英会話学校の使い方
英会話学校が言うのもなんですが、英会話学校に通い続けるだけでは英語を話せるようになりません。
というのは、おそらく皆さんが通われている英会話学校の授業は英語で行われているでしょう。これは繰り返し言っていますが、初心者レベルでひたすらネイティブと英語で会話しても英語力はたいして上達しません。場馴れして度胸が付くだけです。理由は、留学のページで述べましたが、そもそも先生が何を言っているのか分からないし、かと言って英語で質問も出来ない、更には、知らない単語は聞き直しても分からないし、文法も英語で説明されても理解できないからです。
他校のネイティブの先生が言っていましたが、初級レベルが一番大変だそうです。何故なら何を説明しても理解してくれないからだそうです。まぁ、これはどのネイティブの先生も言ってますけどね。考えてみれば当たり前です。英語が全然わからない相手に英語で英語を教えるのですから。仮に皆さんが、日本語を全然わからない相手に日本語で日本語を教えるとしたらどうしますか?大変な授業になることが想像出来るのではないでしょうか。昔ある生徒さんが言っていました。他校でネイティブの先生の授業を取っていた時、その先生は、Really? と Wonderful! しか言わなかったそうです。まぁ、当然ですよね。普通の会話が成り立たないのですから。
ということで、明らかに先生と生徒がミスマッチしており、授業として成立していないのです。こうなると先生としては、「無難な時間の潰し方」をするしかないのです。つまり、「英会話の授業を楽しんだという感覚」をつくり上げるのです。でも週に1,2回、そんな授業を受けても英語を話せるようにはならないと思いませんか。
そもそも英会話の授業は、インプットの場ではなく、アウトプットの場です。今まで勉強した成果を見せる場なのです。野球で言えば、今まで筋トレやランニング、素振りに投球練習を繰り返し、練習試合でその成果をみようという場なのです。それにも関わらず、一切の基礎トレーニングを行わず、練習試合しかやらない選手がいたとしたら、当然伸びるワケがないと思いますよね。要はそういうことが英会話学校で起きているのです。
では何故、英語での授業が流行っているのかというと、生徒さんに受けがいいからです。その方が生徒さんが集まりやすいからです。つまり純粋に経営上の話なわけです。決して、英語学習上の理由ではないのです。まぁ、ネイティブと英語を話していたらすぐに英語を話せるようになると信じている方々もいますが、私たちはあまりに効率が悪すぎると思っています。なにもジョン万次郎のような苦労をする必要はないのです。ネイティブの授業を何年も受けていたとおっしゃる方も当校にやってきたりしますが、時々、中1で学ぶ簡単な単語や文法も分かっていない事が発覚して愕然とすることがあります。そういう方が来ると、「なぜ、この方が通っていた英会話学校は、そのような状態で何年も放置していたのだろう・・・」と思わずにはいられません。
もし皆さんが通っている英会話学校がそうだとしても、心配しないでください。正しい英会話学校の使い方をすればいいのです。つまり、家庭でインプットをして、授業でアウトプットするようにすれば良いのです。家で勉強したくないと言う方は、自分は英語力が上達しなくても構わないと言っているに等しいということを、ご理解ください。週に1回、外国人と楽しい時間が過ごせれば良い、という方も実際いますので、それはそれで良いと思います。本当は、英会話学校が家庭学習の重要性をきちんと説明して、指導すべきなのですが、それを強く言うと生徒さんが嫌になって最悪辞めてしまうので、なかなか言えないという弱みがあるのです。(ちなみに当校は遠慮無く言っていますけどね。私達の使命は生徒さんの英語力を生徒さん一人ひとりに合わせて効率よく上げることなので、その結果、売上が落ちても気にしないのです(笑)。 )
だから皆さん、家で英語の勉強をして下さい。そしてネイティブ相手に学んだ単語や表現を使ってみましょう。実際に使ってみると、記憶に残りやすくなります。それが英会話学校、特にネイティブ教師の使い方です。家で勉強もせず、英会話学校にも週1回行くだけでも大丈夫なのは、既に英語を話せる人が英語のカンを保持する時だけです。英語を話せない人が家で勉強もせず、週に1回、英会話学校に通うだけならば、何年たっても英語を話せるようになりませんよ。
英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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