【英語やり直し】「まだ」は英語でどっち? still vs. yet の正しい使い分けを徹底解説

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英語を学び直していると、日本語では「まだ」というたった一言で済む表現が、英語では状況によって細かく使い分けられていることに戸惑うことはありませんか?その代表格であり、多くの学習者がつまずきやすいのが still と yet の使い分けです。

「どっちを使っても、文脈で通じるでしょう?」と思うかもしれません。確かに通じることもありますが、実は選び方一つで、相手に伝わるニュアンスや、あなたの「感情」までもが大きく変わって伝わってしまうことがあります。

基本をサクッと理解したい方は、まず以下のYoutube動画をチェックしてみてください。

ここから先は、動画の内容をさらに深掘りし、ネイティブスピーカーの頭の中にある「イメージ」を共有しながら、日常会話ですぐに使える豊富な例文とともに徹底解説していきます。

1. 時間の流れる向きが違う? still vs. yet のイメージ

still と yet の最大の違いは、文法的なルールよりも「時間の流れをどう捉えているか」という視点の違いにあります。この根本的なイメージさえ掴んでしまえば、迷った時に直感的に正しい方を選べるようになります。

まずは、この2つの「絵」を想像してみてください。

  • still = 「継続」のイメージ過去から現在に向かって、矢印が途切れずにずっと伸び続けている状態です。「変わらないこと」に焦点が当たっています。
  • yet = 「未完了」のイメージ未来にあるはずのゴール(完了地点)を見据えて、そこに向かっているけれど「今の時点ではまだそこに達していない」という、空白の状態です。「これから起こる」という期待が含まれています。

それぞれ、具体的なシチュエーションで詳しく見ていきましょう。

2. still:過去から現在まで「ずっと続いている」

still のキーワードは「継続」と「不変」です。

「以前もそうだったし、今も変わらずそうである」という、状態が変化していないことを強調します。驚きや、「まだやってるの?」という少し呆れたニュアンスが含まれることもあります。

肯定文(普通の文)で使われることが多く、「(相変わらず)まだ~している」と訳すと、そのニュアンスがよく掴めます。

日常で使える still の例文と解説

  • It is still raining.(まだ雨が降っています。)
    • 解説:朝も降っていたし、今も降り止んでいない。傘が必要な状態が続いていることを伝えます。
  • My husband is still working.(夫はまだ働いています。)
    • 解説:仕事が終わるはずの時間かもしれないのに、まだ続いている。「遅くまで大変だな」あるいは「いつ終わるの?」という気持ちが透けて見えることもあります。
  • Do you still live in Tokyo?(まだ東京に住んでいますか?)
    • 解説:引っ越したかもしれないけれど、変わらず住み続けているかの確認。「相変わらず東京?」という親しみを込めた確認にも使えます。
  • I still love this song.(今でもこの曲が大好きです。)
    • 解説:昔好きだった曲を聴いて、「あの頃と変わらず、今も好きだ」という気持ちの継続を表す、ポジティブな表現です。
  • I am still hungry.(まだお腹が空いています。)
    • 解説:さっき食べたのに、空腹の状態が続いていること強調します。

3. yet:これから起こるはずのことが「まだ起きていない」

yet のキーワードは「未完了」や「期待・前提」です。

ここが非常に重要なポイントですが、yet を使う時、話し手の頭の中には「それは起こるはずだ(あるいは起こるべきだ)」という前提があります。

「(いずれそうなるはずだけど)今の時点ではまだ」という、未来への視線が含まれているのです。

主に「否定文」と「疑問文」で使われ、文の最後に置くのが基本ルールです。

日常で使える yet の例文と解説

  • The train hasn’t arrived yet.(電車はまだ到着していません。)
    • 解説:電車はいずれ来るはず(時刻表などがある)ですが、現時点ではホームにいない状態です。
  • I haven’t eaten lunch yet.(まだお昼ご飯を食べていません。)
    • 解説:お昼は食べるつもりだし、これから食べる予定だけれど、今はまだ済んでいない。「これから食べるよ」というニュアンスが含まれます。
  • Have you decided the menu yet?(もうメニューは決めましたか?)
    • 解説:レストランなどでよく使われます。「決めるはず」のことが完了したかどうかの確認です。※疑問文の yet は「まだ」ではなく「もう」と訳すと自然ですが、根本にあるのは「完了した?」という確認です。
  • She hasn’t replied to my email yet.(彼女はまだメールの返信をくれていません。)
    • 解説:返信が来ることを期待して待っている状態です。
  • Are we there yet?(まだ着かないの?)
    • 解説:ドライブ中に子供がよく言う定番フレーズです。「目的地に着くはず」という期待と、「まだなの?」という待ちきれない気持ちが表れています。

