「英語で謝りたいけど、いつもSorryしか思いつかない…」
「日本語の『すみません』みたいに、色々な場面で使える便利な言葉はないの?」
英語の学び直しを始めたばかりの時、こんな風に感じたことはありませんか?
実は、英語の謝罪は「Sorry」だけではありません。状況や相手、そして伝えたい気持ちの深さによって、たくさんの表現を使い分ける必要があります。
まずは基本を短時間で理解したい!という方は、こちらのYouTube動画をご覧ください。
(ここにYouTube動画へのリンクを挿入)
このブログ記事では、動画の内容をさらに一歩進めて、より多くの例文や詳しい解説を交えながら、あなたの「ごめんなさい」がきちんと相手の心に届くための方法を徹底的にご紹介します。
謝罪のレベルを見極める:カジュアルから深刻な場面まで
英語の謝罪は、まずその場の「深刻度」を見極めることから始まります。大きく分けて3つのレベルがあり、それぞれ使うべき言葉が異なります。
レベル1:日常のささいな謝罪 (カジュアル)
人に軽くぶつかった、くしゃみをしてしまった、友だちとの会話で言い間違えたなど、ごく軽い場面で使うカジュアルな謝罪です。目的は、その場のちょっとした気まずさをサッと解消することです。
- Oops, sorry!おっと、ごめんなさい!(ぶつかった時など、アクシデントが起きたことを示すのに便利です)
- Sorry about that.ごめんね。(少しだけ丁寧な響きになります)
- My bad.ごめん、私のミス。(とてもカジュアルな表現で、友人同士でよく使われます)
- My mistake.私の間違いです。(“My bad”よりは少しだけフォーマルな響きです)
レベル2:丁寧さが求められる謝罪 (フォーマル)
ビジネスシーンや公の場で、丁寧さが必要な時の謝罪です。会議への遅刻、仕事上のミス、お店のスタッフとしてお客様に対応する時などがこれにあたります。
- I apologize.申し訳ございません。(「謝罪します」という丁寧な基本形です)
- Please accept my apologies.どうかお詫びを受け入れてください。(さらに丁寧で、よりフォーマルな表現です)
- I’m sorry for the inconvenience.ご不便をおかけして申し訳ありません。(特にビジネスでお客様に対してよく使われるフレーズです)
- We apologize for the delay.遅延につきまして、お詫び申し上げます。(会社や組織として謝罪する場合、主語を “I” (私)ではなく “We” (私たち)にします)
レベル3:心からの深い謝罪 (深刻)
相手の気持ちを深く傷つけてしまった、信頼を裏切った、重大な問題を引き起こしたなど、心から真摯に謝る必要がある場面です。このレベルでは、ただ謝るだけでなく、後悔の深さを伝えることが重要になります。
- I’m truly sorry.本当に申し訳なく思っています。(“truly” (本当に) を加えることで、気持ちの深さが伝わります)
- I sincerely apologize.心からお詫び申し上げます。(“sincerely” (心から) を使うと、非常にフォーマルで誠実な響きになります)
- I’m so/very/terribly sorry.本当に/とても/ひどく申し訳ない。(so, very, terribly といった副詞で後悔の強さを表現できます)
- There is no excuse for my behavior.私の行いには弁解の余地もありません。(自分の非を全面的に認める、非常に真摯な表現です)
気持ちが伝わる謝罪の3ステップ
特にレベル2やレベル3の、丁寧さや誠実さが求められる謝罪では、ただ「ごめんなさい」と伝えるだけでは不十分です。英語圏のコミュニケーションでは、謝罪は関係を修復するための「プロセス」と捉えられています。以下の3つのステップを踏むことで、あなたの反省の気持ちがきちんと伝わり、相手との信頼関係を守ることにつながります。
1. 後悔の気持ちをはっきりと伝える (Expressing Regret)
まず最初に、何に対して謝っているのかを具体的に、そして明確に伝えます。漠然と「ごめんなさい」と言うのではなく、「〇〇してしまって、ごめんなさい」と具体的に言うことで、自分が問題をきちんと認識していることを示せます。
基本パターン:
I'm sorry for + [動詞の-ing形 / 名詞]
I apologize for + [動詞の-ing形 / 名詞]
I'm sorry that + [主語 + 動詞 ...]
