「英語で時間を伝えるのって、なんだか難しそう…」
「at, on, in の使い分けがごちゃごちゃになる…」
「海外のサイトでホテルの予約をしたいけど、日付の書き方が分からない…」
英語の学び直しを始めたばかりの時、時間の表現は多くの人がつまずく大きな壁です。しかし、海外旅行の計画、国際電話、外国人との約束など、時間を正確に伝え、理解するスキルは、実際のコミュニケーションで欠かせません。
でも、大丈夫です。いくつかの基本ルールとパターンさえ覚えてしまえば、誰でも自信を持って、自然に時間を伝えられるようになります。
この記事では、英語の時間にまつわる表現を、基本のキから応用まで、豊富な例文と共に徹底的に解説します。一つ一つのルールを丁寧に見ていくので、あなたの「分からない」が「分かった!」に変わるはずです。
まずは基本をさっと確認したいという方は、こちらのYouTube動画がおすすめです。動画で概要を掴んだ後、この記事をじっくり読んでいただくことで、知識が整理され、理解がさらに深まります。
それでは、英語の時間表現マスターへの一歩を踏み出しましょう。
時計の読み方【基本の2パターンを覚えよう】
英語で時刻を伝える方法は、大きく分けて2つあります。まずは、一番簡単で世界中で通じる「デジタル方式」からマスターしましょう。これができれば、基本的なコミュニケーションは問題ありません。
1. デジタル方式(見たまま読むだけ)
これは、デジタル時計の表示をそのまま「時→分」の順番で読む、最もシンプルで現代的な方法です。特にアメリカ英語では主流で、空港や駅でのアナウンスなど、公式な場面でも使われます。迷ったらこの言い方を使えば間違いありません。
- 7:10 → seven ten (セブン テン)
- 3:15 → three fifteen (スリー フィフティーン)
- 8:30 → eight thirty (エイト サーティー)
- 11:55 → eleven fifty-five (イレブン フィフティーファイブ)
とても簡単ですよね。数字を読むだけなので、すぐに実践できます。
「0分」と「01分~09分」の読み方
いくつか特殊なケースも見ておきましょう。
- 「00分」ちょうどの時分が「00分」ちょうどの時は、o’clock(オクロック)を使います。o’clock は「of the clock」の略で、「~時ちょうど」というニュアンスです。
- 9:00 → nine o’clock (ナイン オクロック)
- 2:00 → two o’clock (トゥー オクロック)
- The show starts at seven o’clock. (ショーは7時ちょうどに始まります。)
o'clock
は「8時30分」のような中途半端な時間には絶対に使えません。あくまで「〇〇時ちょうど」の時だけです。 - 「01分~09分」の時分が「01分」から「09分」の場合、0 の部分を oh(オウ)と読むのが一般的です。ゼロと読むよりも、口語的で自然に聞こえます。
- 4:05 → four oh-five (フォー オウ ファイブ)
- 6:01 → six oh-one (シックス オウ ワン)
- My train arrives at three oh-seven. (私の電車は3時7分に到着します。)
2. アナログ方式(past と to を使う)
こちらは、アナログ時計の文字盤をイメージした、少し伝統的な言い方です。特にイギリス英語でよく使われますが、映画や小説にも頻繁に登場するので、覚えておくと表現の幅がぐっと広がります。
文字盤の右半分(1分~30分)と左半分(31分~59分)で使う単語が変わる、とイメージしてください。
1分~30分:「~時を何分過ぎたか」 (past)
past
を使って、「(分) past (時)」の順番で表現します。「~時をこれだけ過ぎましたよ」という意味です。アメリカ英語では after
を使うこともあります。
- 7:10 → ten past seven (7時を10分過ぎ)
- 10:20 → twenty past ten (10時を20分過ぎ)
- 2:25 → twenty-five past two (2時を25分過ぎ)
31分~59分:「次の~時まであと何分か」 (to)
to
を使って、「(残り分数) to (次の時)」の順番で表現します。「次の~時へ向かっている」というイメージです。少し頭の中で「60-現在の分」の計算が必要ですね。
- 8:50 → ten to nine (9時まであと10分)
- 11:40 → twenty to twelve (12時まであと20分)
- 6:55 → five to seven (7時まであと5分)
特別な言い方:15分と30分
15分と30分には、便利な特別な単語があります。quarter
は「4分の1」、half
は「半分」という意味で、1時間の4分の1(15分)、1時間の半分(30分)を表します。
- 15分 = a quarter (ア クォーター)
- 7:15 → a quarter past seven (7時を15分過ぎ)
- 7:45 → a quarter to eight (8時まであと15分)
- 30分 = half (ハーフ)
- 3:30 → half past three (3時を30分過ぎ)
half to
という言い方は絶対にしないので注意しましょう。「8時まであと30分」とは言わず、常に「7時を30分過ぎた」と考えます。
午前と午後、一日の時間帯を表す言葉
時刻が言えるようになったら、次は午前・午後や、朝・昼・夜といった時間帯の表現を見ていきましょう。
A.M. vs. P.M.
