英語の曜日の由来、知ってる? Tuesdayは火曜日じゃない? 英語学習が楽しくなる神話の世界

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英語の勉強を始めたとき、多くの人が最初につまずくのが「曜日」の暗記ではないでしょうか。SundayやMondayはまだしも、Tuesday, Wednesday, Thursday…と続くとなんだかややこしくて、呪文のように唱えて覚えた、という経験はありませんか?

実は、この曜日の名前には、それぞれ壮大な神話の物語が隠されています。その背景を知ると、無味乾燥に見えた単語が、急に生き生きとしたキャラクターに見えてくるから不思議です。単語の成り立ち(語源)を知ることは、記憶を助けるだけでなく、その言語が持つ文化や歴史への理解を深める、とても効果的な学習法なのです。

この記事では、英語の曜日の名前に隠された秘密を、英語学習初心者の方にも分かりやすく、そして詳しく解説していきます。読み終わる頃には、曜日の単語がもっと身近に感じられ、英語学習がさらに楽しくなっているはずです。

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1週間はなぜ7日? すべては古代の天文学から始まった

そもそも、「1週間が7日間」というのは、どこから来たのでしょうか。その起源は、今から4000年以上前の古代バビロニアに遡ります。

当時の人々は、夜空を見上げて、肉眼で見える星々の中で、他の星とは違う特別な動きをする7つの天体があることに気づきました。それが、太陽、月、そして5つの惑星です。

  • 太陽 (The Sun)
  • 月 (The Moon)
  • 火星 (Mars)
  • 水星 (Mercury)
  • 木星 (Jupiter)
  • 金星 (Venus)
  • 土星 (Saturn)

彼らはこれらの天体を神々と同一視し、神聖なものと考えました。そして、これらの天体が1時間ごとに交代で地上を支配するという「惑星時間」という考え方を生み出します。そして、1日の最初の1時間を支配する天体の名前を、その日の名前としたのです。この「7つの天体(神々)が1日ずつ世界を支配する」という考え方が、古代エジプトやギリシャを経てローマ帝国に伝わり、1週間を7日とする習慣として定着していきました。

英語の曜日の本当のルーツ:ローマ神話 vs. ゲルマン神話

「でも、ローマ神話の神様の名前が由来なら、どうして英語の曜日はTuesdayやWednesdayなの?」と疑問に思いますよね。そこが一番面白いポイントです。

ローマ帝国の文化や制度は、ヨーロッパ全土に大きな影響を与えました。その文化が、現在のイギリスや北欧に住んでいたゲルマン民族に伝わったとき、彼らはローマの神様の名前を、自分たちが信仰するゲルマン神話(北欧神話)の神様の名前や言葉に「翻訳」したのです。これを専門的には「ゲルマン的解釈(Interpretatio germanica)」と呼びます。

これは、単なる言葉の置き換えではありません。外から入ってきた新しい文化を、自分たちの価値観や世界観に合うように受け入れようとした、ゲルマン民族の知恵の表れでした。この文化的な置き換えこそが、現代の英語の曜日の名前に繋がる大きな鍵となります。

それでは、曜日ごとに、どの神様が由来になっているのか、その壮大な物語を詳しく見ていきましょう。

曜日別!名前の由来になった神々を徹底解説

Sunday (日曜日) と Monday (月曜日): 天空の二大巨頭

この二つは比較的シンプルです。ゲルマン神話の神への置き換えは行われず、ローマの考え方がほぼそのまま英語になりました。太陽と月は、文化を問わず、古代から人々にとって最も重要で分かりやすい天体だったため、特別な「翻訳」が必要なかったのかもしれません。

  • Sunday (日曜日): 太陽の日 (Sun’s day)ラテン語の「dies Solis (太陽の日)」が、古英語の「Sunnandæg」となり、現在のSundayになりました。
  • Monday (月曜日): 月の日 (Moon’s day)ラテン語の「dies Lunae (月の日)」が、古英語の「Mōnandæg」となり、Mondayになりました。

例文:

  • I like to relax and read a book on Sundays.(日曜日はリラックスして本を読むのが好きです。)
  • Many shops are closed on Mondays in this town.(この町では多くの店が月曜日に閉まっています。)

Tuesday (火曜日): 片腕の軍神の日

  • ローマ神話: Mars (マルス) – 戦いと農耕の神
  • ゲルマン神話: Tiu (ティーウ) / Tyr (テュール) – 戦いと法、正義の神

ローマの軍神マルスに対応する存在として、ゲルマンの軍神ティーウ(北欧神話ではテュール)の名前が当てはめられました。「ティーウの日 (Tiu’s day)」が変化して、Tuesdayになったのです。テュールは、神々の平和を守るため、巨大な狼フェンリルの口に自らの右腕を差し出し、食いちぎられたという伝説を持つ、勇敢さと自己犠牲、そして正義を象徴する神です。