例文:
- I’m sorry for being late.遅刻してしまい、申し訳ありません。(漠然と “I’m sorry.” と言うより、何に対して謝っているかが明確です)
- I apologize for the mistake in the report.報告書の間違いについて、お詫び申し上げます。(名詞を続けることで、具体的に謝罪できます)
- I’m so sorry that I hurt your feelings.あなたの気持ちを傷つけてしまって、本当にごめんなさい。(that 以下に文章を続けることで、より複雑な状況も説明できます)
- I deeply regret what I said yesterday.昨日私が言ったことを、深く後悔しています。(regret (後悔する) という動詞を使うと、より強い反省の意が伝わります)
2. 責任を受け入れる姿勢を示す (Accepting Responsibility)
次に、言い訳をせずに、その問題が自分の責任であることをはっきりと認めます。英語圏の文化では、責任の所在を明確にすることが非常に重視されます。「電車が遅れたから」や「知らなかったから」といった言い訳は、誠実さに欠けると受け取られがちです。自分の非を認めることで、相手は「この人は問題を真摯に受け止めている」と感じ、許す気持ちになりやすくなります。
例文:
- It’s all my fault.すべて私の責任です。(自分の非を100%認める、潔い表現です)
- I take full responsibility for this.これについては私が全責任を負います。(ビジネスシーンなどで使われる、非常にフォーマルで責任感のある表現です)
- That was wrong of me.私が間違っていました。(自分の行動が誤りであったことを、ストレートに認めます)
- I should have been more careful.私はもっと注意すべきでした。(「〜すべきだった」と過去の行動を省みることで、反省の意を示します)
- There’s no excuse for what I did.私のしたことに対して、弁解の余地はありません。(言い訳を一切しないという、強い意志表示です)
3. 改善策や埋め合わせを提案する (Offering a Solution)
最後に、謝罪を過去の問題で終わらせず、未来に向けた建設的な行動へとつなげます。具体的に「今後はどうするのか」「どうやってこの問題を解決・補償するのか」を提示することで、あなたが問題解決に積極的であることを示せます。これは、失った信頼を取り戻す上で最も重要なステップと言えるでしょう。
再発防止の約束:
- It won’t happen again.二度とこのようなことはありません。(シンプルですが、力強い約束の言葉です)
- I promise I’ll be more careful in the future.今後はもっと注意深くあることを約束します。
具体的な解決策・埋め合わせの提案:
- I’ll fix it right away.すぐに修正します。(問題に対して、すぐに行動を起こすことを示します)
- Let me buy you a new one.新しいものを買わせてください。(相手のものを壊してしまった時など、具体的な埋め合わせを提案します)
- How can I make it up to you?どうすれば埋め合わせができますか?(相手に解決策を委ねることで、相手の気持ちを尊重する姿勢を示せます。個人的な関係の修復に特に有効です)
この3ステップを意識するだけで、あなたの謝罪は「ただの言葉」から「信頼を再構築するための行動」へと変わります。
日本人が最も間違えやすい「すみません」の使い分け
日本語の「すみません」は、謝罪だけでなく、感謝や呼びかけにも使える非常に便利な言葉です。しかし、この感覚のまま英語を使うと、相手を混乱させてしまうことがあります。
謝罪 vs. 感謝 vs. 呼びかけ
英語では、この3つの意味をはっきりと別の言葉で表現する必要があります。
- 謝罪の「すみません」 → Sorry. / Excuse me.人にぶつかった、ミスをしたなど、迷惑をかけた時に使います。
- (人にぶつかって) Oops, sorry!おっと、すみません!
- 感謝の「すみません」 → Thank you.ドアを開けてもらった、親切にしてもらったなど、相手が自分のために何かしてくれた時に使います。ここで “Sorry.” と言うと、「なぜ謝るの?」と不思議に思われてしまいます。
- (プレゼントをもらって) Oh, thank you so much! This is beautiful.まあ、すみません、ありがとうございます!とても素敵です。
- 呼びかけの「すみません」 → Excuse me.レストランで店員さんを呼ぶ、道で人に声をかけるなど、相手の注意を引きたい時に使います。
- (お店で) Excuse me, could you help me?すみません、ちょっとよろしいですか?
この使い分けは、英語コミュニケーションの基本中の基本です。「今、自分が言いたいのは謝罪?感謝?それとも呼びかけ?」と一瞬考える癖をつけるだけで、あなたの英語はぐっと自然になります。
謝罪への返事、どうすればいい?
自分が謝られた時に、どう返事をすればいいかも知っておくと便利です。
- カジュアルな場面で相手を安心させるような、軽い返事が一般的です。
- No problem. (問題ないよ)
- Don’t worry about it. (気にしないで)
- It’s okay. / That’s alright. (大丈夫だよ)
- It happens. (そういうこともあるよ)
- フォーマルな場面で相手の謝罪をきちんと受け止めたことを示す、丁寧な表現です。
- Thank you for your apology. (謝罪をありがとうございます)
- I appreciate your apology. (あなたの謝罪に感謝します)
- Apology accepted. (謝罪を受け入れます)
まとめ
英語での謝罪は、単語を知っているだけでは不十分で、文化的な背景を理解することが大切です。
- 状況の深刻さを見極め、適切な言葉を選ぶ。
- 深刻な場合は、「後悔・責任・解決策」の3ステップを意識する。
- 便利な「すみません」の感覚は一旦忘れ、「謝罪・感謝・呼びかけ」をしっかり使い分ける。
これらのポイントを頭の片隅に置いて、海外の映画やドラマを見てみてください。「この登場人物はなぜ今Sorryと言ったんだろう?」「なぜThank youなんだろう?」と考えてみると、きっと新しい発見があるはずです。
完璧な謝罪を最初から目指す必要はありません。一つ一つの場面で、少しずつ使い分けていくことで、あなたの英語コミュニケーションはより深く、豊かなものになっていくでしょう。

英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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