ご存知の通り、午前は a.m.
、午後は p.m.
を使います。これらはラテン語が語源です。
a.m.
= ante meridiem (ラテン語で「正午前」)p.m.
= post meridiem (ラテン語で「正午後」)
書き方には A.M./P.M.
, a.m./p.m.
, AM/PM
などいくつかスタイルがありますが、どれを使っても構いません。ただし、一つの文章や書類の中では統一しましょう。
- I wake up at 6 a.m.(私は午前6時に起きます。)
- The meeting will be at 2:30 p.m.(会議は午後2時30分です。)
これを間違えると、例えば「夜7時のフライト」を「朝7時」と勘違いして乗り遅れる、なんていう大変なことになりかねないので、しっかり区別しましょう。
注意!「正午」と「深夜」の12時
ここでややこしいのが「12時」の扱いです。「12 a.m.」と「12 p.m.」はどちらが正午で、どちらが深夜でしょうか?
一般的には、
- 12 p.m. = 正午
- 12 a.m. = 深夜とされています。
しかし、これはネイティブスピーカーでも混乱することがあるため、誤解を避けるためには、より明確な言葉を使うのがベストです。
- 正午 (お昼の12時) → noon / midday
- 深夜 (夜の12時) → midnight
「正午に会いましょう」と言いたい時は、Let's meet at 12 p.m.
よりも Let's meet at noon.
と言う方がずっと分かりやすく、親切です。
- The café is closed from noon to 1 p.m.(そのカフェは正午から午後1時まで閉まっています。)
- The deadline is midnight on Friday.(締め切りは金曜日の深夜0時です。)
一日の流れを表す基本表現
- in the morning (午前中、朝)
- in the afternoon (午後)
- in the evening (夕方、晩)
- at night (夜)
night
だけ前置詞が at
になるのがポイントです。in the night
と言うと「夜の間に」という少し違うニュアンスになります。
- I drink coffee in the morning.(私は午前中にコーヒーを飲みます。)
- He takes a nap in the afternoon.(彼は午後に昼寝をします。)
- We like to watch movies in the evening.(私たちは夕方に映画を見るのが好きです。)
- I often read a book at night before I sleep.(私は夜、寝る前に本を読むことが多いです。)
情景が浮かぶ時間表現
さらに細かく、詩的な表現も覚えておくと会話が豊かになります。
- dawn: 夜明け (空が白み始める頃)
- We started hiking before dawn. (私たちは夜明け前にハイキングを始めました。)
- sunrise: 日の出 (太陽が昇る瞬間)
- Watching the sunrise from the mountaintop was beautiful. (山頂から日の出を見るのは美しかった。)
- dusk: 夕暮れ (日が沈んで暗くなる前の時間)
- The streetlights turn on at dusk. (夕暮れになると街灯がつきます。)
- sunset: 日没 (太陽が沈む瞬間)
- Let’s go to the beach to see the sunset. (夕日を見にビーチへ行こう。)
日付・年・曜日の言い方【米英の違いに注意!】
日付の表現は、アメリカ英語とイギリス英語で大きな違いがあり、国際的なコミュニケーションで最も混乱しやすいポイントの一つです。
アメリカ式 vs. イギリス式
- アメリカ英語 (AmE): 月 → 日 → 年
- イギリス英語 (BrE): 日 → 月 → 年
例えば、「2025年7月4日」は以下のようになります。
- AmE: July 4, 2025
- BrE: 4 July 2025
アメリカ式では、日の後にカンマ「,」を入れるのが一般的です。
数字だけの表記は特に注意!