Wednesday (水曜日): 賢き最高神の日

  • ローマ神話: Mercury (メルクリウス) – 神々の伝令役、商業、旅、策略の神
  • ゲルマン神話: Woden (ウォーデン) / Odin (オーディン) – ゲルマン神話の最高神

ローマの伝令神メルクリウスに相当すると考えられたのが、ゲルマンの最高神であり、知恵や詩、魔術、そして戦争を司るウォーデン(オーディン)でした。「ウォーデンの日 (Woden’s day)」がWednesdayの語源です。オーディンは知識のためならどんな犠牲もいとわない探求者で、自らの片目を捧げて知恵の泉の水を飲み、ルーン文字の秘密を知るために九日九晩、世界樹で首を吊ったとされています。ちなみに、Wednesdayの発音が「ウェンズデー」となるのは、この古英語の「Wōdnesdæg」の名残です。

Thursday (木曜日): 大人気の雷神の日

  • ローマ神話: Jupiter (ユピテル) – ローマ神話の最高神、天空と雷の神
  • ゲルマン神話: Thor (トール) – 雷と力、保護の神

ローマの最高神ユピテルは雷を操る神でした。これに対応するのが、魔法のハンマー「ミョルニル」を武器に巨人と戦い、人間を守る、力強くも心優しい雷神トールです。トールは一般庶民から絶大な人気を誇る神でした。「トールの日 (Thor’s day)」がThursdayになりました。雷 (Thunder) とスペルが似ているので、セットで覚えると記憶に残りやすいですね。

Friday (金曜日): 愛と美の女神の日

  • ローマ神話: Venus (ウェヌス) – 愛と美の女神
  • ゲルマン神話: Frigg (フリッグ) – 愛と結婚、家庭、運命を司る女神

ローマの愛と美の女神ウェヌスに当てはめられたのは、最高神ウォーデン(オーディン)の妻である女神フリッグでした。「フリッグの日 (Frigg’s day)」がFridayの語源です。フリッグは家庭的な愛や賢明さを象徴する女神です。週末の始まりにふさわしい、華やかで幸せな響きがありますね。「TGIF (Thank God It’s Friday / やった、金曜日だ!)」という言葉があるように、多くの人にとって特別な曜日です。

Saturday (土曜日): ローマの神が残った唯一の曜日

  • ローマ神話: Saturn (サトゥルヌス) – 農業と時間の神

火曜日から金曜日まで、ゲルマン神話の神々に置き換えられてきましたが、土曜日だけは例外でした。ローマの農耕神サトゥルヌスの名前が、「サトゥルヌスの日 (Saturn’s day)」としてほぼそのままSaturdayとして残りました。これは、ゲルマン神話にサトゥルヌスにぴったり対応する神がいなかったため、と言われています。サトゥルヌスを祝う古代ローマの祭り「サトゥルナリア祭」は、仕事を休み、ごちそうを囲む楽しいお祭りでした。その名残か、土曜日は週末の始まりとして、今も昔も人々にとって解放的な一日なのかもしれません。

なぜ曜日は大文字で書くの?

英語で曜日を書くとき、必ず最初の文字を大文字にするルールがあります。これも、曜日の由来と深く関係しています。

答えは、「曜日の名前が神様の名前という固有名詞に由来するから」です。

人の名前(Taro, Hanako)や地名(Tokyo, Japan)を大文字で書き始めるのと同じ理由です。神様への敬意を込めて、曜日の名前も大文字で書く、と覚えておくと忘れにくいですね。

ちなみに、季節の名前(spring, summer, autumn/fall, winter)は、特定の神様の名前ではないため、文頭に来ない限り小文字で書くのが一般的です。この違いを意識すると、大文字のルールがより明確に理解できます。

まとめ

今回は、英語の曜日の名前に隠された神話の世界と、そこから広がる英語学習の楽しさについてご紹介しました。

  • 1週間7日制は古代バビロニアの天文学が起源
  • 英語の曜日の多くは、ローマ神話の神々がゲルマン神話の神々に「翻訳」されたもの
  • TuesdayからFridayまではゲルマンの神々が由来
  • Saturdayだけはローマの神様の名前が残っている
  • 曜日は神様の名前(固有名詞)なので大文字で始める

何気なく使っていた曜日の単語に、こんなにも豊かで壮大な物語があったなんて、面白いですよね。

このように、単語一つひとつの背景を知ることで、英語は単なる暗記科目ではなく、文化や歴史とつながる魅力的な「冒険」に変わります。言葉のルーツを探る旅は、あなたの知的好奇心を刺激し、学習へのモチベーションをきっと高めてくれるはずです。ぜひ、これからも楽しみながら、英語の世界を探求していってください。

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