「同僚が風邪をひいたみたい」「友人が少し落ち込んでいる」…。そんな時、相手を気遣う「お大事に」の一言は、人間関係を温かくしてくれますよね。
日本語なら「お大事に」で伝わるこの気持ち、英語ではどう表現すればいいのでしょうか?実は、相手の状況や伝えたいニュアンスによっていくつかのフレーズを使い分けるのが、より気持ちを伝えるコツなんです。状況に合わない言葉を選んでしまうと、意図せず相手に違和感を与えてしまうことも。
この記事では、英語を学び直したい初心者の方でもすぐに使える「お大事に」の英語表現を、基本的なものから少し応用したものまで、具体的な例文と共に詳しく解説していきます。
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動画で基本を押さえた後は、ぜひこの記事でさらに深いニュアンスを理解し、表現の幅を広げてくださいね。
まず覚えたい!基本の「お大事に」3フレーズ
日常会話で「お大事に」の気持ちを伝えたい時、まず押さえておきたい基本のフレーズが3つあります。それぞれのニュアンスの違いを深く理解して、自信を持って使いこなせるようになりましょう。
1. Take care – 最も万能な「気をつけてね」
「Take care」は、数ある表現の中で最も幅広く使える、いわばオールマイティなフレーズです。「体に気をつけてね」という意味合いが根底にありますが、「気をつけてね」というニュアンスが一番近く、別れ際の挨拶として非常に一般的に使われます。
このフレーズの最大のポイントは、体調が悪い人だけでなく、全く健康な人にも使える点です。相手の健康や安全を願う、温かい挨拶言葉と捉えましょう。
- 体調が悪い人に対して:「無理しないでね」「お大事に」
- 元気な人に対して:「じゃあね」「道中気をつけてね」「元気でね」
例文
- 友達との電話や会話の終わりに”It was great talking to you. Take care!”(話せてよかったよ。じゃあね!)
- 少し丁寧に、心からの気遣いを伝えたい時に”I heard you’ve been busy. Please take care of yourself.”(忙しいと聞きました。どうぞご自愛くださいね。)※ “of yourself” をつけると、「あなた自身のことを大切に」というニュアンスが強まります。
- 旅行や出張に行く人へ”Have a great trip! Take care.”(良い旅を!気をつけてね。)
- 誰かが “Take care” と言ってくれた時の返事として”Thanks, you too.”(ありがとう、あなたもね。)
2. Get well soon – 「早く良くなってね」と直接的に伝える
相手が明らかに病気や怪我で辛そうな時に使うのが「Get well soon」です。「早く良くなってね」「早く元気になってね」という意味で、回復を願う気持ちをストレートに、そして前向きに伝えることができます。
インフルエンザで寝込んでいる、手術をした、骨折してしまったなど、回復に時間が必要だとわかる具体的な症状に対して使うとしっくりきます。お見舞いのカードにもよく書かれる定番のフレーズです。
例文
- 風邪で数日寝込んでいる友人へのメッセージで”I’m so sorry to hear you’re sick with the flu. Get well soon!”(インフルエンザで寝込んでいるなんて、本当にお気の毒に。早く良くなってね!)
- 入院している同僚へ、部署の皆からのメッセージとして”We are all thinking of you and hope you get well soon.”(私たちは皆あなたのことを思っています。そして早く回復されることを願っています。)
- 子供が怪我をしたと聞いた時に”Please tell your son I hope he gets well very soon.”(息子さんに、早く良くなるよう願っていると伝えてください。)
3. Feel better – 優しい響きの「楽になるといいね」
「Feel better」は、「Get well soon」よりも少し柔らかく、優しい響きを持つ表現です。「気分が良くなりますように」「少し楽になるといいね」といったニュアンスで、深刻ではないけれど、相手を気遣う気持ちを伝えたい時にぴったりです。
今まさに感じている不快な症状が和らぐことを願う気持ちが強く、本格的な病気というよりは、一時的な体調不良に対してよく使われます。
例文
- 二日酔いで辛そうな友人に”Oh no, that sounds rough. I hope you feel better soon.”(うわぁ、それは辛そうだね。早く楽になるといいね。)
- なんとなく元気がない同僚に”You seem a little down today. I hope you feel better.”(今日、少し元気がないように見えるね。気分が晴れるといいね。)
- 頭痛がするという家族に”Here’s some tea. I hope it helps you feel better.”(お茶をどうぞ。これで少し楽になるといいんだけど。)
カジュアル vs. フォーマル 使い分けは?