7/4/25
と書かれていた場合、どちらの意味か分かりますか?
- AmE: 7月4日
- BrE: 4月7日
このように、全く違う日になってしまいます。海外のホテルを予約する際や、仕事のメールで納期を確認する際には、この違いを念頭に置かないと大きなトラブルになりかねません。
誤解を避けるための最も安全な方法は、月をアルファベットで書く (July 4
や 4 July
) か、国際標準規格である YYYY-MM-DD
(例: 2025-07-04
) を使うことです。
日付の読み方
日付を読むときは、序数(1st, 2nd, 3rd, 4th…)を使います。書くときは July 4
のように数字だけでも良いですが、読むときは序数で発音するのが普通です。
- July 4 → “July fourth” (ジュライ フォース)
- December 25 → “December twenty-fifth” (ディッセンバー トゥエンティフィフス)
- May 1st → “May first” (メイ ファースト)
- February 2nd → “February second” (フェブラリー セカンド)
また、the
と of
を使って the fourth of July
のように言うことも非常によくあります。
年の読み方
年は、基本的に2桁ずつ区切って読みます。これが最も一般的な方法です。
- 1985 → nineteen eighty-five (ナインティーン エイティーファイブ)
- 1776 → seventeen seventy-six (セブンティーン セブンティシックス)
- 1805 → eighteen oh-five (エイティーン オウ ファイブ) ※真ん中の0は
oh
2000年以降の読み方
2000年代は少しルールが異なります。
- 2000 → two thousand (トゥー サウザンド)
- 2008 → two thousand eight (トゥー サウザンド エイト) ※
and
を入れることも - 2025 → two thousand twenty-five / twenty twenty-five (どちらもOK)
2010年以降は、「twenty twenty-five」のように2桁ずつ区切る言い方が、短くて言いやすいため、より一般的になってきています。
最重要!前置詞 at, on, in の使い分け
英語学習者が最も苦労する前置詞。時間の前置詞は、at, on, in の3つが基本です。
「点 → 面 → 空間」のように、時間の範囲が小さい(具体的)な順に at → on → in と覚えると、イメージで捉えられて分かりやすいです。
at (点) : 特定の時刻・瞬間
at
は、時間の流れの中の「一点」を指し示します。非常に具体的で、ピンポイントなイメージです。
- 時刻: at 7 a.m., at 10:30 p.m.
