるとき…”Hey, can you help me with this?”(ねえ、これ手伝ってくれる?)
【ステップアップ・ポイント】
“Hi” と “Hey” はどちらもカジュアルな挨拶ですが、”Hey” の方がより親密でくだけたニュアンスです。 初めて会う人や、少しフォーマルな場では、”Hello.” を使うのが無難で丁寧な印象になります。
- 初対面の人や、少し丁寧な場面では…”Hello. My name is Keiko.”(こんにちは。ケイコです。)
- 朝の挨拶をカジュアルに…”Morning.”(おはよう。)”Good morning”を短縮した、親しみを込めた言い方です。
③ 軽い謝罪の「どうも」はこれ! ➤ Sorry.
人に軽くぶつかってしまった時など、「どうも、すみません」と言いたい場面。 これは “Sorry.” だけで十分に気持ちが伝わります。
- 例文:
- 人と肩がぶつかってしまったら…”Oh, sorry.”(おっと、すみません。)
- 待ち合わせに少しだけ遅れてしまったら…”Sorry I’m late.”(遅れてごめん。)
- 相手のものをうっかり落としてしまったら…”Oops, sorry about that.”(おっと、ごめんなさい。)
【ステップアップ・ポイント】
“Sorry.” はあくまで「軽い謝罪」の言葉です。 もし、大きなミスをしてしまったり、相手に迷惑をかけてしまったりして、きちんと謝罪したい場合は、気持ちを込めて次のように表現しましょう。
- 心から謝りたいときは…”I’m so sorry.”(本当にごめんなさい。)
- 自分の非を認めてカジュアルに謝るなら…(親しい間柄で)”My bad. I completely forgot.”(ごめん、ごめん。すっかり忘れてた。)
- 人混みを通り抜けるときなど、事前に断るときは…”Excuse me.”(すみません、通ります。)
<便利な裏ワザ>
相手の言ったことが聞き取れなかったとき、語尾を上げて「Sorry?」と言うと、「え、すみません。もう一度言ってもらえますか?」という意味になります。 これもとても便利な使い方ですよ!
【ブログ限定】表現の幅を広げる応用フレーズ
基本の3つを覚えたら、もう少し表現の幅を広げてみましょう。ブログ読者のあなただけに、もっと気持ちが伝わる応用フレーズをご紹介します。
感謝のバリエーションを増やそう
- イギリスでよく聞く「どうも」 ➤ Cheers.イギリスやオーストラリアのカジュアルな場面で「ありがとう」としてよく使われます。 パブで飲み物を受け取るときなど、フレンドリーな響きです。
- 例文:A: “Here’s your drink.” (はい、飲み物どうぞ。)B: “Cheers, mate.” (どうも、友よ。)
- 「本当に助かった!」という時の「どうも」 ➤ You’re a lifesaver.誰かが困難な状況から救ってくれた時の、強い感謝を表す表現です。
- 例文:A: “Don’t worry, I can cover your shift.” (心配しないで、あなたのシフト代わるよ。)B: “Really? You’re a lifesaver!” (本当?本当に助かるよ!)
「どうも…」という曖昧な相槌・返事
相手の話に「どうも…」とハッキリ返事したくない時、ありますよね。そんな時に使える、便利な相槌フレーズです。
- 「なるほど」と理解を示す ➤ I see.相手の言っていることを「理解しました」と伝える表現。 必ずしも同意しているわけではないのがポイントです。
- 例文:A: “So, that’s why I was late.” (そういうわけで、遅れてしまったんです。)B: “I see. Thanks for explaining.” (なるほど。説明してくれてありがとう。)
- 「まあ、それなら仕方ないね」と受け入れる ➤ Fair enough.100%賛成はできないけれど、相手の言い分に一理あると認めるニュアンスです。
- 例文:A: “I’m too tired to go out tonight.” (今夜は疲れすぎてて外出できないや。)B: “Fair enough. Let’s stay in.” (もっともだね。じゃあ家にいよう。)
「どうも〜らしい」という推測の表現
確信はないけれど「どうも~みたい」と言いたい時の表現です。
- 状況から判断して「~のようだ」 ➤ It seems like…観察したことから「どうも~らしい」と推測するときに使えます。
- 例文:A: “The cat hasn’t eaten all day.” (猫が一日中何も食べてないの。)B: “It seems like she’s not feeling well.” (どうも具合が悪いみたいだね。)
- 直感で「~な気がする」 ➤ I have a feeling…特に根拠はないけれど、直感的に「どうも~な気がする」という時にぴったりです。
- 例文:”I have a feeling that I left my umbrella on the train.”(どうも電車に傘を忘れてきた気がする。)
やってしまいがち!「どうも」の感覚が招くNG英語
最後に、日本人が「どうも」の感覚で英語を使って、うっかりやってしまいがちな注意点をお伝えします。
- NG例①:「どうもどうも」と繰り返してしまう親しみを込めて “Thanks, thanks.” や “Hi, hi.” と言ってしまうと、英語ではとても不自然に聞こえます。 感謝を強調したいなら “Thank you so much!”、挨拶なら笑顔で一度だけ “Hi!” と言うのが自然です。
- NG例②:相槌のつもりで “Yeah” と言って誤解される相手の話に「どうも…」と相槌を打つ感覚で “Yeah” と言うと、「はい、賛成です」という明確な同意と取られてしまうことがあります。 もし、はっきり賛成できない場合は、先ほど紹介した “I see.” (なるほど) や “Hmm, that’s interesting.” (ふむ、興味深いですね) などを使うと誤解を防げます。
まとめ
いかがでしたか?
日本語の「どうも」の便利さに頼るのではなく、英語ではその時々の気持ちを、
- 感謝なら ➤ Thanks.
- 挨拶なら ➤ Hi.
- 謝罪なら ➤ Sorry.
と、具体的な言葉にして伝えること。 この意識の切り替えが、あなたの英語をぐっとネイティブらしく、伝わるものに変えてくれます。
難しく考えすぎずに、まずは一番使いやすい “Thanks.” から、ぜひ実際の会話で使ってみてください。言葉で気持ちを伝える楽しさを、きっと実感できるはずですよ。

英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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