親しい間柄では上記の3フレーズが中心ですが、職場の上司や取引先、またはお客様など、より丁寧な表現が求められる場面ではどうでしょうか。フォーマルな状況にふさわしい、礼儀正しい表現もしっかり覚えておきましょう。
フォーマルな場面では “Wishing you a speedy recovery.”
ビジネスメールや、目上の方へのメッセージで「お大事に」と伝えたい場合は、「Wishing you a speedy recovery.」が最適です。「一日も早いご回復をお祈りしております」という意味の、非常に丁寧でフォーマルな表現です。
“wish you” という少し改まった言い方や、”speedy recovery”(迅速な回復)という言葉の組み合わせが、丁寧さを演出します。主に書き言葉で使われることが多いですが、直接伝える場合にももちろん使えます。
例文
- 体調不良で長期休暇を取っている上司へのメールで”We were very sorry to hear about your illness. The whole team is wishing you a speedy recovery.”(ご病気のことを伺い、大変案じております。チーム一同、一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。)
- 取引先の担当者が入院したと聞いた時に”Please accept our best wishes for your speedy recovery.”(一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。)
体の不調だけじゃない!心が疲れている相手への言葉
もし友人が仕事やプライベートのことで落ち込んでいたり、精神的に辛い時期を過ごしていたら、どんな言葉をかけますか?
体の不調とは違い、心の不調を抱える相手に「早く元気になってね(Get well soon)」と伝えてしまうと、時に「元気を出さなければ」という無言のプレッシャーを与え、相手を追い詰めてしまう可能性があります。
そんな時は、回復を急かすのではなく、ただ静かに相手に寄り添う気持ちを示す言葉を選びましょう。大切なのは「私はあなたの味方だ」と伝えることです。
1. Thinking of you. – 「あなたのことを想っています」
「あなたのことを気にかけていますよ」「あなたのことを想っています」という、温かく優しい気持ちを伝える表現です。直接的な励ましやアドバイスではなく、ただ「あなたの存在を大切に思っている」というメッセージが、孤独感を和らげ、相手の心を支えることがあります。
例文
- 悲しい出来事があった友人へのメッセージで”I was so sad to hear your news. I just wanted to let you know I’m thinking of you.”(お知らせを聞いて、とても悲しくなりました。あなたのことを気にかけていると伝えたくて。)
2. I’m here for you. – 「私がついてるよ」
「あなたの味方だよ」「何かあったら、いつでもそばにいるからね」という、より積極的なサポートの気持ちを伝えるフレーズです。相手に「一人じゃないんだ」という安心感を与えることができます。具体的な手助けを申し出る際にも使えます。
例文
- 困難な状況にいる友人を励ましたい時に”I know things are tough right now, but please remember that I’m here for you if you need anything at all.”(今は大変だと思うけど、何か必要なことがあったら、私がついているからね。)
- 話を聞いてほしいと思っているかもしれない相手に”There’s no need to talk if you don’t want to, but I’m always here for you.”(話したくなければ無理に話す必要はないけど、いつでもあなたの味方だからね。)
まとめ
いかがでしたか?日本語の「お大事に」という便利な一言も、英語では相手の状況や関係性によって様々な表現があることがお分かりいただけたかと思います。
- 基本は “Take care” (万能), “Get well soon” (病気・怪我), “Feel better” (軽い不調) の3つを使い分ける
- 丁寧な場面では “Wishing you a speedy recovery” を使う
- 心が疲れている相手には、”Thinking of you” や “I’m here for you” で寄り添う気持ちを示す
完璧なフレーズを選ぶこと以上に、相手を思いやる気持ちが最も大切です。まずは一番使いやすい “Take care” から、少しずつ実際の会話に取り入れてみてください。あなたの温かい気持ちが、きっとより深く、正しく相手に伝わるはずです。

英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
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