「今度、お食事でもいかがですか?」
英語で人を誘いたい時、こんな風にスマートに言えたら素敵ですよね。でも、いざとなると「相手や場面に合わせた言い方が分からない」「いつもワンパターンな表現になってしまう」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
英語でのコミュニケーションは、単語や文法を知っているだけでは不十分です。特に、人を誘ったり、誘いに応じたりする場面では、相手への配慮が伝わる「生きた表現」を知っているかどうかが、人間関係をスムーズにする鍵となります。
この記事では、英語でのお誘いに関するそんなお悩みを、豊富な例文と共に解決します!
まずは、基本を5分でサクッと解説したこちらのYouTube動画をご覧ください。
動画で基本のフレーズを掴んだら、この記事でさらに詳しい使い方や、一歩進んだ表現を学んでいきましょう。カジュアルな場面からビジネスシーンまで、もう誘い方で迷うことはありません。
英語で「誘う」ときの基本フレーズ4選
ひとくちに「誘う」と言っても、相手との関係性や状況によって使うべき表現は変わってきます。ここでは、核となる4つの基本フレーズを、それぞれのニュアンスや使い方のコツと共に、詳しく見ていきましょう。
1. Do you want to…? (~したい?)
親しい友人や家族など、気心の知れた相手を気軽に誘うときに最もよく使われるのがこの表現です。「~しない?」とストレートに気持ちを尋ねる、カジュアルで親しみやすいフレーズです。
- Do you want to grab a coffee sometime?今度、コーヒーでもどう?(grab は「つかむ」ですが、ここでは「軽く飲み(食べ)に行く」という気軽なニュアンスで使われます。)
- Do you want to go shopping this weekend?今週末、買い物に行かない?
- Do you want to watch a movie at my place tonight?今夜、うちで映画観ない?
親しい間柄の会話では、Do you want to
を Wanna
に短縮して、Wanna grab a coffee?
のように言うことも非常によくあります。ただし、これはかなりくだけた話し言葉なので、メールなどの書き言葉や、目上の方に使うのは避けましょう。
2. Would you like to…? (~はいかがですか?)
相手を選ばずに使える、最も丁寧で便利な万能フレーズがこちらです。職場の同僚や上司、まだそれほど親しくない人、お客様など、丁寧な言葉遣いが求められる場面で大活躍します。
Do you want to...?
が相手の欲求(want)を直接的に尋ねるのに対し、Would you like to...?
は相手の意向を伺うニュアンスがあり、より配慮が感じられる丁寧な響きになります。will
の過去形である would
を使うことで、断定を避ける「仮定」のニュアンスが生まれ、相手に「もしよろしければ」という選択の余地を与えることができます。
- Would you like to join us for lunch?私たちとランチでもいかがですか?
- Would you like to have dinner with me next Friday?来週の金曜日に一緒に夕食はいかがでしょうか?
- We are having a small party on Saturday. Would you like to come?土曜日にささやかなパーティーを開きます。お越しになりませんか?
どちらを使えば良いか迷ったら、Would you like to...?
を使っておけば間違いありません。丁寧すぎて失礼になることはまずないので、ビジネスメールなどでも安心して使うことができます。
Do you want to…? vs. Would you like to…?
- Do you want to…?:カジュアル。友人や家族など親しい間柄で使う。「~しない?」という直接的な提案。
- Would you like to…?:丁寧。相手を選ばず使える万能表現。ビジネスや目上の人にもOK。「~はいかがですか?」と相手の意向を伺う。
3. How about…? (~はどう?)
「こんなのはどうかな?」と、何かを提案する形で誘いたいときに便利なのが How about...?
です。相手の意向を伺いつつ、アイデアを提示するようなニュアンスで使えます。いくつか選択肢がある場合や、相手の反応を見ながら計画を立てたいときに特に役立ちます。
How about
の後には、動詞のING形(~すること)か、名詞を続けます。
- How about trying that new Italian place?あの新しいイタリアンのお店に行ってみるのはどう? (動詞のING形)
- How about going for a drive on Sunday?日曜日にドライブに行くのはどうかな? (動詞のING形)
- How about a drink after work?仕事の後に一杯どう? (名詞)
似た表現に What about...?
がありますが、How about...?
が新しい提案をするのに対し、What about...?
は何か問題点や別の可能性を指摘する際に使われることが多いです。とはいえ、日常会話では同じように使われることもよくあります。
4. Let’s… (~しようよ)
「一緒に~しよう!」と、積極的に相手を誘いたいときにぴったりの表現です。相手の同意がある程度得られるだろうという見込みがある場合や、その場の会話の流れで「じゃあ、こうしよう!」と決めるときによく使われます。Let's
は Let us
の短縮形で、話し手も聞き手も一緒に行動することを前提としています。
- Let’s go see a movie this weekend.今週末、映画を観に行こうよ。
- It’s a beautiful day. Let’s go for a walk in the park.いい天気だね。公園に散歩に行こう。
- Let’s have a party at the end of the year.年末にパーティーをしようよ。
逆に、「~するのはやめよう」と提案したいときは、Let's not...
