海外旅行中や、日本で英語を使う場面で、急に体調が悪くなったら…。「なんて言えばいいんだろう?」と不安に感じたことはありませんか?
自分のつらい症状を正確に伝えられないと、適切な助けを得られなかったり、周りに心配をかけてしまったりすることもありますよね。特に、慣れない環境では心細さも増すものです。
この記事では、そんな不安を解消するために、体調が悪い時に使える基本的な英語表現を、症状別に徹底解説します。シンプルなフレーズから、より具体的に症状を伝えるための応用表現まで、幅広くカバーしますので、あなたの「言いたい!」がきっと見つかります。
まずは、こちらのYouTube動画で基本をサクッと確認するのがおすすめです。要点を短くまとめています。
さらに深く、たくさんの例文を通してしっかり学びたいという方は、ぜひこのまま記事を読み進めてください。一つ一つの表現が持つニュアンスや、ネイティブが使う自然な言い回しまで、詳しく解説していきます。この記事を読み終える頃には、自信を持って自分の体調を伝えられるようになっているはずです。
まずはこれだけ!全体的な「なんとなく不調」を伝える表現
特定の症状を挙げるほどではないけれど、「なんとなく調子が悪い」「気分がすぐれない」という時に使える、非常に便利なフレーズから見ていきましょう。これらは会話の切り出しにも最適です。
1. I’m not feeling well. (体調が良くありません)
これは最も丁寧で、どんな相手にも、どんな場面でも安心して使える万能フレーズです。職場の上司への報告や、病院の受付、お店の店員さんなど、フォーマルな場面でも失礼になりません。具体的な症状を言わずに、まずは「具合が悪い」という事実を伝えたい時に重宝します。
- 使い方の例:
- 電話で会社を休む時: “Hello, this is [Your Name]. I’m calling to say that I’m not feeling well, so I won’t be able to come in to work today.” (もしもし、[あなたの名前]です。体調が優れないため、本日はお休みさせていただきます。)
- 友人との約束を断る時: “I’m so sorry, but I’m not feeling well tonight. I don’t think I can make it.” (本当にごめんなさい、今夜は体調が良くなくて。行けそうにありません。)
2. I feel under the weather. (なんとなく調子が悪いです)
少しカジュアルで、ネイティブが日常会話で非常によく使うおしゃれな慣用句です。直訳すると「天候の下にいる」となりますが、これは昔、船乗りたちが悪天候の時に船酔いして気分が悪くなったことに由来すると言われています。
深刻な病気ではないけれど、「二日酔い気味」「寝不足でだるい」「風邪のひきはじめかも?」といった、いつもの元気がない状態を伝えるのにぴったりの表現です。親しい同僚や友人に「ちょっと調子悪いんだ」と伝えたい時に使ってみましょう。
- 例文:
- A: You look a little pale. Are you okay? (少し顔色が悪いようだけど、大丈夫?)
- B: I feel a bit under the weather today. I think I need to get some rest. (今日はちょっと気分がすぐれないんです。少し休んだ方が良さそうです。)
【症状別】具体的な状態を伝えるための英語表現集
ここからは、頭痛、喉の痛み、鼻の症状など、具体的な症状を伝えるためのフレーズを詳しく見ていきましょう。「I have a 〇〇. (〇〇があります)」や「I feel 〇〇. (〇〇な感じがします)」という基本の型を覚えれば、単語を入れ替えるだけで驚くほど表現の幅が広がります。
頭痛 (Headache) の伝え方
頭痛は非常によくある症状ですが、その痛みの種類や程度は様々です。少し表現を工夫するだけで、相手に辛さをより正確に伝えることができます。
基本の表現
まずは基本の形です。これだけでも「頭が痛い」ということは十分に伝わります。
- I have a headache. (頭が痛いです。)
痛みの「程度」を伝える表現
「ひどい頭痛」であることを伝えたい時は、以下のような形容詞を付け加えてみましょう。痛みのレベルを段階的に表現できます。
- I have a bad headache. (ひどい頭痛がします。)
- I have a terrible headache. (とてもひどい頭痛がします。)
- I have a splitting headache. (頭が割れるように痛いです。)
split
は「割れる」という意味で、耐え難いほどの激しい痛みを表現できます。
痛みの「種類」を伝える表現
医師に症状を説明する際など、より詳しく痛みの質を伝えられると、的確な診断につながります。
- a throbbing / pounding headache (ズキズキ・ガンガンする頭痛)心臓の鼓動に合わせて脈打つようなリズミカルな痛みです。poundingの方がより強く、ハンマーで叩かれるようなイメージです。片頭痛(migraine)の際によく使われる表現です。
- 例文: I have a throbbing headache on one side of my head. (頭の片側がズキズキします。)
- a squeezing headache (締め付けられるような頭痛)頭の周りをバンドでギューッと締め付けられるような感覚の痛みです。ストレスなどが原因の緊張型頭痛(tension headache)の典型的な症状です。
- 例文: I feel a squeezing pain around my forehead. (おでこの辺りが締め付けられるように痛みます。)
