【英語の「高い」を完全攻略】highとtallの使い分け|初心者向けに徹底解説!

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「このビルは高い」「彼は背が高い」「値段が高い」…日本語ではすべて「高い」の一言で済むのに、英語では場面によって単語を使い分ける必要がありますよね。

その代表格が “high” と “tall” です。

英語の学び直しを始めたばかりの方にとって、この二つの単語の使い分けは、最初の大きな壁の一つかもしれません。「どちらを使えばいいんだろう?」と、会話中に言葉に詰まってしまった経験はありませんか?

まずは基本をサクッと理解したい!という方は、こちらのYouTube動画をご覧ください。動画で概要を掴んでからこの記事を読むと、イメージが定着しやすくなり、さらに理解が深まります。

この記事では、動画の内容をさらに一歩も二歩も深掘りし、豊富な例文と共に「なぜそうなるのか?」というネイティブスピーカーが持つ根本的なイメージまで詳しく、そして丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたはもう “high” と “tall” の使い分けに迷うことなく、自信を持って英語を話せるようになっているはずです。

“tall” の基本イメージ:地面から伸びる「細長い」もの

まず、”tall” の核心的なイメージは「地面を基準にして、幅よりも高さが際立っている、細長いもの」です。地面から空に向かって、ひょろっと、あるいは、すっと縦に伸びている感じです。

人の身長は必ず “tall”

最も重要で、絶対に覚えておきたいルールはこれです。人の身長について話すときは、いつでも、どんな状況でも “tall” を使います。これは例外のない絶対のルールとしてインプットしてしまいましょう。

  • He is a tall man.(彼は背が高い男性です。)
  • My sister is taller than me.(私の姉は私より背が高いです。)
  • Who is the tallest student in your class?(あなたのクラスで一番背が高い生徒は誰ですか?)
  • I wish I were a little taller.(もう少し背が高かったらなあ。)

なぜ人には “tall” なのかというと、私たちは人の高さを「足元から頭のてっぺんまで」という、地面からの垂直な長さとして捉えているからです。この「下から上までの長さ」という感覚が “tall” の本質です。

細長く垂直に伸びる物

人以外にも、地面から生えていたり、建っていたりする「細長いもの」には “tall” が使われます。ポイントは、その物体の幅に比べて、高さがずっと大きいことです。

    • There are many tall trees in the park.(その公園にはたくさんの高い木があります。)
  • 建物やタワー(細長いという印象を強調する場合)
    • The Tokyo Skytree is a very tall tower.(東京スカイツリーはとても高いタワーです。)
    • Many tall buildings stand along the street.(通りに沿ってたくさんの高いビルが建ち並んでいる。)
  • キリンや植物、その他の細長いもの
    • Giraffes have long necks and tall legs.(キリンは首が長く、脚が高い(背が高い)です。)
    • That is a tall flagpole.(あれは高い旗竿だ。)
    • Sunflowers can grow very tall.(ひまわりはとても高く成長します。)

“tall” を見たら、まずは「人」か、地面から伸びる「細長い何か」を思い浮かべるのが、使い分けをマスターする一番の近道です。

“high” の基本イメージ:「高い位置」と「幅広さ」

次に、”high” です。こちらは “tall” よりも使われる範囲が広く、主に二つの大きなイメージを持っておくと非常に便利です。それは「高い位置にあること」と「幅が広いこと」です。

高い位置・場所にあるもの

地面や海面など、何かの基準(ベースライン)から「物理的に離れた高い位置」にあるものを示します。この場合、物自体の大きさや形は関係ありません。小さくても、高い場所にあれば “high” です。

  • 棚、窓、雲など
    • The book is on a high shelf.(その本は高い棚の上にあります。)
    • We have a great view from this high window.(この高い窓からは素晴らしい景色が見えます。)
    • Look at the high clouds in the sky.(空の高い雲を見てください。)
    • A kite was flying high above the park.(凧が公園の上空高く飛んでいた。)

幅が広い、どっしりした物体の高さ

“tall” が「細長い」のに対し、”high” は「幅が広い」物体、どっしりと大きく構えているような物体の高さに使われます。

  • 山、丘
    • Mt. Fuji is a very high mountain.(富士山はとても高い山です。)
    • We had a picnic on a high hill overlooking the town.(私たちは街を見下ろす高い丘の上でピクニックをした。)
  • 壁、フェンス、堤防など
    • The castle is surrounded by high walls.(そのお城は高い壁に囲まれています。)
    • They built a high fence around their garden.(彼らは庭の周りに高いフェンスを建てた。)

高さの測定

また、壁や山などの高さを具体的に数値で尋ねたり、答えたりするときにも “high” が使われます。これは、客観的な「高さ」という数値を表現する使い方です。

  • “How high is that wall?” “It’s about three meters high.”(「その壁の高さはどれくらいですか?」「約3メートルの高さです。」)
  • “How high is Mt. Fuji?” “It’s 3,776 meters high.”(「富士山の高さは?」「3,776メートルです。」)

“high” は、ある基準からの「距離」や「位置」、そして「幅広さ」をイメージすると、その使い方がクリアに見えてくるでしょう。

high vs. tall 使い分けのポイントを徹底比較

基本イメージが掴めたところで、日本人が特に迷いやすく、間違えやすいケースについて、理由を深掘りしながら直接比較していきましょう。

  • 常に “tall” です。 これは鉄則です。
  • もし間違えて “He is high.” と言ってしまうと、「彼は(お酒や薬物で)気分が高揚している、ハイになっている」という、全く違う意味になってしまいます。これは日本人学習者が犯しがちな重大な間違いなので、絶対に避けましょう。人の背丈は、必ず “tall” です。

