こんにちは!
「やっぱり!」この一言、日本語では本当に便利ですよね。嬉しい時、残念な時、考えが変わった時など、あらゆる場面で自分の気持ちを表現できます。
でも、この「やっぱり」を英語で言おうとすると、「え、なんて言えばいいの?」と固まってしまうことはありませんか?
実は、英語には日本語の「やっぱり」のように、どんな状況でも使える便利な一言が存在しません。その代わりに、その時々の状況や気持ちに合わせて、たくさんの表現を使い分ける必要があるんです。
まずは、こちらのYouTube動画で基本をサクッと掴んでみてください。
動画で大まかな感覚を掴めたら、このブログでさらに深く学んでいきましょう。
この記事では、動画の内容をさらに詳しく、たくさんの例文や関連表現を交えながら解説していきます。一つ一つの表現が持つ微妙なニュアンスをしっかり理解して、あなたの気持ちにぴったりの「やっぱり」を英語で言えるようになりましょう!
Case 1: 「やっぱり思った通り!」予想が当たった時の表現
何かを予測していて、その通りになった時の「やっぱり!」。この気持ちを表す表現は、確信の度合いによって使い分けるのがポイントです。ポジティブな感情だけでなく、時には「そら見たことか」という皮肉なニュアンスで使われることもあります。
I knew it. (やっぱりね!わかってたよ!)
これは、かなり強い確信があった時の「やっぱり!」です。「絶対にこうなると思っていた!」という強い気持ちや、「ほらね!言った通りでしょ?」と少し得意な気持ち、嬉しい驚きなどが混じったニュアンスで使われます。
- 友人から婚約の報告をされて A: “We’re engaged!”(私たち、婚約したの!)B: “I knew it! You two are great together.”(やっぱりね!あなたたち二人はすごくお似合いだと思ってたんだよ。)
- 応援しているチームが試合に勝った時 ”Yes! I knew this team would win!”(やった!このチームが勝つってわかってたよ!)
- 隠していたサプライズに相手が気づいた時 A: “Are you planning a surprise party for me?”(もしかして、サプライズパーティー計画してる?)B: “Oh no, how did you know? … Well, yes. I knew you’d figure it out!”(え、なんでわかったの?…まあ、そうだよ。やっぱり君は気づくと思ってたよ!)
ただ、前述の通り、言い方によっては「だから言ったでしょ?」と少し上から目線に聞こえてしまう可能性もあるので、使う場面や相手、声のトーンには少し気をつけましょう。
I thought so. (やっぱりそうか。)
こちらは「I knew it.」よりもずっと穏やかな表現です。「100%の確信があった」というよりは、「そんな気はしてた」「多分そうだろうなと思っていた」というくらいの、落ち着いたニュアンスです。感情的な高ぶりはあまりなく、静かに事実を受け止める感じです。
- 空が曇ってきたのを見て、雨が降り出した時に ”Ah, I thought so. It’s starting to rain.”(ああ、やっぱり。雨が降ってきた。)
- 同僚が疲れた顔をしている時に A: “You look tired. Are you okay?”(疲れてるみたいだけど、大丈夫?)B: “I didn’t sleep well last night.”(昨夜あまり眠れなくて。)A: “I thought so. You should take a break.”(やっぱりそうなんだね。少し休んだ方がいいよ。)
- 探していたものが見慣れない場所から出てきた時に ”I thought so! I left my keys in the fridge.”(やっぱり!鍵を冷蔵庫に忘れてたんだ。)
使い分けのポイント: I knew it. vs. I thought so.
- I knew it. → 強い確信があった時。感情が乗ることが多い(喜び、驚き、得意な気持ちなど)。
- I thought so. → 確信度は低め。「そんな気はしてた」という冷静な納得。
Case 2: 「やっぱり…」心配事が現実になった時の表現
良いことだけでなく、悪い予感が当たってしまった時の、あの嫌な感じの「やっぱり…」。そんな少し残念な、あるいはがっかりした状況で使えるフレーズを見ていきましょう。
I was afraid of that. (やっぱりそうだ…心配してたんだ。)
「そうじゃないといいな、と思っていたことが現実に起きてしまった」というニュアンスです。直訳すると「それを恐れていた」となりますが、実際に恐怖を感じているわけではなく、「嫌な予感がしていた」というニュアンスで使われます。
- 行きたかったレストランが閉まっていた時に ”Oh no, it’s closed… I was afraid of that. I should have checked online.”(ああ、閉まってる…やっぱり、そんな気はしてたんだ。ネットで確認してくればよかった。)
- 電車の遅延情報を確認して A: “Is the train delayed?”(電車、遅れてる?)B: “Yes, by 30 minutes.”(うん、30分遅れだって。)A: “I was afraid of that. I’ll be late for the meeting.”(やっぱりか…。会議に遅れちゃうな。)
関連表現: I saw this coming. / I had a feeling this would happen.