喉の痛み (Sore Throat) の伝え方
風邪のひきはじめなど、喉に不快感がある時の表現です。
基本の表現
- I have a sore throat. (喉が痛いです。)sore はヒリヒリ、ズキズキする痛みを表す一般的な単語です。
喉の「状態」を伝える表現
- I have a scratchy throat. (喉がイガイガします。)scratchy は「ひっかくような」という意味で、風邪のひきはじめのイガイガ、ザラザラした感じをうまく表現できます。
- It hurts when I swallow. (飲み込むと痛いです。)これは非常に具体的で分かりやすい表現です。swallow (飲み込む) という単語を覚えておくと大変便利です。単に「喉が痛い」と言うよりも、症状の深刻さが伝わります。
- My voice is hoarse. (声が枯れています。)喉の痛みと合わせて、声が出にくい状態を伝える時に使えます。「声がガラガラです」というニュアンスです。
鼻の症状 (Nasal Symptoms) の伝え方
鼻の症状は、大きく「鼻水」と「鼻づまり」に分けられます。セットで覚えてしまいましょう。
鼻水 vs. 鼻づまり
- I have a runny nose. (鼻水が出ます。)runny は「液体が流れる」という意味の形容詞です。サラサラした鼻水が流れるイメージです。
- I have a stuffy nose. (鼻が詰まっています。)stuffy は「詰まった、風通しが悪い」という意味です。息苦しい感じが伝わります。
より自然な口語表現
- My nose won’t stop running. (鼻水が止まりません。)鼻水がひどく、ティッシュが手放せないような状態を伝えたい時に使えます。
- I’m stuffed up. (鼻が詰まってるんだ。)I have a stuffy nose. よりもカジュアルで、日常会話で非常によく使われる表現です。友人同士の会話などではこちらの方がより自然に聞こえます。
関連する症状
- I keep sneezing. (くしゃみが止まりません。)sneeze は「くしゃみをする」という動詞です。keep -ingで「〜し続ける」という、止まらないニュアンスを表現できます。
熱と寒気 (Fever and Chills) の伝え方
熱があるかもしれない、と感じた時の表現です。
- I feel feverish. (熱っぽいです。)体温計で測ってはいなくても、自分で「なんだか体が火照るな、熱っぽいな」と感じる時に使います。
- I have a fever. / I have a temperature. (熱があります。)実際に熱があると分かっている時の表現です。temperature は「体温」という意味ですが、「I have a temperature.」と言うと「平熱ではない=熱がある」というニュアンスになります。
- I have the chills. (寒気がします。)熱があってゾクゾクする時の表現です。部屋は暖かいはずなのに、ガタガタ震えるような寒さを感じるときに使います。chills と複数形になるのがポイントです。
その他のよくある症状
めまいや吐き気など、その他の一般的な症状も覚えておくと、いざという時に安心です。
- I feel dizzy. (めまいがします。/ フラフラします。)視界がぐるぐる回るような感覚です。
- I feel light-headed. (立ちくらみがします。/ 頭がクラクラします。)血の気が引いて、頭がふわふわするような感覚を表します。
- I feel nauseous. (吐き気がします。/ 胸がむかむかします。)「I feel sick.」とも言えますが、nauseousの方がより具体的に「吐き気」を指します。
- My body aches. (体の節々が痛いです。)インフルエンザ(the flu)の時など、全身の筋肉や関節が痛む時に使います。
- I feel sluggish. (体がだるいです。/ 倦怠感があります。)体が重く、思うように動かない状態を表します。
まとめ:まずは簡単な言葉で伝えることが大切

体調が悪い時に、難しい英語を思い出そうとするのは大変です。まずは、今回ご紹介した「I have a 〇〇.」のようなシンプルな表現を使って、自分の症状を伝えることから始めてみてください。
完璧な英語でなくても、一生懸命伝えようとすれば、相手はきっと理解しようとしてくれます。大切なのは、自分の状態を正直に伝える勇気です。
最後に、周りで体調を崩している人がいた時に使える、相手を気遣うフレーズもご紹介します。これらの言葉を添えるだけで、あなたの優しさがより深く伝わります。
- Get well soon. (早く良くなってね。)最も一般的で、誰にでも使える表現です。
- Take care. (お大事に。)別れ際の挨拶としても使えます。
- Take it easy. (無理しないでね。)相手にゆっくり休むよう促す、優しい表現です。
- I hope you feel better soon. (早く良くなることを願っています。)少し丁寧で、心からの気遣いが伝わるフレーズです。
- Wishing you a speedy recovery. (早いご回復をお祈りしています。)よりフォーマルな表現で、メッセージカードなどにも使えます。
これらの表現が、あなたの不安を少しでも和らげ、いざという時の助けになれば嬉しいです。

英会話カーディム講師。元外資系エンジニアでMBA保持者。海外留学なしに国内で独学にて英語を習得。ラテン語や印欧語、英語史の知識を持ち、英文法を含めた英語体系に詳しい。英語オタクで出版された英和辞典や英文法書は絶版も含めて殆ど持っている。
★ このブログの運営は、初心者専門英会話カーディム が行っています。★