- 特定の瞬間: at noon, at midnight, at sunset, at the moment (今この瞬間)
- 食事の時間: at breakfast, at lunchtime, at dinner
例文:
- The train leaves at 3 o’clock sharp.(その電車は3時ちょうどに出発します。)
- I’ll see you at lunchtime.(お昼休みに会いましょう。)
- She felt nervous at the beginning of the exam.(彼女は試験の始まりに緊張した。)
on (面) : 特定の日付や曜日
on
は、カレンダーの中の「特定の一日」という「面」を指し示します。at
よりも少し広い範囲です。
- 曜日: on Monday, on Friday
- 日付: on July 4th, on December 25th
- 特定の日: on my birthday, on Christmas Day, on that day (その日に)
- 曜日の特定の部分: on Monday morning, on Saturday night
例文:
- We have a meeting on Wednesday.(私たちは水曜日に会議があります。)
- My birthday is on October 10th.(私の誕生日は10月10日です。)
- I have to work on Saturday morning.(私は土曜の朝に働かなければなりません。)
in (空間) : 長い期間・範囲
in
は、ある程度の長さや広がりを持つ「期間」という「空間」を指し示します。3つの中で最も広い範囲です。
- 月: in August, in December
- 年: in 2025, in 1990
- 季節: in summer, in winter
- 世紀: in the 21st century
- 年代: in the 1980s (1980年代に)
- 午前・午後など: in the morning, in the afternoon, in the evening
- 未来の期間: in a few minutes (数分後に), in two weeks (2週間後に)
例文:
- I’m going to Japan in April.(私は4月に日本へ行きます。)
- He was born in 1990.(彼は1990年に生まれました。)
- The project will be finished in three months.(そのプロジェクトは3ヶ月後には終わります。)
前置詞が不要な場合
last
, next
, every
, this
, tomorrow
, yesterday
などの単語が付くときは、at
, on
, in
は使いません。これは非常によくある間違いなので、しっかり覚えましょう。
- ❌ I will see you on next Friday.
- ✅ I will see you next Friday. (来週の金曜日に会いましょう。)
- ❌ We went to Kyoto in last year.
- ✅ We went to Kyoto last year. (私たちは去年京都へ行きました。)
ネイティブに近づく!カジュアル&便利な表現
最後に、日常会話でよく使われる、より自然でこなれた時間表現をいくつかご紹介します。これらを使いこなせると、会話がぐっとスムーズになります。
「~ごろ」「だいたい」
正確な時間でなくてもよい場面で非常によく使います。
- around / about:
- Let’s meet around seven.(7時ごろに会いましょう。)
- It takes about 10 minutes to the station.(駅までだいたい10分かかります。)
- -ish (~イッシュ): 数字の後に付けて使います。とてもカジュアルで便利な表現です。
- “What time should we leave?” “I don’t know, 8-ish?”(「何時に出ようか?」「うーん、8時ごろ?」)
「ちょうど」「きっかり」
時間を強調したい時に使います。ビジネスの場面などでも役立ちます。
- sharp / on the dot:
- The meeting starts at 9 a.m. sharp. Please don’t be late.(会議は午前9時ちょうどに始まります。遅れないでください。)
- He arrived at 2 p.m. on the dot.(彼は午後2時きっかりに到着した。)
便利な時間イディオム
- Time flies. (光陰矢の如し)
- I can’t believe it’s already midnight. Time flies when you’re having fun.(もう真夜中なんて信じられない。楽しい時間はあっという間だね。)
- Let’s call it a day. (今日はこの辺で終わりにしよう)
- We’ve done enough work. Let’s call it a day.(十分仕事をしたね。今日はこれでおしまいにしよう。)
- in the nick of time (ギリギリで、土壇場で)
- He arrived in the nick of time to catch the train.(彼は電車に乗るのにギリギリで間に合った。)
- kill time (時間をつぶす)
- I have an hour before my flight, so I’ll just kill time at a bookstore.(フライトまで1時間あるから、本屋で時間をつぶすよ。)
まとめ

英語の時間表現は、覚えることが多くて大変に感じるかもしれません。しかし、今回ご紹介した基本パターンを一つずつ着実に身につけていけば、必ず自信を持って使いこなせるようになります。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 時計はまず「デジタル読み」を完璧にマスターする。 これが基本です。
- 日付は「アメリカ式(月/日/年)」と「イギリス式(日/月/年)」の違いを常に意識する。 誤解を避けるには月を文字で書くのが安全です。
- 前置詞は「at(点) → on(日) → in(期間)」のイメージで捉える。 そして
last
,next
,every
,this
には前置詞を付けないと覚える。
まずはこの3つを意識して、普段の学習の中で積極的に使ってみてください。間違いを恐れずに口に出したり、書いてみたりすることが、上達への一番の近道です。頑張ってください!

英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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