原題は Frozen
Frozen は freeze(凍らせる)の過去分詞なので「凍らされた」という意味です。そのまま「フローズン」と邦題をつけても分かりにくいと思い、「アナと雪の女王」なんてタイトルが付いたのでしょうね。
そもそもこのお話、アンデルセンの「雪の女王」が原作だったのですから。「雪の女王」と全然違う話になっていますよね。(笑)
昔からディズニーでは「雪の女王」を何とか映画化しようと苦労してきたのですが、毎回出来が悪く、途中で中止になることが多かったらしいのです。元の話は暗いですからねぇ~。
そこで今回も挑戦してたのですが、当初の話ではアナが主人公で、エルサは悪い魔法使いの設定だったそうです。
ところが、エルサの歌う歌を作ってもらったところ、 Let it go という素晴らしい歌が出来上がってしまい、制作陣がみな感動し、エルサを悪者から主人公に格上げしてしまたのです。というわけで、ディズニー初の主人公が二人の話になってしまいました。
実はもう一つディズニーの掟破りがあります。主人公は20才未満でなければならないのですが、エルサは21歳なのです😅
というように、紆余曲折があって出来た作品です。そして出来た作品のタイトルが Frozen って非常に意味深ですよね。
凍ってしまった(Frozen)のは、国だけでなく、エルサの心もなのかな、と個人的には思ってしまいました。非常に上手いタイトルだなぁ、と感心しました。
アナと雪の女王は英語学習教材に最適!
さて、今までトトロやワンピースなどをお勧めしてきました。今でもそれらは英語学習に最適なのですが、問題が幾つかあります。
海外版DVDを購入しなければならないこと、また再生には海外用DVDプレーヤーが必要なことです。その点では敷居が高いのが難点でした。
ところがこの「アナと雪の女王」は、もちろん普通にレンタルショップで借りれて日本語版DVDプレーヤーで見れるのですが、英語が驚くほどやさしいのです。
中学高校レベルの英単語だけで90%以上を占める映画はあまりなく、私が調べた限り最高がトトロで、他のジブリ作品も90%前後なのです。
ところが驚くべきことにこの「アナと雪の女王」の英単語は、他のジブリ作品を抜いて、トトロに次いで英単語がやさしいのです。
近年の映画は世界中をマーケットにするために、より分かりやすいストーリーを志向しているようで、英語そのものも易しくなってきています。
特にディズニー作品は子供向けなので更に英語がやさしいのでしょう。この「アナと雪の女王」は典型的なのです。
例えば以下をみて下さい。
映画の一部がYoutubeに公式に載っていました。
(本当はもっと簡単なシーンが良いのですが公開されていないので仕方ありません。)
アナ達がエルサの氷の城にやってくる場面です。
クリストフ:So how exactly are you planning to stop this weather?
アナ:Oh, I am gonna talk to my sister.
クリストフ:That’s your plan?
My ice business is riding on you talking to your sister?
アナ:Yup.
クリストフ:So you’re not at all afraid of her?
ちなみに gonna は going to の短縮形ですし、ride on は「~に掛かっている」という意味、
yup は yes の口語形の一つです。
英文を見ると高校入試より少し難しいレベルでしょうか。
以下に和訳を書いてみます。
クリストフ:それで君はこの天気を具体的にどうやって止める計画なんだい?
アナ:あら、お姉さんに話してそうするわ。
クリストフ:それが君の計画かい?
僕の氷ビジネスは君がお姉さんに話すことに掛かっているのかい?
アナ:そう。
クリストフ:それで君はお姉さんを全く怖くないんだね?
仮に高校入試でこの文章が出題されたとしたら設問は、
1.アナはどうやって雪を消すつもりか答えなさい。
2.アナはお姉さんをどう思っているか答えなさい。
ぐらいになるでしょうか。その答えも皆さんだいたい想像つきますよね。
でも会話文を見ずに耳で聴くだけだと何を言ってるのか聞き取れないのではないでしょうか。
リスニング練習に向いている教材は、スクリプト(または字幕)を読めば理解できるのに、耳で聞くとイマイチ理解できないものです。そもそも読んでも理解できないものは、リスニング以前の問題なのでリスニング練習用に向いていません。自分が興味を持って何度も聞けるものなら更に良いです。
だから「アナと雪の女王」は大方の日本人のリスニング練習に向いているのです。
では勉強の仕方です。
まず、英語音声&日本語字幕で一度は通して見て話を理解します。
(もちろん数回見ても構いませんし、日本語音声版を事前に別途見ても構いません)
次は英語音声&英語字幕で見ます。
もちろん聞き取れないので字幕を読んじゃって下さい。
大体意味が分かるのではないでしょうか。
これを繰り返すと、字幕を読まなくても意味が分かるようになってきます。
さてこの映画、日本語の吹き替えや字幕の出来も良いのですが、英語字幕を読むとさらにこの映画の良さがにじみ出てきます。
例えばこのシーンの直後に氷の城が出てくるのですが、以下のやりとりが出てきます。
クリストフ:I might cry.
アナ:Go ahead. I won’t judge.
クリストフが氷の城を見て感動で「泣くかもしれない」と言うと、アナが「どうぞ、私は judge(判断)しないわ」と言い放ちます。
しかし以前、狼に追われるシーンで、クリストフはアナに向かって「出会ったばかりの男性と当日に結婚を決める」アナのジャッジ(判断力)を信用しないと言っています。
その事に対するアナの皮肉がこの judge という単語に表れているのです。
「アナと雪の女王」がまた見たくなりませんか?
この記事を読んで分かったように、「アナと雪の女王」は英語学習の教材として非常に優れています。中学・高校レベルの英単語だけで90%以上が占められており、これは一般的な映画(通常は80%前半)と比べて圧倒的にやさしい。子供向けのアニメ映画は、世界中の視聴者を想定しているため、英語がシンプルに作られているのです。
ただし、英単語がやさしいからといって簡単に聞き取れるわけではありません。しゃべりのスピードは速いため、英検2級レベルの基礎力がないと厳しい。そして「英語音声+日本語字幕」ではほとんど勉強にならない、というのも重要なポイントです。カギは英語字幕を使うこと。そして同じ映画を繰り返し観ること。新しい映画を次々に観るのは、英語学習としては逆効果になることもあるのです。
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英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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