【完全版】「やばい」は英語でなんて言う?状況で使い分けるネイティブ表現25選

気になる英語
最新記事

「この料理、やばい!」「今のプレー、やばくない?」「寝坊した、やばい…」

日本語の「やばい」は、良い意味でも悪い意味でも使える、まさに魔法のような言葉ですよね。しかし、いざ英語で表現しようとすると、「あれ、なんて言えばいいんだろう?」と固まってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事を読めば、そんな「やばい」の英語表現をマスターできます。

▼まずはこちらのYouTube動画で基本をチェック!

動画では「やばい」の基本的な英語表現を分かりやすく解説しています。まずは動画でサクッと概要を掴んでから、この記事を読んでいただくと、さらに理解が深まります。この記事では、動画で紹介しきれなかった表現や、より細かいニュアンスの違いまで、じっくりと掘り下げていきます。

なぜ「やばい」は一つの英単語で表せないの?

そもそも、なぜ「やばい」は英語に訳しにくいのでしょうか。

それは、「やばい」が持つ意味の幅が非常に広いからです。もともとは「危ない」「まずい」といったネガティブな状況で使われる言葉でしたが、今では若い世代を中心に「最高」「すごい」というポジティブな意味でも日常的に使われています。

つまり、「やばい」を英語にするときは、単語を1対1で置き換えるのではなく、

  • どんな状況で使っているのか(文脈)
  • どんな気持ちで言っているのか(感情)

これらを正確に読み取り、その場に最もふさわしい言葉を選ぶ必要があるのです。この作業は、英語をより深く、実践的に使いこなすための素晴らしいトレーニングになります。

それでは、あなたの英語表現の「引き出し」を増やす旅に出かけましょう。

ポジティブな「やばい」:すごい・最高!と伝えたい時の英語表現

まずは、喜びや感動、称賛を伝える「良い意味のやばい」から見ていきましょう。定番の表現から、ネイティブがよく使うカジュアルなスラングまでご紹介します。

これだけは押さえたい!定番の「すごい」表現

英語学習を始めたばかりの方でも安心して使える、基本的で汎用性の高い表現です。

  • Awesome「素晴らしい」「最高」を意味する、代表的なアメリカ英語です。非常に幅広く使える便利な言葉で、何かを褒めるときにまず思い浮かべたい単語の一つです。例文:A: I passed the exam! (試験に合格したよ!)B: That’s awesome! (それはやばいね!/すごいね!)
  • Amazing Awesomeと似ていますが、「信じられないほど素晴らしい」という驚きや感動のニュアンスがより強く伝わります。人のパフォーマンスや、息をのむような景色を見たときなどにぴったりです。例文:Your performance was just amazing.(あなたのパフォーマンスは本当にやばかったよ。(素晴らしかった))
  • Incredible「信じられない」が元々の意味で、常識や期待をはるかに超える素晴らしさを表現します。Amazingと似ていますが、少しだけ知的な響きがあります。例文:She has an incredible talent for music.(彼女にはやばいくらい(信じられないほど)の音楽の才能がある。)
  • Cool「かっこいい」「いいね」といった意味で、非常にカジュアルに使われる万能な言葉です。友人との会話で「それ、やばいね(いいね)!」と言いたいときに最適です。例文:Wow, this new smartphone is so cool!(うわー、この新しいスマホ、めっちゃやばいね!(かっこいい!))
  • Great「素晴らしい」「とても良い」を意味する、最も基本的で誰にでも通じる言葉です。迷ったらGreatを使えばまず間違いありません。例文:We had a great time at the party.(パーティーはすごく楽しかったよ。(最高だった))

イギリスでよく使われる「やばい」

アメリカ英語とイギリス英語では、好まれる表現が少し異なります。イギリス人の友人や、イギリスの映画・ドラマが好きなら覚えておくと便利です。

  • Brilliant イギリス英語で「最高」「素晴らしい」を意味し、アメリカ英語のAwesomeに近い感覚で使われます。良いニュースを聞いたときの返答として頻繁に登場します。例文:A: You got the job? (仕事、決まったの?)B: Oh, that’s brilliant! (わあ、それはやばいね!/最高だね!)