が使えます。
- It’s getting late. Let’s not talk about it anymore.もう遅いから、その話はもうやめにしよう。
誘われたときの「返事」の仕方
誘う表現だけでなく、誘われたときの返事の仕方もコミュニケーションでは非常に重要です。ここでは、承諾する場合と断る場合に分けて、感じのよい返事の仕方を学びましょう。
承諾する(OKする)場合
誘いを受けて嬉しいという気持ちを積極的に表現するのがポイントです。単に Yes.
と答えるだけでなく、ポジティブな一言を添えることで、相手に喜びが伝わり、その後の関係もよりスムーズになります。
- Sounds great! / Sounds fun!いいね!/楽しそう!(sound(s) + 形容詞 で「~そうに聞こえる」という意味。誘いに対する返事の定番中の定番です。「いいね!いつにする?」Sounds great! When? のように、すぐに次の質問につなげやすいのも特徴です。)
- I’d love to.ぜひ!/喜んで。(I would love to の略。Yes. よりも「ぜひ行きたい!」という前向きで熱心な気持ちが伝わる、丁寧で感じのよい表現です。I’d love to. Thank you for inviting me. のように感謝を続けると、さらに丁寧になります。)
- That would be lovely. / That would be nice.それは素敵ですね。(より丁寧で、少しフォーマルな響きのある表現です。目上の方からの誘いなどにも安心して使えます。)
- Count me in!私も混ぜて!/参加します!(グループでの活動などに誘われたときに使える、少しカジュアルで積極的な表現です。「私もそのメンバーに入れて!」というニュアンスです。)
丁寧に断る場合
断るときは、誰でも少し気まずい気持ちになるものです。大切なのは、相手の気持ちを傷つけないように、言葉選びに最大限配慮すること。以下のステップを意識すると、角が立たないスマートな断り方ができます。
- 感謝を伝える: まず、誘ってくれたことへの感謝をはっきりと示します。
- 断る意思と残念な気持ちを伝える: クッション言葉を使い、行けないことを柔らかく伝えます。
- 簡単な理由を添える (任意): 差し支えなければ、簡単な理由を伝えます。詳細を話す必要はありません。
- 次につなげる言葉を添える (任意): 関係を維持したい相手には、次があることを示唆し、前向きな姿勢を見せます。
断るときの便利フレーズ
- Thanks for asking, but I’m afraid I can’t.誘ってくれてありがとう、でも残念ながら行けないんだ。(I’m afraid は「残念ながら~です」という意味で、断るときのクッション言葉として非常によく使われます。これを一言入れるだけで、直接的な響きを和らげることができます。)
- That’s very kind of you, but I have other plans.ご親切にどうも、でも別の予定があるんです。(Thanks for asking よりも少し丁寧な感謝の表現です。)
- I’d love to, but I already have a commitment.ぜひ行きたいのだけど、すでに先約があって。(I’d love to, but… も「そうしたいのは山々だけど、でも…」という、残念な気持ちを伝えられる便利な断り文句です。commitment は「約束、責務」という意味で、plans よりも少し固い、動かせない予定というニュアンスが出ます。)
- I’m sorry, I don’t think I can make it.ごめんなさい、行けそうにありません。(make it は「間に合う、都合がつく、参加できる」という意味の便利な口語表現です。)
- Maybe next time?また次の機会にどうかな?(断った後にこう付け加えることで、「あなたとの付き合いを断っているわけではない」という意思表示ができ、今後の関係をスムーズに保つ助けになります。)
断る際は、言葉だけでなく、申し訳なさそうな表情や声のトーンも大切です。優しい口調を心がけるだけで、相手に与える印象は大きく変わります。
まとめ
今回は、英語でのお誘いと、それに対する返事の仕方を、基本から応用まで詳しく見てきました。
- 誘うとき: 相手との関係性に合わせて
Do you want to...?
やWould you like to...?
などを使い分ける。迷ったら万能なWould you like to...?
を使うのが安心。 - OKするとき:
Sounds great!
やI'd love to.
で、ただのYes
ではなく嬉しい気持ちを積極的に表現する。 - 断るとき: 「感謝 → クッション言葉 → 理由」のステップで、相手への配慮を忘れずに丁寧に伝える。
たくさんのフレーズをご紹介しましたが、まずは「これなら使えそう!」と思うものを一つか二つ選んで、実際の会話で試してみてください。完璧でなくても大丈夫です。大切なのは、恐れずに使ってみること。
言葉は、使っていく中で自然と血肉となり、あなたのコミュニケーションをより豊かにしてくれます。この記事が、あなたが英語で素敵な人間関係を築くための一助となれば幸いです。

英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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