  • 一般的には “high” を使います。 なぜなら、山の高さは通常、地面ではなく「海抜(海面からの高さ)」を基準に測られるからです。この「基準からの高さ」という考え方が “high” の核心でしたね。
    • Everest is the highest mountain in the world.(エベレストは世界で最も高い山です。)
  • ただし、例外的に、山の麓から頂上までの純粋な「高さ(標高差)」を他の山と比較するような文脈では “tallest” が使われることも稀にありますが、通常は “highest” が最も自然です。

建物

  • これは少し複雑ですが、話者の「視点」がカギになります。
    • 下から見上げる場合 → “tall”自分が地面に立っていて、建物が空に向かって伸びていく「細長い構造」や「威容」を強調したいときには “tall” がぴったりです。
      • Standing on the street, I looked up at the tall skyscraper.(道に立って、私はその高い超高層ビルを見上げた。)
    • 上から見下ろす・一般的な高さを言う場合 → “high”建物の高い階にいることや、建物全体の「高い位置」を客観的に述べたいときには “high” が使われます。
      • My office is on the 30th floor of that high building.(私のオフィスはあの高いビルの30階にあります。)

  • 木そのものは「細長い」ので、基本的には “tall” です。
    • A squirrel ran up the tall tree.(リスがその高い木を駆け上がった。)
  • しかし、木の「一部分」が高い位置にあることを言いたい場合は “high” を使います。
    • There is a bird’s nest high in that tree.(あの木の高いところに鳥の巣があります。)
    • The apples at the top of the tree are too high to reach.(木のてっぺんにあるリンゴは高すぎて手が届かない。)木全体は “tall”、でもその中の一部分の「位置」は “high” と考えるとスッキリしますね。

物理的なものを超えて:抽象的な「高い」の世界

“high” と “tall” の違いは、目に見える物だけに限りません。特に “high” は、目に見えない抽象的な事柄を表すのに非常に頻繁に使われます。この使い方をマスターすると、表現の幅が一気に広がります。

“high” が使われる抽象的な表現

「程度」「レベル」「基準」「地位」などが「高い」と言いたいときは、すべて “high” の出番です。物理的な高さのイメージが、概念的な「高さ」に応用されていると考えましょう。

  • 価格・温度・速度・血圧など(程度・レベル)
    • The price of vegetables is very high now.(今、野菜の値段がとても高いです。)
    • He drove at a high speed.(彼は高速で運転した。)
    • My father has high blood pressure.(私の父は血圧が高い(高血圧です)。)
  • 品質・基準・レベル
    • This hotel is known for its high quality service.(このホテルは質の高いサービスで知られています。)
    • They have very high standards for their products.(彼らは自社製品に対して非常に高い基準を設けている。)
  • 地位・役職
    • She has a high position in the company.(彼女は会社で高い地位に就いています。)
    • The case was taken to the High Court.(その事件は高等裁判所に持ち込まれた。)
  • 期待・可能性・リスク・緊張
    • We have high hopes for her success.(私たちは彼女の成功に大きな期待を寄せています。)
    • There is a high risk of an earthquake in this area.(この地域では地震の危険性が高いです。)
    • The singer hit a very high note.(その歌手はとても高い音を出した。)
    • I can’t hear such a high-pitched sound.(そんな高い周波数の音は私には聞こえない。)

“tall” が使われる抽象的な表現

一方、”tall” が抽象的な意味で使われることは非常に稀で、ほとんどが特別な言い回し(イディオム)の中だけです。これらは、言葉の裏にある「大げさな」「信じがたい」といったニュアンスを感じ取るのがポイントです。

  • a tall order(難しい要求、大変な仕事)
    • Finishing this report by tomorrow is a tall order.(明日までにこのレポートを終えるのは、大変な仕事だ。)
  • a tall tale / a tall story(信じがたい話、ほら話)
    • He told us a tall tale about his fishing trip, but nobody believed him.(彼は釣り旅行についてほら話をしたが、誰も信じなかった。)
  • to stand tall(誇り高くいる、堂々としている)
    • Despite the criticism, she continued to stand tall.(批判にもかかわらず、彼女は堂々とし続けた。)

まとめ:もう迷わない!使い分けの最終チェック

最後に、今日学んだことをシンプルにまとめて、あなたの記憶に定着させましょう。

  • Tall を使うのは…
    • 人の身長(He is tall.)
    • 木や細いタワーなど、地面から垂直に伸びる**「細長い」もの**(a tall tree)
  • High を使うのは…
    • 棚や雲など、「高い位置」にあるもの(a high shelf)
    • 山や壁など、「幅が広い」もの(a high mountain)
    • 値段、品質、地位など、目に見えない**「抽象的なレベル」**(high prices)

英語の学習は、こうした単語の一つひとつのコアイメージを、パズルのピースをはめるように掴んでいく作業の連続です。最初は難しく感じるかもしれませんが、たくさんの例文に触れるうちに、理屈ではなく感覚で、自然と正しい単語が選べるようになっていきます。

今回学んだことを意識しながら、身の回りにあるものを「これは tall かな? high かな?」と考えてみたり、映画や本の中で “high” と “tall” がどのように使われているか、ぜひ注目してみてくださいね。間違いを恐れずに使ってみることが、上達への一番の近道です。あなたの英語の世界が、きっとさらに豊かに、そして色鮮やかに広がるはずです。

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