ちょっとこなれた「やばい」:カジュアルなスラング表現

親しい友人との間で使える、よりカジュアルな表現です。ただし、後述するように注意が必要な言葉もあります。

  • Lit / Fire 主に若者世代が使うスラングで、パーティーやイベントが「最高に盛り上がっている」状態をLit、「めちゃくちゃイケてる」ものをFireと言います。例文:This party is lit!(このパーティー、マジでやばいね!)That new song is fire.(あの新曲、やばいよ。(最高にイケてる))
  • Dope 「最高」「すごくクール」を意味するスラングで、ヒップホップカルチャーから生まれました。今でも音楽やファッションを褒めるときなどによく使われます。例文:That beat is so dope!(そのビート、マジでやばいね!)

ネガティブな「やばい」:まずい・危ない!と伝えたい時の英語表現

次に、困った状況や危険を伝える「悪い意味のやばい」を見ていきましょう。状況の深刻さに応じて使い分けるのがポイントです。

問題発生!「まずい状況だ」と伝える表現

何かトラブルが起きたときに使える基本的なフレーズです。

  • This is bad. / This is not good.問題が起きたことをストレートに伝える表現です。「これはやばいぞ」という切迫した気持ちを表せます。例文:The engine is making a strange noise. This is not good.(エンジンから変な音がする。これはやばいぞ。)
  • I’m in trouble.自分が困難な状況に陥っていることを示す定番のフレーズです。「やばいことになった」というニュアンスです。例文:I lost my house key. I’m in trouble.(家の鍵をなくしちゃった。やばいことになった。)
  • I’m in hot water.I’m in troubleと似ていますが、より口語的で「(自分のせいで)まずい状況に陥っている」というニュアンスが強いイディオムです。例文:I forgot my wife’s birthday. I’m in hot water.(妻の誕生日を忘れてしまった。やばい状況だ。)

やっちゃった!失敗を伝える表現

自分のミスを認めるときの「やばい」です。

  • I messed up. / I screwed up.「やっちゃった」「失敗した」を意味する最も一般的な表現です。Screwed upの方が、より深刻な失敗のニュアンスがあります。例文:I completely messed up the presentation.(プレゼンで完全にやらかした。(大失敗した))I screwed up. I sent the email to the wrong person.(やばい。メールを別の人に送ってしまった。)

危険を察知!「怪しい」を伝える表現

人や場所、状況が「なんかやばい(怪しい)」と感じたときに使える便利なスラングです。

  • Sketchy「胡散臭い」「信用できない」といった、漠然とした危険や怪しさを感じるときに使います。例文:That alley looks sketchy. Let’s take another street.(あの路地、なんかやばそう(怪しい)だね。別の道を行こう。)

【中級者向け】意味が180度変わる?両刃の剣となる言葉

ここからが、英語の面白さと難しさが凝縮されたセクションです。「やばい」の翻訳で最も注意が必要な、まさに「両刃の剣」となる言葉たちをご紹介します。これらの単語は、文脈や言い方、さらには表情やジェスチャーによって、意味がポジティブからネガティブへ、あるいはその逆へと180度変わってしまうのです。使いこなせれば一気にネイティブらしくなりますが、誤解を招くリスクもあるため、慎重に学びましょう。

代表的なのが、Sick, Insane, Crazy といった単語です。

Sick の例:最高 vs. 最悪

元々の意味は「病気の」「吐き気がする」ですが、スラングとしては全く違う意味で使われます。

  • ポジティブな Sick:「最高」「めちゃくちゃカッコいい」友人がスケートボードですごい技を決めたのを見て、興奮した明るい声で…That was sick!(今の、めちゃくちゃやばかったね!/最高だったね!)最新のガジェットを手に入れて、感心しながら…This new gaming computer is sick!(この新しいゲーミングPC、やばい!(最高だね!))
  • ネガティブな Sick:「気持ち悪い」「胸が悪い」腐った牛乳の臭いをかいで、嫌悪感を込めた低い声で…Ew, that smells sick!(うわっ、この臭いやばい!/気持ち悪い!)友人がグロテスクな話をし始めたときに、顔をしかめながら…Oh man, stop. That’s a sick story.(おい、やめろよ。その話、やばいって。(気持ち悪い))