もう少し違ったニュアンスを加えたい時は、こんな表現も使えます。
- I saw this coming. (こうなることはお見通しだったよ。)「I was afraid of that.」よりも客観的で、「こうなることは予測できていた」というニュアンスが強い表現です。”Our project was delayed again. I saw this coming because we didn’t have enough staff.”(プロジェクトがまた遅延したよ。スタッフが足りなかったから、こうなることはわかってたけどね。)
- I had a feeling this would happen. (こうなる気はしてたんだよね。)「そんな予感はしてたんだ」という、より直感的な表現です。”He cancelled our date at the last minute. I had a feeling this would happen.”(彼にデートをドタキャンされちゃった。こうなる気はしてたんだけどね。)
Case 3: 「あ、やっぱり…」心変わりした時の表現
一度決めたことや言ったことを変更する時の「あ、やっぱりこっちにする!」。カフェでの注文や友人との予定など、日常会話で頻繁に登場する場面です。とっさの心変わりか、少し考えてからの心変わりかで表現を使い分けられます。
Actually… (あ、やっぱり…)
その場で、とっさに考えが変わった時にとても便利なのが「Actually…」です。「さっき言ったこととは実は…」と、会話の流れを止めずにスムーズに自分の意思を変えることができます。
- カフェで注文する時に ”I’ll have a coffee… actually, can I have tea instead?”(コーヒーをお願いします…あ、やっぱり代わりに紅茶をいただけますか?)
- 友人との会話で ”Let’s go out for dinner tonight. Actually, I’m a bit tired. How about we order pizza?”(今夜は外食しようか。あ、やっぱりちょっと疲れてるかも。ピザを注文するのはどう?)
On second thought… (やっぱり、考え直したんだけど…)
「Actually」がその場のとっさの心変わりなのに対し、「On second thought」は「もう一度考えてみた結果…」というニュアンスが含まれます。一呼吸おいて、考えを改めた感じが出ます。文頭につけるのが一般的です。
- 週末の予定を決めている時に ”Let’s go to the park this weekend. On second thought, the weather forecast says it’ll rain. Let’s watch a movie at home instead.”(今週末は公園に行こうか。でもやっぱり考え直したんだけど、天気予報が雨なんだ。代わりに家で映画を観ようよ。)
- 買い物中に ”I think I’ll buy this red bag. …On second thought, the black one is more useful for work.”(この赤いバッグを買おうかな。…やっぱり、黒い方が仕事にもっと使えそうね。)
使い分けのポイント: Actually vs. On second thought
- Actually → とっさの心変わり。その場でパッと考えが変わった感じ。話の途中で挟むことも多い。
- On second thought → 少し考えてからの心変わり。「やっぱり考え直したけど」という丁寧さも出せる。文頭で使うことが多い。
Case 4: 「やっぱり~すればよかった」過去を後悔する時の表現
最後は、過去の行動について「あの時、やっぱりこうしておけば…」と後悔する気持ちを表す表現です。これは英語学習者が必ずマスターしたい重要な文法ポイントでもあります。
I should have + 過去分詞 (やっぱり~すべきだった)
これは後悔を表すための、まさに「王道」の表現です。「~すべきだった(のに、実際はしなかった)」という気持ちをストレートに伝えることができます。会話では “should have” を短縮して “should’ve”(シュダヴのように聞こえます)と言うことが非常に多いので、音にも慣れておきましょう。
- 傘を持たずに家を出て、雨に降られてしまった時に ”Ah, I should have brought an umbrella.”(あぁ、やっぱり傘を持ってくればよかった。)
- テストの結果が悪かった時に ”I should have studied harder. I spent too much time playing games.”(やっぱりもっと一生懸命勉強すればよかったな。ゲームに時間を使いすぎたよ。)
- 値上がりする前に買わなかったことを悔やんで ”This bag is so expensive now. I should have bought it last year when it was on sale.”(このバッグ、今すごく高い。やっぱり去年セールだった時に買っておけばよかった。)
否定形: I shouldn’t have + 過去分詞 (やっぱり~しなければよかった)
セットで覚えたいのが否定形です。「~すべきではなかった(のに、してしまった)」という後悔を表します。こちらも “shouldn’t have” を “shouldn’t’ve”(シュドゥントゥヴのように聞こえます)と短縮することが多いです。
- 食べ過ぎてしまった時に ”I feel so full. I shouldn’t have eaten that second piece of cake.”(お腹いっぱいすぎる。やっぱりケーキの2個目を食べなければよかった。)
- つい余計なことを言ってしまった時に ”I shouldn’t have said that to her. I hope she’s not angry.”(彼女にあんなこと言うんじゃなかったな。怒ってないといいけど。)
まとめ
日本語の「やっぱり」という便利な一言が、英語ではこんなにたくさんの表現に分かれるのは、言語の面白さですよね。最後に、状況別のおさらいです。
- 予想通り!
- I knew it. (強い確信)
- I thought so. (穏やかな納得)
- 悪い予感が的中…
- I was afraid of that. (心配事が現実に)
- I saw this coming. (予測できていた)
- 考えが変わった!
- Actually… (とっさに)
- On second thought… (考え直して)
- あの時こうすれば…
- I should have… (~すればよかった)
- I shouldn’t have… (~しなければよかった)
最初は「どれを使えばいいの?」と迷うかもしれませんが、それぞれのフレーズが持つ気持ちのニュアンスを意識しながら、まずは簡単な例文を口ずさんでみてください。そうするうちに、だんだんと自然に、自分の気持ちに合ったフレーズが選べるようになります。
ぜひ、今回学んだ表現を実際の会話で試してみて、あなたの「やっぱり!」という気持ちを、より豊かに、そして正確に伝えてみてくださいね。

英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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