4. 要注意!否定文での still vs. yet のニュアンスの違い

ここが今回の最大のポイントであり、大人の英語学習者がぜひ使いこなしたいテクニックです。

通常、「まだ~ない」という否定文では yet を使いますが、実は still も否定文で使うことができます。しかし、そこには話し手の強い「感情」が乗っかってくるのです。

冷静な事実の yet (not … yet)

文末に置く通常の形です。

  • I haven’t finished my homework yet.(まだ宿題が終わっていません。)
    • 解説:単に「終わっていない」という事実を淡々と伝えています。報告や連絡に適した、中立的な表現です。

感情がこもる still (still … not)

否定語(not/haven’t)の前に置きます。これが重要です。

  • I still haven’t finished my homework.(まだ宿題が終わってないのよ!)
    • 解説:「もう終わっていてもいい頃なのに」という、驚き、焦り、あるいは自分への不満が含まれます。「何時間やってると思ってるの!」というニュアンスです。

シチュエーション別比較:ネットショッピング編

例えば、注文した商品がなかなか届かない時、問い合わせでどちらを使うべきでしょうか?

  1. My package hasn’t arrived yet.(荷物がまだ届いていません。)→ 【推奨】 カスタマーサポートに状況を伝えるような、冷静な響きです。「確認してください」というニュアンスになります。
  2. My package still hasn’t arrived.(荷物がまだ届かないんです!)→ 【注意】 「遅すぎる!」「どうなっているの?」というイライラや不安が伝わります。クレームを入れる時や、友人に愚痴をこぼす時にはこちらがぴったりです。

ビジネスや人間関係での注意点

目上の人への連絡やビジネスメールで「まだ連絡をもらっていませんが…」と伝える時は、相手を責めているように聞こえないよう注意が必要です。

  • 〇 無難な表現:I haven’t received the document yet.(書類をまだ受け取っておりません。)→ 事実の確認として響きます。
  • △ 感情的な表現:I still haven’t received the document.(書類がまだ届かないのですが。)→ 「いつまで待たせるんですか?」という非難のニュアンスが含まれる可能性があるため、使う相手と状況を選びましょう。

5. 「もう~ない」と言いたい時は? not anymore vs. no longer

「まだ」の反対、「以前はそうだったけれど、今はもう違う」と言いたい時もありますよね。これも still の対義語として覚えておくと便利です。以下の2つの表現を使い分けましょう。

カジュアルな not … anymore

日常会話で一番よく使われる表現です。文末に置きます。

  • I don’t eat snacks anymore.(もうおやつは食べません。)
    • 解説:以前は食べていたけれど、ダイエットなどで習慣が変わったことを表します。
  • We don’t talk anymore.(私たちはもう口をきいていません。)
    • 解説:かつては仲良く話していた関係が終わってしまったことを示唆します。

フォーマルな no longer

少し硬い、書き言葉的な響きがあります。動詞の前に置きます。「もはや~ない」という断定的な強さがあります。

  • He no longer lives here.(彼はもはやここには住んでいません。)
    • 解説:役所の手続きや公式な説明で使われるような響きです。
  • This ticket is no longer valid.(このチケットはもはや有効ではありません。)
    • 解説:期限切れの案内や、サービスの終了のお知らせなどでよく見かける表現です。

まとめ

最後に、今回のポイントを整理しましょう。

  • still
    • 意味:過去からずっと続いている(継続)
    • 使い方:主に肯定文。「相変わらず~だ」
    • イメージ:途切れない矢印
  • yet
    • 意味:起こるはずのことが起きていない(未完了)
    • 使い方:否定文・疑問文の文末。「(予想に反して)まだ~ない」「もう~した?」
    • イメージ:埋まっていない空白
  • 否定文での still (still … not)
    • 意味:感情(驚き・不満・焦り)がこもる。「まだ~してないの(遅い)!」
    • 位置:not の前に置くことに注意!
  • not … anymore
    • 意味:以前とは違う(変化・終了)
    • 使い方:文末。「もう~しない」(カジュアル)

英語は単語の選び方一つ、置く場所一つで、時間の感覚や話し手の気持ちまで繊細に伝えることができる言語です。最初は難しく感じるかもしれませんが、「これは『継続』かな?」「『未完了』かな?」と意識するだけで、世界が少し違って見えてくるはずです。

ぜひ動画も繰り返し見て、耳からも感覚を掴んでくださいね。焦らず、少しずつ使いこなせるようになりましょう!

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