Insane / Crazy の例:信じられない(良い意味 vs. 悪い意味)

これらの言葉は「正気でない」「狂っている」が元の意味ですが、「常識では考えられない」というニュアンスから、良い意味でも悪い意味でも使われます。

  • ポジティブな Insane/Crazy:「信じられないくらい凄い」「ありえない」コンサートでの素晴らしいギターソロに圧倒されて…That guitarist is insane!(あのギタリスト、やばすぎる!(信じられないくらい上手い))驚くほどのバーゲンセールを見つけて…Everything is 50% off? That’s crazy!(全部50%オフ?それ、やばい!(ありえない安さだ!))
  • ネガティブな Insane/Crazy:「正気じゃない」「無謀だ」友人が無謀な計画を話しているのを聞いて、呆れたように…You’re going to climb that mountain in this weather? That’s insane!(この天気であの山に登るの?正気じゃないよ!(やばいって))交通渋滞のひどさにうんざりして…The traffic today is crazy. It took me two hours to get here.(今日の渋滞は本当にやばい。ここまで来るのに2時間もかかった。)

なぜ意味が変わるの?言葉の裏にある「感情」

これらの言葉は、元々「普通じゃない」「常軌を逸している」という共通のニュアンスを持っています。話している対象が、良い方向に「普通じゃない」のか、それとも悪い方向に「普通じゃない」のか。その判断を、聞き手は声のトーンや表情、文脈から瞬時に読み取っているのです。

例えば、”That’s sick!” と言うとき、満面の笑みで、声が高揚していれば、それは「最高!」という称賛です。しかし、眉をひそめ、吐き捨てるような低いトーンで言えば、それは「気持ち悪い」という嫌悪感の表明になります。言葉そのものよりも、それに乗せられた感情が意味を決定づけるのです。

学習者へのアドバイス:まずは「聞き専」から始めよう

これらの言葉は、ネイティブの日常会話では本当に頻繁に登場します。しかし、意味が反転するリスクがあるため、英語学習を始めたばかりの方が焦って使おうとするのは危険です。

まずは、意味がはっきりしている Awesome や This is bad などの基本的な表現を確実に使いこなし、自分の感情を正確に伝えられる土台を作りましょう。

その上で、「両刃の剣」となる言葉については、まず「聞き取り専門(聞き専)」になることを強くお勧めします。

  1. 意識して聞く: 映画やドラマ、YouTubeなどで、登場人物が Sick, Insane, Crazy と言った瞬間に注目しましょう。
  2. 状況を観察する: それはどんな場面ですか?登場人物はどんな表情をしていますか?声のトーンは高いですか、低いですか?
  3. 意味を推測する: ポジティブな意味か、ネガティブな意味か、文脈から判断してみましょう。

この「観察と推測」のトレーニングを繰り返すことで、言葉が使われるべき「温度感」や「空気感」が自然と身についてきます。そして、自分が100%確信を持てる場面が来たら、初めて使ってみる。そのくらいの慎重さが、誤解を避けるための鍵となります。

まとめ:あなたの「やばい」は、どの英語?

今回は、日本語の「やばい」を英語でどう表現するかについて、詳しく解説しました。

  • ポジティブな「やばい」には Awesome, Cool, Brilliant
  • ネガティブな「やばい」には This is bad, I’m in trouble, I messed up
  • 文脈で意味が変わる Sick, Insane

たくさんの表現がありましたが、一番大切なのは「完璧な一つの正解を探さない」ことです。

「やばい」という言葉が場面によって色合いを変えるように、英語もその場の状況や感情に合わせて最適な表現を選ぶことが、自然なコミュニケーションへの第一歩です。

まずは今回ご紹介した中から「これなら使えそう!」と思うものをいくつか選んで、ぜひ実際の会話で試してみてください。失敗を恐れずに挑戦することが、上達への一番の近道ですよ。

★ このブログの運営は、初心者専門英会話カーディム が行っています。★

タイトルとURLをコピーしました